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9月24日(木)の名盤は…

先週は日本では一発屋と思われがちな悲劇のバンド、

ビッグ・カントリーを紹介しましたが、

今週紹介したユニットもそれに近いかもしれません…。

今日はザ・システムのお話です。

1982年にニューヨークで結成された2人組ユニットで、

キーボートとドラムを中心とした白人マルチ・プレイヤー、

デヴィッド・フランクとボーカル担当の黒人、ミック・マーフィ。

ソウル、R&B大好きな白人とロック好きな黒人というチグハグで

ユニークなコンビが独特のサウンドを生み出します。

2人で曲を書き、2人でセルフ・プロデュース、

ごくわずかな味付け程度に外部ミュージシャンを入れることはあるものの、

基本的に演奏も2人だけで作り上げるスタイルは、

エレクトロニクスの普及によるところが大きく、

80年代の先端を行くものでした。

メンバーが少ないことを逆手にとっての打ち込み主体のエレクトロ・ファンクで、

そこそこのヒットを連発した彼らですが、ヒットの規模以上に、

同業者であるミュージシャンからの受けがよく、

楽曲提供やプロデュースの依頼が殺到。一躍人気者となったのです。

そんな彼らが外部での仕事から得たものをうまくフィードバックして、

1987年に発表したのが

「ドント・ディスターブ・ディス・グルーヴ」という曲。

それまでより少し生音の割合を増やし、

ミディアム・テンポに新境地を見せたこの曲は、

誰も聴いたことのない、正しく1987年時点で最先端のグルーヴを持ち、

全米4位(R&B1位)の大ヒットとなりました。

日本ではこれまでの彼らの情報がほとんど紹介されず、

いきなりこれから始まった感があったので、

一発屋と勘違いされているのが残念です。

この曲が業界に与えた衝撃は大きく、

この後2年間ほどこの曲を真似た数多くの曲が生まれたのですが、

当然ながらオリジナルを超えることはできません。

20年経た今なお古びず、堂々たる古典として、

R&B系のクリエイターにとって学ぶべき必須科目となっている名曲です。

お届けしたのは、

1987年の曲「ドント・ディスターブ・ディス・グルーヴ」でした。