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永谷園「お茶づけ海苔」のヒミツ

今日は、永谷園「お茶づけ海苔」のヒミツに迫りました。

ご出演は、株式会社 永谷園の萩尾安希奈さんです。

~~~会社概要~~~

1953年(昭和27年) 創立。                                                          

弊社創業者である永谷嘉男の生家は、京都における由緒あるお茶屋で、

8代目の店主が東京に出てきて、茶屋「永谷園」を構えました。

これが前身となって、1952年に「お茶づけ海苔」を開発、ヒットを受けて

翌年1953年に食品メーカーとして「永谷園本舗」を設立し、

その後1992年に社名を変更し「永谷園」という社名になり、

現在に至ります。

現在は、お茶づけ、ふりかけ、即席みそ汁、その他飲食料品の

製造販売を行う食品メーカーとして、代表商品は、

「お茶づけ海苔」、「さけ茶づけ」、「梅干し茶づけ」、「おとなのふりかけ」、

「松茸の味お吸いもの」、「あさげ」、「麻婆春雨」、「広東風かに玉」、

「すし太郎」、などなど多岐にわたります。

「お茶づけ海苔」というと永谷園のロングセラー商品ですが、

この商品の開発時のエピソードを詳しく教えてください。

茶屋「永谷園」は9代目当主でアイディアマンの「永谷武蔵」のもと、

製茶の販売に加え、当時珍しかった「グリーンティー」や「昆布茶」、

海苔を浮かべたお吸い物のような「海苔茶」など、

様々なものを作り、活気に満ちていました。

息子で10代目の「永谷 嘉男」は、

そんな父の姿を見ながら成長していきます。

そんな中、ある時、飲食店でしめに出されたお茶づけのおいしさに

「嘉男」は改めて気づき、「このおいしいお茶づけが家庭でも、

主婦や子供でも手軽に食べられたら」と思いつきます。

そこで、父が作った「海苔茶」をもとに、風味のアクセントとなる

あられを加えるなどして、完成させました。

「お茶づけ海苔」の開発のポイントはどこでしょうか?

京都のお茶づけを参考に、

「お茶づけ海苔」にあられを入れたところです。

あられを入れることで、香ばしさや食感がアクセントになり、

お茶づけがおいしく楽しい商品なりました。

また、当時の包装技術は進歩していなかったため、

塩や海苔を主原料としている「お茶づけ海苔」は湿気やすいものでした。

後からわかったことですが、あられには吸湿効果があり、

「お茶づけ海苔」を湿気から防ぐという役割も果たしていたようです。                                                           

お茶づけ海苔の原料は「塩、砂糖、抹茶、昆布粉、あられ、

海苔、調味料」と、実にシンプルに作られています。

発売から現在に至るまで大きな味のリニューアルはなく、

その味付けは黄金比と言われ受け継がれています。

「お茶づけ海苔」の開発で苦労した点は?

・発売当初は、自転車の後ろにリアカーを引いて、

お茶屋を1軒1軒回って納品していました。

するとカラフルなパッケージが店頭で目を引き、予想を上回るヒット。

そこで、発売の翌年1953年に「永谷園本舗」を設立し、

問屋を通じデパートに納入を始めました。

今までにない商品だったため、店頭で実演販売を行い、

商品認知に努めました。

パッケージは、発売当時“江戸の粋な味”をイメージし、

「江戸風味お茶づけ海苔」と印刷していました。

しかし模倣品が現れブランドの大切さに気づき、

1955年に「永谷園のお茶づけ海苔」に変更し、

1956年に商標登録をとりました。

それ以降、大きな変化はなく現在に至ります。

「お茶づけ海苔」のパッケージデザインの由来は?

「お茶づけ海苔」のパッケージには、嘉男の両親が歌舞伎好きで

幼い頃によく連れて行ってもらったことから、

歌舞伎の定式幕を起用しました。

また、歌舞伎は江戸情緒を表していて、

お茶づけの粋な味のイメージと合致しました。

これは、創業者 永谷嘉男がデザインしたものです。

「お茶づけ海苔」のパッケージに「隈取は永谷園の登録商標」との

表記がありますが、この由来は?

隈取は、パッケージに華やかさを出そうと添えられました。

この隈取についても、

発売当時に模倣品が出現した苦い経験が活かされ、

1959年に商標登録しました。当時の苦労した体験が、

当社のブランドを大切にする精神につながっています。 

現在「永谷園」のお茶づけは、いろんな種類があるそうですが、

何種類ぐらいあるのでしょうか?現在の一番ヒット商品はどれですか?

この9月に新発売するものも合わせて、現在は17種類になります。

一番人気は、やはり定番の「お茶づけ海苔」です。

シンプルな味なので、お好きなトッピングで召し上がったり、

暑い日には冷たいお水で「冷やし茶づけ」にしたりと、

お好きな食べ方で楽しめます。

また、パスタやドリア、サラダなどアレンジメニューをHPで紹介しています。

また、地域限定の商品も展開しており(全7種類)、

九州エリアでは「明太子と高菜のお茶づけ」を

お土産屋さんなどで発売しています。

通販限定では、一格上の高級お茶づけ「極膳」(全16種)という

商品も販売しています。「お茶づけ海苔」は1食30円弱ですが、

これは1食300円弱と、およそ10倍です。

でもその価格の分だけ、ゴロっと存在感のある鯛や焼き鮭などの具、

だしをきかせた風味のあるスープが楽しめるよう仕立てています。

一度召しあがって頂くとそのおいしさに納得、

たくさんのリピーターの方にご愛顧いただいています。

永谷園HP http://www.nagatanien.co.jp/

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