1/13「ジャパン」
今日は「ジャパン」を紹介しました。
1978年にデビューしたイギリスのニュー・ウェイヴ・バンドで、
ここ日本ではデビュー直後からそのバンド名の親しみやすさと
奇抜かつ美形のルックスで女子中高生を中心に人気爆発、
それは凄まじいものでした。
1980年前後の日本のティーンズに人気のあった洋楽バンドといえば
クイーン、キッス、ジャパンが3トップでしたが、女子人気は
若いジャパンが圧倒的でした。ちょうどクイーンが30代になった頃、
入れ替わるようにアイドルの座についたのが彼らだった、という感じです。
ところがアイドル人気だけではなかったのがジャパンの凄いところ。
10年後の90年代に入って、新たな事実が判明するのです。
X JAPAN、GLAY、BUCK-TICK、LUNA SEA、ソフトバレエ、グラスバレー、
デルジベットなどといった日本のバンドの多くが、
思春期にジャパンの洗礼を受けていたことを公言しており、
実は男子もしっかり聴いていたことが裏付けられたのです。
それどころか、この“ジャパンに衝撃を受けてバンドを始めて
プロになった率”の高さは尋常じゃないでしょう。
こればっかりはクイーンやキッスをはるかに
上回っているのではないでしょうか。
少年の手に楽器を取らせる何かが彼らの
音楽にあったのは間違いありません。
そんな彼らですが、本国イギリスではさっぱりで、ようやくまともに売れたのは
1981年のラスト・アルバム「錻力の太鼓」だけ。
“こいつら何者だ?”と気づいた時にはすでにバンドは解散していたということで、
逆に伝説のバンドとなっています。
そのラスト作について、“制作中に会社からも事務所からも、
これが最後だ、と通告されて、
おかげで誰からも文句言われず自分たちの好きなように作ったら
皮肉にも最も成功してしまった“と語っていたベーシストのミック・カーンが、
先週1月4日、肺ガンのため亡くなりました。
メンバーの中で音楽的には最も高く評価され、
フレットレス・ベースの独特なサウンドで多くのリスペクトを集めていた
彼のご冥福をお祈りいたします。
今日お届けした曲は、1981年の曲「ヴィジョンズ・オブ・チャイナ」でした。
マユ毛のない赤い髪でカニ歩きしながらベースを弾く
彼の姿を思い出しながら、ベースラインを中心に耳を傾けてみてください。