1月28日(木)の名盤は…
今週は1月13日に59歳の若さで亡くなった
「テディ・ペンダーグラス」を紹介しました。
1970年代前半はハロルド・メルヴィン&ザ・ブルー・ノーツのリード歌手として、
70年代以降はソロとして大活躍。
日本でも”テディペン”の愛称で人気がありましたが、
世界的に見ても70年代の10年間で、
最も高い人気と実績を誇ったソウル・シンガー何人かのうちの
ひとりであったことは間違いありません。
彼の場合は、長身でルックスも良かったんですが、
何よりもその男性臭いバリトン・ヴォイスで雄大かつセクシーに歌う声が
黒人女性たちの憧れの的でした。
歌の内容もセクシー一辺倒で、ライヴではなんと女性から
下着が無数に投げ込まれるほど、まぁ、モテたんです。
プレイボーイな逸話もたくさんあります。
さて、人気絶頂の1982年、彼は交通事故を起こし、
下半身不随となってしまいます。
すると、あれだけキャーキャー言ってた女性達は手のひらを返したように去り、
彼の周りには2人の子どもと、女性問題で泣かせ続けてきた
奥さんだけしか残りませんでした。
大切なものに気付いた彼は車椅子に乗った歌手としてカムバック、
セクシー路線をやめ、家族への感謝や命の喜びを歌うようになったのです。
正直言って事故後の彼の歌は元気がなく、ハリもツヤも衰え、
痛々しささえ感じるところがあるのですが、まじめにひたむきに歌う姿は
全盛期とは異なる感動があります。
歌で富と名声を勝ち取り、歌で道を踏み外しかけ、歌に救われた59年の人生は
根っからのソウル・シンガーに相応しいものだったのかもしれません。
今日は、全盛期の1979年の大ヒット曲「ライトを消して」をお届けしました。