1月21日(木)の名盤は…
先日から、
国内外の大物アーティストの訃報が相次いでいるんですが、
皆さんに知っていただきたい方ばかりですので、
数回に分けて紹介したいと思います。
まずはミック・グリーン。
ロック・ファン、中でも自分でギターを弾いている人には
絶大なる支持を集めている伝説のギタリストです。
今や若いJ-ロック・ファンのほうが彼のことを知っているのかもしれませんね。
2001年にミッシェル・ガン・エレファントが最大級のリスペクトをもって
彼と共演しています。ミッシェルのギタリスト、
故アベフトシさんの特徴的な奏法である、まるでマシンガンか
チェーンソーのようなガッコンガッコンという切れ味鋭いカッティング・ギター。
これのお手本となったのが、ウィルコ・ジョンソンというイギリスの
ギタリストといわれていますが、
そのさらに師匠にあたるのが、このミック・グリーンなのです。
要するに、この手のギター奏法を編み出した真のオリジネイターが
この人なのです。このような直系の弟子、孫弟子も
全世界にたくさん存在するのですが、
この手の奏法をメインとしないギタリストも、
”ミック・グリーンなんて聴いたこともない”という人達も
間接的にはどこかで影響を受けているのです。
なぜなら彼がザ・パイレーツにギタリストとして参加したのが1962年。
ビートルズとほぼ同期であり、ジョン・レノンもジョージ・ハリスンも
彼に衝撃を受け、後輩のローリング・ストーンズもキンクスもフーもみんな
ミック・グリーンからの影響を認めているからです。
イギリス四大バンド全てをビビらせ、何らかの刺激を与え合ったのですから、
現在までのプロ・アマ問わず全てのロック・ギタリストは知らず知らずのうちに
ミック・グリーンの血が流れていると言っても過言ではないでしょう。
偉大な功績の割りには知名度は高くありませんが、
今日も世界中のあちこちで彼の遺伝子が
ロックンロールをプレイしているのです。
今日お届けしたのは、彼が在籍したザ・パイレーツの初期(1963年)の
音源「マイ・ベイブ」でした。