カリグラフィー「米谷明香」さん
今日はカリグラフィーで作品を作っていらっしゃいます
「米谷明香」さんをゲストに迎えました。
どのような作品を作っていらっしゃいますか?
アルファベットの手書き文字を使って作品をつくっています。
カリグラフィーは、アルファベットの書道と紹介されることも多くて、
アルファベットを美しく書く技術です。
アルファベットそのものの形のおもしろさを作品にすることもあれば、
詩や小説の言葉をもとに作品をつくることも多いです。
カリグラフィーを始められたきっかけを教えてください。
結婚する時に眺めたウェディングの雑誌に
カリグラフィーの招待状が載っていて、こんな文字を書いてみたいなと
思ったのがきっかけです。始めてみると、ただ美しく書くだけではなく、
歴史的な背景のある奥の深い世界であることがわかりました。
カードをつくるだけでなく、作品をつくることができること、
また海外のカリグラファーも含めて
いろいろなワークショップに参加するたびに、一口にカリグラフィーといっても、
伝統的なものからモダンなものまで、いろんな表現があることがわかり、
どんどんおもしろくなり、思いがけずずっと続けることになりました。
カリグラフィーを始められる前に日本の書道をされたり、
絵を描かれたりされていたんですか?
実は全くありません。小学生のときに習字は習っていましたが、
「書道」という意識も全くなかったですし、絵は学校の授業で描いたくらいしかで、
カリグラフィーを始めてから久しぶりに絵の具をさわったくらいです。
作品をつくるためにワークショップなどで学びながら、
いろいろな画材や手法に触れることになりました。
それから「見る」ほうにも興味が出て、
美術館やギャラリーに出かけるようになりました。
好きな作品を見ることはとても刺激になります。
作品にはいろいろな文字、コトバ、文章が登場しますが、
もともと読書など文章に触れることがお好きだったのでしょうか?
本を読むのは小さい頃から好きでした。
寝る時間をすぎても親に見つからないようにベッドのなかで
本を読んでいたりしました。大学生のときに電車のなかで読むために
出かける時には必ず文庫本を1冊かばんに入れるようになったのですが、
それは今でも続いてます。旅行にいくときにも持って行きます。
本を読んでいて、直接作品に書きたいような言葉に出会う時もありますし、
発想のもとになるような文章にであうときもあります。
カリグラフィーを続けているのは、言葉をもとに作品をつくれる、
というのがいちばん大きいような気がします。
どんなところで作品を目にすることができますか?
作品をふだん展示しているところはありません。
熊本や福岡、東京などで作品展があると参加しています。
去年、あるイベントでカリグラフィーでつくったブックカバーなどを
展示していたところ、偶然長崎書店の店長さんに見ていただき、
お店のブックカバーをデザインさせていただくことになりました。
ブックカバーのデザインは、私自身が本を読むのが好きで、
日常の暮らしの中に本があるので、その考えをもとにデザインしました。
描かれている建物は、創業当時の長崎書店さんのかたちが元になっています。
今の長崎書店さんの屋上にも当時の建物の一部、常夜灯があって、
見上げると見ることができますが、
そのように当時のものを大切に感じてらっしゃるところにも共感しました。
1889年という創業の年もヴィンテージワインの
ラベルのようにこっそり入れています。
包装紙は、ブックカバーと違和感なく、縦横どちらの方向からでも
使えるデザインを、と考えたのですが、「本は開いたまま降ってくる」という
詩を読んだ時に浮かんだ、空に浮かぶ本棚のイメージです。
作品展などはKAKICAFEというメンバーで行なわれていますが、
どんなメンバーで、どんな活動を行っていらっしゃるのか教えてください。
福岡でカリグラフィーを習っているのですが、
その福岡のスタヂオで一緒の同い年の3人がメンバーです。
福岡・熊本・鹿児島とそれぞれ離れているので、
常になにか活動をしているわけではないのですが、
年に一度の作品展が主な活動で、ときどき他のイベントにも参加しています。
カリグラフィー、といってもまだまだあまり知られていない、
また知られていてもウェディングボードなど限られたイメージを
抱かれていることが多いので、いろんなカリグラフィーがあるというのを
なにげなく知ってもらえたらいいなと思っています。
便箋やブックカバーのデザインのように、
作品というカタチ以外でもカリグラフィーを見せて行けたらと考えています。
7月15日(木)から29日(木)まで、長崎書店ギャラリーで行われる
「KAKICAFE カリグラフィー展」はどんな展示を予定されていますか?
それぞれのカリグラフィーの作品とカリグラフィーでデザインした
ブックカバーなど小物の販売を予定しています。
また期間中に文字を書いてもらい、それをコラージュしてしおりをつくる
ワークショップも開催する予定です。
ワークショップ「カリグラフィーで作るしおり」
7月25日(日)11時/15時 長崎書店リトルスターホール
1500円(カリグラフィーペン・くるみインク付き)
お問い合わせ・お申し込み kakicafe@mail.goo.ne.jp