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6/10 ブッカー・T.&ザ・MG

今日は時の記念日ということで、「時間」にちなんだ名盤を用意しました。

この「時間/Time」をテーマとする曲には名曲が本当にたくさんあって、

パッと頭に浮かんだだけでも10曲や20曲はすぐ出てくるほどなんですが、

今日はグッと渋いところでソウル・インストの名曲を紹介しましょう。

ブッカー・T.&ザ・MGズ、1969年の大ヒット「タイム・イズ・タイト」です。

ザ・MGズとは変わったバンド名に思われるかもしれませんが、

これはメンフィス・グループの略。その名の通り、

ブルース/ソウルの聖地メンフィスを代表する名門バンドなのです。

忌野清志郎が、彼らとやりたいためにメンフィスまで飛んでアルバム

(その名も「メンフィス」)を制作したことや、

あのブルース・ブラザーズのバックでもメンバーが大きく関わったことで

ご存知の方もいらっしゃるでしょうが、なんといっても全盛期は1960年代。

バンドの中に歌手がいない彼らは、

この曲の他にもたくさんのインスト・ヒットを放っていますが、

それ以上に重要なのが、

ソウルの名門レーベル、スタックスのハウス・バンドとしての仕事でした。

オーティス・レディング、サム&デイヴ、ウィルソン・ピケットなどの

代表曲の多くは、彼らの演奏なしにはありえなかったと言えます。

全盛期のメンバーは、ブッカー・T・ジョーンズ、アル・ジャクソン、

スティーヴ・クロッパー、そしてドナルド・”ダック”・ダン。

彼らのプレイはとにかく、ファンキーでグルーヴィーで

ブルージーでソウルフル。

スタックス・ソウル・サウンドを支えたこの素晴らしいバンドの半分、

ギターのクロッパーとベースのダック・ダンの2人が

実は白人だということも覚えておきたいところです。

さて、この曲は映画のサントラのためにメンバー4人で作ったものですが、

ひょっとしたら自分達のリーダー作と、いろんな人のバック演奏で

大忙しだった彼らの心の叫びだったのかもしれませんね。

今日お届けしたのは、ブッカー・T.&ザ・MGズで「タイム・イズ・タイト」でした。