7/29「ストレイ・キャッツ」
暑いこの時期にこそ
汗の吹き出るようなロックン・ロールもいいのでは!?
というわけで、今日はストレイ・キャッツをピック・アップしました。
日本でも大変な人気を誇る3人組で、彼らの音楽のベースとなっているのは
ロカビリーと呼ばれるものです。
ロカビリーとは1950年代に誕生した音楽で、カントリーが
ブルース/R&Bの影響を受けて進化したもの。
「ロックン・ロールとは黒人音楽たるブルースの発展型である」と言われますが、
それだけではなくて、ほぼ同時期に白人音楽のカントリーからも
同じベクトルで新しいビートを生み出そうとした人々がいるのです。
黒人のロックン・ロールに対する白人からの回答、
それがロカビリーと言ってもいいでしょう。
なので、ロカビリーの特徴にはカントリーの性格が色濃く残っています。
ウッドベースを指ではじいたり、手の平で叩くスラッピング奏法で効果を出すのは
カントリーの流れですし、歌唱法も口ごもって発音するようなマンブリング唱法や、
しゃっくりするように声を裏返すヒカップ唱法など、
カントリーの手法を多く使います。
初期のプレスリーは完全にロカビリーでした。
実はロカビリー・ブームは1954年から1956年くらいのおよそ3年で下火となり、
その後25年近く表舞台に立つことはなかったのですが、
それをパンクを通過したスピード感で甦らせたのがストレイ・キャッツです。
彼らのすごといころは、パンク世代の若者はもちろん、
1950年代のロカビリーを知っている世代にも絶賛されたこと。
要するにルーツに忠実で本格的だったのです。
彼らの活躍で多くのバンドが登場し、
ネオ・ロカビリー・ブームが巻き起こりましたが、
両方の世代に支持されたのは彼らだけでした。
ちなみに彼ら3人ともアメリカ人ですが、イギリスの方がロカビリーを
理解してくれるのでは?とイギリスに渡りデビュー。
まんまと作戦が当たりました。
この時、航空券は4枚購入。1枚はウッドベース用だったそうです。
今日お届けしたのは、ストレイ・キャッツで「ロック・タウンは恋の街」でした。