« 3月29日(火)のマツザキ・レコードは  |  3月29日(火)魔法のことば >

「こども×くすり×デザイン実行委員会」中村守男さん

大人でも薬を飲むのが苦手という方、いらっしゃるんじゃないでしょうか。

子どもならなおさらですよね。

子どもに薬を飲ませるのは、大人も子どももお互い大変ですが、

例えば魚の形をしたカプセルの薬があったら、

少しは楽しく飲めそうな気がしませんか?

そんな薬に感じる子どものストレスを軽減するために、

薬や薬入れといったものを使いやすくデザインする活動をしているグループを

紹介しました。ご出演は、

「NPO法人こどもとくすり」代表理事で「こども×くすり×デザイン実行委員会」の

中村守男さんです。

465_1110130

中村さんは小児科で働く現役の薬剤師さんでもあります。

ご自信も二人のお子さんのお父さんということで、「パパ薬剤師」ならではの、

子ども・子育てに関する講演やコラムの執筆、イベント企画などを専門に

活動されています。

「こども×くすり×デザイン実行委員会」の活動をスタートしたきっかけは?

2007年1月頃、今回のデザインを担当されている平井康之准教授と

九州大学のあるプロジェクトの懇親会での偶然出会ったんです。

Photo

その際、平井准教授が「子どもの薬とインクルーシブデザインで

何か面白そうな事が出来ないか?」という提案をされて、

その時僕は、はじめてインクルーシブデザインという概念を知りました。

(インクルーシブデザインとはこれまで除外(エクスクルード:exclude)

されてきた人々を包含(ほうがん:包み込む=インクルード:include)し、

かつビジネスとして成り立つデザインを目指す考え方。です。)

そして「なんか面白そう!」だと感じ、例えば、子ども達が薬を飲めないという

現実問題などに目を向けてみようと!という事で始めました。

「こども×くすり×デザイン実行委員会」から生まれたデザインで

実際に商品化されたものにはどんなものがあるのでしょうか?

「こどもおくすり手帳けんこうキッズ」というものがあります。

日々の健康管理が出来るページに、

+全てのページに「気づき」を入れています。

また、子育てに特化した薬のQ&A。

これは、僕自身が毎日100人(のべ10万人)のママに投薬した内容です。

デザインは、

「病気」という陰なイメージから「健康」という陽なイメージになっています。

5

その他にまだ商品化はされていませんが、

ワークショップやデザイン展を開催される中で、

グッドデザイン賞やキッズデザイン賞を受賞するようなものから、

ユニークなものまでいろいろなアイデアが出ているようですね。

2008年2月「こんな薬があったらいいな♪」こども向けワークショップ開催した

んですが、その時に子ども達の奇抜な発想に出会いました。

コレがこれからの医療の形かも!と感じました。

例えば、マラカス注射器や不思議なポンプ、キラキラ宇宙ライトなど。

Photo_2

Photo_3

「こども×くすり×デザイン実行委員会」の今後の目標は何ですか?

どうしても無機質になりがちな「医療・薬」の分野ですが、

ユーザー(こども)に優しく、子育ての視点に立った、

これからの「医療・薬」のデザインを提案していく事をミッションとしています。

◆けんこうキッズの全国展開。(全国から注文はあるが現在は九州がメイン。)

◆けんこうキッズのバージョンアップ。削除・不可を加えて第2段に。

◆「けんこうキッズ」の水平展開。

→(例)薬袋(薬を入れる袋)、子どもが利用しやすい薬局の店舗デザインなど。

◆また、平井准教授は「子どもだけでなく、お年寄り向けも考えてみたい。

例えば、たくさんの種類の薬を服用する高齢者が飲み忘れをしないよう、

デザインを工夫した薬入れなどを作ってみたい」と話しています。

→こどもに特化して、活動を行っていると高齢者に共通する部分が多い。

「こども×くすり×デザイン実行委員会」について詳しくはこちらをご覧下さい。

http://www.inclusive-d.com/31chil.html 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

デザインを生活の中に取り入れることで、くらしが豊かになる、

そのヒントになれたら、という思いでやってきた「アートなくらし」。

実は今日で終了です。

来週からは月曜の10時台に

スポーツとアートだけでなく、さらにジャンルを拡大、

より多彩なゲストをお招きしての新コーナー

「ヒューマンラボ」が始まります。お楽しみに!