4/22「トム・ロビンソン・バンド」
今週はパンク・ロックの「トム・ロビンソン・バンド」を紹介しました。
彼らはロックのガイド本などではパンクに分類されることもあれば、
パンク以外のニューウェイヴや、
あるいはパワー・ポップに入れられたりすることもあり、
ポップで親しみやすいサウンドです。
トム・ロビンソン・バンドはひとつの枠に収まりきらない、
様々な要素を持った音楽性であることは間違いありません。
今日お届けした局は、
”パンク=暴力的でうるさい音楽”という認識の方からすると
拍子抜けするくらいキャッチーだったのではないでしょうか?
それにもかかわらず、何故彼らがパンクに分類され、
しかもそれに違和感がないのかといえば、
それは彼らの精神がパンクだからに他ならないのです。
パンクとは何か?というのは深いので、別の機会に詳しく取り上げたいのですが、
一言で言えば”パンクとはスタイルではない。アティチュード(態度、姿勢)だ”
というジョー・ストラマーの名言が全てを語っています。
トム・ロビンソン・バンドのリーダー、
トム・ロビンソンはゲイであることを公言しています。
しかし見世物的にゲイを売りにするのではなく、
真摯にかつユーモアと毒をまじえながら、
自分自身と他のゲイの人達の権利のために、
さらにすべてのマイノリティ=弱者のために、
社会や政治の差別に対して歌で闘っているのです。
パンクが勃発したからこそ、こうした少数派の主張が
表舞台に出るようになったわけですし、
何よりも弱者の立場から巨大な敵に立ち向かう”アティチュード”は、
パンク以外の何者でもないと思います。