« 11月30日(火)のマツザキ・レコードは  |  11月30日(火)魔法のことば >

染色家「杉枝里奈」さん

今日は染色家の杉枝里奈さんをスタジオに迎えました。

11305

プロフィールを教えて下さい。

熊本市立高校被服科を卒業後、

沖縄県立美術大学で4年間染色を学ぶ。

卒業後帰郷し、現在に至るまで鹿本高校で美術の

非常勤講師の傍ら自宅で制作を続けています。

作品を見ていると、淡い色がステキですね。

大学の4年間では科学染料にしか触れる機会がなかったんですが、

その中で淡い色や渋い色を選んでいましたね。

そしてこちらに帰ってからは自宅(南阿蘇村)の近くにある

草木を使って染めています。

自然の力に驚かされてばかりです。

興味を持ったのはいつ頃からなんですか?

作る事がとにかく好きで、そしてファッションにも興味がありましたので、

高校で被服科に行くことにしました。

それから染物にたずさわる事になったきっかけは?

洋服を作る時に布屋さんに行くんですが、

たくさん布がある中で「コレだ!」というものに

中々出会えなかったんですね。

それで布を作るところから始めたいなと思い、

そのような勉強ができる大学はないかと探し、沖縄に行きました。

沖縄の染物は原色が強い気がするんですが?

そうですね、沖縄の紅型染めは中国からの流れを汲んでいるので、

色も柄も本土とは違った印象がありますね。

また、沖縄の同級生と私達の間には色彩感覚の違いがあったんです。

それは「光」の違いだと思うんです。

光が強いから植物も色鮮やかでキレイに見えるんですね。

阿蘇で私が見ていた景色とはまた違うんです。

私達からはそんな沖縄の子たちの色彩感覚を尊敬していましたし、

沖縄の子たちは私達の感覚を尊敬してくれていました。

型染めにはたくさんの行程が必要みたいですね。

そうですね、素材をスケッチしたら、

スケッチしたものを型紙に落とし彫り貫き、

11301

その型を織物生地にあてて空いた部分に糊を置いていきます。

そして型を外した糊の無い部分に、染料を差し、糊をふやかして落とします。

11302

ちなみにこちらは↓途中に使う「豆腐」これを下に敷いて彫るんだそうです。

11304

どんな瞬間が楽しいですか?

全部が楽しいですね。1つ1つの工程が全部楽しいです。

今年初めて作品展を開催されたそうですね?

はい、大学4年間、そして熊本に帰ってからの3年間、

あわせて7年分の作品を展示させてもらいました。

会場は olmo coppia さんという場所だったんですが、

そこもまたすごくいい場所なんですよね。

学校でも教えていらっしゃるそうですが、どんな授業ですか?

美術分野を幅広く教えていますが、

今、1年生が制作しているのは捺染(ステンシル)によるエコバッグ作りです。

今後の目標などありますか?

熊本に帰ってからは植物染料を主にやっているんですが、

スケッチにしても植物染料にしても、

植物ともっと仲良くなって作品展が出来たらいいなと思っています。