2月18日(木)の名盤は…
東京スカパラダイスオーケストラと奥田民生の
8年ぶりのコラボレーションが話題で現在ヒット中の「流星とバラード」、
これは実は厳密に言うと正式クレジットはあくまでも
スカパラの単独名義なんです。
この事実はリアルタイムで今、体験している我々が、歴史の証人として
覚えておかねばならないことかもしれません。
“何を大げさな”と思われるでしょうが、
これは大きな問題となる可能性があるのです。
例えば、久保田利伸やビッグ・マウンテンなど、数多くのカバーを生む名曲
「Just The Two Of Us(クリスタルの恋人たち)」という曲があります。
オリジナルはジャズのサックス奏者、グローヴァー・ワシントンJr.の
アルバムの中で、ソウル歌手ビル・ウィザースを
ゲストに迎えて歌ってもらったもの。
出来が良かったので連名でシングル・カットしたら
全米2位の大ヒットになりました。
ですから、どちらかと言えばワシントンの作品なのですが、
ウィザースにとっても代表曲となったために、
彼の単独ベスト盤にも収録されています。
ですが、再発される度にこうしたクレジットは簡略化されてゆくもので、
現在のCDには詳しく載っていません。
それで初めてこの曲を知る若い人はウィザース単独の曲と
思い込んでしまうかもしれないのです。
さて、ジャズ/フュージョン界の大物、クルセイダーズが
初めて歌モノに挑戦してヒットした名曲が「ストリート・ライフ」。
ランディ・クロフォードを歌手として迎えたこの曲は、
シングル盤でも正式名義はクルセイダーズ単独でした。
ところが、ランディにとっても代表曲なので、
彼女のベスト盤にも入っています。
しかし現在のCDにはクルセイダーズの「ク」の字も
クレジットされていません。
完全にランディ・クロフォードの「ストリート・ライフ」になっているのです。
これは歴史の改ざんと言えるでしょう。
音楽に関わる私たちは、10年、20年後のためにも正確な情報を
届けなければならないと、改めて肝に銘じたいと思います。
今日お届けしたのは、ザ・クルセイダーズが、
ランディ・クロフォードをボーカルに迎えた
1979年の曲「ストリート・ライフ」でした。