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熊本市近代文学館「鶴本市朗」さん

今日は、熊本県立図書館 参事 熊本近代文学館担当の

鶴本市朗さんにお話を聞きました。

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~~~~~鶴本市朗さん プロフィール~~~~~

1967年 山口県下関生まれ

1986年 山口県立下関西高等学校卒業

1992年 熊本大学文学部文学科 比較文学コース卒業

1992年、八代工業高等学校  国語科教諭として赴任

1995年、高森高等学校へ異動

2002年、第二高等学校へ異動

2008年、熊本県立図書館へ異動

学校では、「朝の読書」実践の取り組み、「今、ここで」実践の取り組み。

これまでに鶴本さんが手がけられた企画について教えてください。

赤星水竹居(俳人・丸ビル経営者・小岩井農場の基礎を築いた人、

俳人・高浜虚子と深い関係にあった)

種田山頭火(種田山頭火が熊本時代に短歌を作っていたなどの

知られていないエピソードの紹介)

それからの武蔵展(熊本出身作家の小山勝清の「それからの武蔵」の紹介。

熊本市の「最後のマンガ展」に合わせ、

島田美術館と3館でスタンプラリーを開催。)

詩人・伊藤比呂美隊長率いる熊本文学隊との共催で、

連詩の講演会を開催。

谷川俊太郎、覚和歌子(『千と千尋の神隠し』「ゼロになるからだ」作詞)、

四元康弘、ジェリー・ローゼンバーグ、ジェフリー・アングルス(通訳)で

連詩を作成し、その朗読、解説の講演会。

出前講座

熊本ゆかりの文学者の紹介

パワーポイント、Macのキーノートを使って、写真と資料を使っての文学講座。

夏目漱石、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)、中村汀女、徳富蘇峰、

徳富蘆花、種田山頭火、高群逸枝、徳永直ほか

「スラムダンクでブンガクしよう」

「バガボンドでブンガクしよう」

「リアルでブンガクしよう」

鶴本さんが近代文学館でマンガを取り上げたイベントなどを行なう

きっかけは何だったんですか?

3年前、異動で文学館の担当になった時、ゴールデンウイークの子ども

読書フェスティバルで文学講座をしないといけないと言われた。

突然の異動で、特に準備もなかったので、生徒たちに一番ウケていた、

「スラムダンク」を題材にした講座を行った。

高校に勤務していた時、授業で、スラムダンクを使った

感想文の書き方を話したり、スラムダンクの名前の秘密などを

解説した時に、生徒たちの関心がとっても高かったので、

これなら多くの子供達や、

一般の方々も楽しく聞いてもらえるかなと思ったこと。

また、井上雄彦さんの作品に込められたメッセージは、

コミュニケーションに関わるもので、現代の方々に深く伝わるものであり、

特に子供達に伝えたいと思ったこと。

例えば、スラムダンクのエンディングで言いますと、

台詞なしで”絵”だけで”伝えよう”としているところがあるんですね、

そういう挑戦という点でも面白いなと感じています。

鶴本さんの今のオススメを教えて下さい。

今のオススメは、末次由紀「ちはやぶる」百人一首を題材にした漫画です。

その他、

井上雄彦「スラムダンク」「バガボンド」「リアル」

毛利甚八・作 魚戸おさむ・画「家栽の人」(私の生徒指導のバイブル)

森川ジョージ「はじめの一歩」大河ボクシング漫画など、

このほかにもたくさんあります。

鶴本さんの講座ではどんな事が聞けるんでしょうか?

スラムダンク 名前の法則があるんです。

登場人物の名前をよく探ってみると2つのパターンがあるんですね。

その2つのパターンを読み解くと、

さらに1人の名前を表しているんです。

その人物が井上さんが一番言いたかった事ではないかと思っています。

近々行なわれる講座などありますか?

5月5日(木)午後2時から、

「井上雄彦でブンガク」しよう という講座を行います!

「スラムダンク」や「バガボンド」、「リアル」から見えてくる

作者・井上雄彦のテーマ作品を貫く身体性/作品に見る「間の表現」など、

図や写真を用いたスライドでわかりやすく解説します。

※入場は無料です。

熊本県立図書館3階大研修室 定員100人 

この夏、面白いイベントがあるそうですね?

夏に荒木俊馬の展示会を開催しようと思っています。

荒木俊馬さんは、熊本出身の宇宙物理学者。

京都大学の学生時代にアインシュタイに出会い、ドイツへ留学。

京都産業大学初代学長。

子ども向けに「大宇宙の旅」という本を著作。

その本を少年時代に読んだ「宇宙戦艦ヤマト」「銀河鉄道999」の

作者・松本零士が強く感銘を受け、それ以後、

宇宙へ大きな関心を抱くようになった、

ということをこの本の復刻版に寄稿しています。

ということで!

8月27日(土)に熊本市青年会館で松本零士氏の講演会を予定しています。

~~~熊本近代文学館に関する問合せ~~~

電話  096-384-5000 FAX  096-385-4124

※熊本近代文学館は、熊本県立図書館の隣にあります。

熊本県立図書館が現在の出水に移築される際に開館。

熊本の豊かな文学的土壌を一望できる展示施設として、

また、熊本ゆかりの文学関係の資料の収集、保存をし、

研究に資するために設立。

常時展示

夏目漱石、ラフカディオ・ハーン、徳富蘇峰、徳冨蘆花をはじめ、

32人の熊本ゆかりの文学者。

夏目漱石と正岡子規の往復書簡、夏目漱石がスケッチした猫の絵など。

作家の直筆原稿などの貴重資料や、書籍、研究文献などを収蔵しています。

本日オンエアのこのコーナーをポッドキャストでも配信中。

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