« 1月27日(水)魔法のことば  |  「ぺんてる」のヒミツ >

1月28日(木)の名盤は…

今週は1月13日に59歳の若さで亡くなった

「テディ・ペンダーグラス」を紹介しました。

1970年代前半はハロルド・メルヴィン&ザ・ブルー・ノーツのリード歌手として、

70年代以降はソロとして大活躍。

日本でも”テディペン”の愛称で人気がありましたが、

世界的に見ても70年代の10年間で、

最も高い人気と実績を誇ったソウル・シンガー何人かのうちの

ひとりであったことは間違いありません。

彼の場合は、長身でルックスも良かったんですが、

何よりもその男性臭いバリトン・ヴォイスで雄大かつセクシーに歌う声が

黒人女性たちの憧れの的でした。

歌の内容もセクシー一辺倒で、ライヴではなんと女性から

下着が無数に投げ込まれるほど、まぁ、モテたんです。

プレイボーイな逸話もたくさんあります。

さて、人気絶頂の1982年、彼は交通事故を起こし、

下半身不随となってしまいます。

すると、あれだけキャーキャー言ってた女性達は手のひらを返したように去り、

彼の周りには2人の子どもと、女性問題で泣かせ続けてきた

奥さんだけしか残りませんでした。

大切なものに気付いた彼は車椅子に乗った歌手としてカムバック、

セクシー路線をやめ、家族への感謝や命の喜びを歌うようになったのです。

正直言って事故後の彼の歌は元気がなく、ハリもツヤも衰え、

痛々しささえ感じるところがあるのですが、まじめにひたむきに歌う姿は

全盛期とは異なる感動があります。

歌で富と名声を勝ち取り、歌で道を踏み外しかけ、歌に救われた59年の人生は

根っからのソウル・シンガーに相応しいものだったのかもしれません。

今日は、全盛期の1979年の大ヒット曲「ライトを消して」をお届けしました。