1月7日(木)の名盤は…
2010年最初のこのコーナー、今日は、
ポップでハッピーな女性ボーカルの名盤を紹介しました。
1991年末にリリースされ、翌年92年にかけての大ヒット、
もう20年近く経つというのが
信じられないナンバー、「アイ・ラヴ・ユア・スマイル」。
ずーっと音楽を聴いていると、1年にほんの数曲だけ
”これは奇蹟のような曲だな”と思うものと出会うことがあります。
この曲はまさしく1992年の奇蹟のひとつでした。
イントロのスキャットからして最高にキャッチーで、
もうヒットは約束されたようなものですし、
グラウンド・ビートっぽいリズム、途中で挿入されるラップ、
ちょっとびっくりする程のジャズ界の大物によるサックス・ソロ、
全体のアレンジもこの時代より2~3年前でも後でも絶対に出来ない、
91年~92年でしかありえないコンテンポラリー感がありながら、
時代を超越したエヴァーグリーンな香りに溢れ、
だからこそ18年も前の曲とは思えないほど古びないんです。
そしてその奇蹟を最後に演出するのが、今日の主役シャニースの歌唱力。
この曲をさかのぼること4年前の1987年、14才でデビューした天才少女で、
この時点でまだ18才の若さ。
各方面から歌の上手さは若手で一番と絶賛されましたし、ルックスも抜群、
年齢的にみてもあと10年や20年はシャニースの時代が続くと
誰もが思ったものでした。
しかし、彼女の時代と呼べるものが来ることはなかったのです。
何故か4年に1枚のペースを守り続けたことが時代に乗り切れなかったとか、
90年代のいわゆるR&Bとの相性が悪かったとか、
”子役は大成できない”のジンクスにハマったとか、
理由はあるのかもしれませんが、残念でなりません。
ただ、ヒットはたくさんありますが、マライア、ジャネットと並ぶディーヴァに
なれる可能性があった人なのです。
いや、まだ36才。もう1度くらい奇蹟を起こすことも可能かもしれませんね。
それほどの器なのですから。