「エアマルチプライヤー」のヒミツ
今日はサイクロン掃除機で知られていると思います「ダイソン」の、
大ヒットしている羽のない扇風機「エアマルチプライヤー」。
この開発秘話など、ダイソンにまつわる会社のヒミツに迫ります。
ご出演は、ダイソン株式会社の石原恵梨さんです。
~~~~~~~ダイソン株式会社 会社概要~~~~~~~
家電の研究開発、製造、販売、アフターセールスを手掛けている会社です。
ダイソンは、サイクロン掃除機でよく知られていると思いますが、
もともとデザインエンジニアであるジェームズ ダイソンが
自分が使っていたパック式の掃除機がゴミを吸わなくなるという
不満から開発されました。
1979年から約5年の歳月と5,127台の試作品を経て、
紙パックを使用せず吸引力が衰えないサイクロンテクノロジーを
搭載した掃除機を開発。世界初のサイクロン掃除機が発売されました。
その後1993年に、英国ダイソン社を設立。
掃除機DCO1を発売後3年で英国のベストセラー掃除機となりました。
1998年、日本でのダイソン社を設立。
2004年、ダイソン社では初めて、ひとつのマーケットに向けに
デザインされたDC12を日本で発売。現在世界49カ国で発売されています。
現在では約400人のデザインエンジニアが
日々研究開発に従事しております。
“デザインエンジニア”はどんなお仕事をされているのでしょうか?
ダイソンにはデザイナーがいないんです。
研究開発にはデザインエンジニアが行っており、
デザインと開発を分けることなくものづくりに取り組んでいます。
ダイソンではエンジニアリングを突き詰めれば、
結果的に魅力的なスタイリングが生まれる。
機能を表すためにあるのがデザインと捕らえています。
会社の根幹となるエンジニアリングを強化を目指し、
エンジニアを現在の2倍にする、増員を計画しています。
大ヒット中の「エアマルチプライヤー」はどんなきっかけで
開発されることになったのですか?
日本では販売しておりませんが、主に欧米向けにつくられている
ダイソン独自のハンドドライアー(エアブレード)の開発時に
高速の空気が細い隙間から出てくるときに、周りの空気を巻き込み、
増幅することにエンジニアが気づきました。
それを使ってなにかできないかと開発されたものが
エアマルチプライアーです。
「エアマルチプライヤー」開発のポイントはどんなところにあったのでしょうか?
ひとつはインペラと呼ばれる内部のもので、
もう一つは空気が出てくる円形パーツです。
エアマルチプライアーは1秒間に最大33リットルの空気を吸い込み、
吸い込んだ空気の15~18倍の風量を生み出します。
インペラは、本体土台部で吸い込んだ空気を
上部の円形パーツに送る際に使用しているものですが、
9個の非対称に並んだフィンには上下に衝突する気圧によって起きる
摩擦を権限さえる小さな穴があります。
これによって効率的に、
円形パーツのどの部分からもきちんと空気が出てきます。
「エアマルチプライヤー」の開発で苦労した点はありますか?
円形パーツは、空気の増幅を作り出す働きをしていますが、
エンジニアが一定の角度の傾斜で空気を加速させると
10~20倍に風量が増すことを発見しました。
しかし、空気が出てくる噴き出し口の幅、傾斜の角度のわずかな
変化によってさまざまな結果を出しました。
傾斜の角度が急すぎると気流速度(冷却)を妨げ、
浅すぎると風量範囲に影響を与えるため、
最適なサイズを導きだすのに苦労しました。
「エアマルチプライヤー」とい名前の意味は?
空気を掛け算のように増やすというところから、
英語のair + multiplyでAir Multiplier (エアマルチプライヤー) からきています。
その他、オススメの商品を教えて下さい。
サイクロン掃除機DC26もオススメです。
日本市場向けに開発されたこの製品は、
本体がA4用紙に収まるほどコンパクトなサイズで、
ダイソン史上最小、最軽量の掃除機です。
またクリーナーヘッドには静電気の発生を抑える
カーボンファイバーブラシを搭載しています。
日本の家庭に多いフローリングでは、
掃除機のブラシが回転することで静電気が発生し、
微細なゴミやホコリの取り残しがありましたが、
カーボンファイバーブラシでそのようなゴミもきちんと取り除きます。
ダイソンHP http://www.dyson.co.jp/
本日オンエアのこのコーナーをポッドキャストでも配信中。
詳しくはここ↓