7/1「ブレッド」
今日は、1970年代に多くのヒット曲を生んだ
アメリカのアコースティック・ロック・バンド「ブレッド」を紹介しました。
もともとは自分で表舞台に立つことを目標としながらも、
スタジオ・ミュージシャンや職業作曲家として活動していた
デヴィッド・ゲイツが中心となって、
同じような境遇の2人とロサンゼルスで結成。
日本でも高い人気を誇り、リアルタイムではもちろん、
1990年代にも代表曲のひとつである「イフ」がテレビ主題歌に使用され、
リヴァイヴァル・ヒットしました。
日本人の心の琴線に触れる、なんともいえぬ美しいメロディとハーモニー、
それに長年の裏方修業で鍛えた完璧なアレンジが
時代を超え愛され続けています。
バンドとして決して元気の良いロックン・ロール・ナンバーが
苦手なわけではないのですが、先ほどご紹介した「イフ」をはじめ、
「二人の架け橋」、「愛の別れ道」といったソフト・ロック・チューンが
特に人気が高いのですが、
今日は彼らにとってはソフトとハードの中間の代表曲「ギター・マン」を
オンエアしました。
ステージ上で観客を熱狂させ、ハートをワシ掴みにしながら旅から旅を続ける
ギターマンの栄光と孤独を描いた名曲ですが、面白い逸話があるんです。
実はこの直前、ブレッドはメンバー交代があって、
当時ロサンゼルスのNo.1スタジオ・セッションマンであるラリー・ネクテルが
新加入しています。
で、この「ギター・マン」の印象的なギター・ソロは名ギタリストであるゲイツではなく、
ネクテルが弾いているのです。
言っておきますが、ネクテルという人、No.1セッションマンであることは事実ですが、
代表的な演奏はサイモン&ガーファンクルの「明日に架ける橋」を盛り上げるピアノ。
そう、キーボード奏者なのです。
もともとブレッドの楽曲はジミヘンやクラプトンなどの
ギター・ヒーローを必要としない音楽性ですから、
ここではロックの象徴としてのギターであり、
真の意味は”バンドマン”と解釈できるのではないでしょうか。
そう考えると、超多忙の中、バンドに加入してくれたネクテルへの
敬意の現れだったのでしょう。