三島食品「ゆかり」のヒミツ
今日は、「ゆかり」や「炊き込みわかめ」でおなじみの「三島食品」の
会社のヒミツに迫りました。
ご出演は、三島食品株式会社の佐伯俊彦さんです。
~~~~~~三島食品株式会社 会社概要~~~~~~
創立は、1949年(昭和24年)、本社は広島県広島市
事業内容は、ふりかけ、レトルト食品などの製造販売
主要商品は、赤しそふりかけ ゆかり、瀬戸風味、
炊き込みわかめ、菜めしなど。
「ゆかり」という三島食品の有名なロングセラー商品ですが、
この商品の開発時のエピソードを詳しく教えて下さい。
開発のきっかけは一人のセールマンの熱意でした。
ゆかりは1970年3月に商品化されました。
その頃名古屋地区で赤しそを細かく刻んだ漬物
(今で言うウエットタイプのふりかけ)が良く売れていました。
当時はふりかけしか売るものがなかった時代で、
あるセールスマンが毎日のように「赤しその漬物を作ってほしい」との
要望を営業日報に書いていましたが、当時の社長(創業者)は
「それは他社(漬物屋)がやることでうちはやらない」と
聞き入れていませんでした。
しかしあまりにもしつこく言ってくることに根負けして、
「漬物はだめだが乾かして売るのなら良かろう」ということになって
研究が始まりました。
「ゆかり」の開発のポイントはどこでしょうか?
漬物(塩蔵品)を乾燥させることは大変難しい技術を要し、
温度設定が低いと乾燥せず、温度を上げると焦げ付き、
完成までの道のりは並大抵ではありませんでした。
やっと製品化にこぎつけたものの店頭に置いてもらっても売れず、
長く店頭に置いておくと白っぽく変色してしまい
ますます売れなくなるという悪循環でした。
セールスは毎日のように新しい商品との入れ替えに走り、
多くの返品が返ってくることもありました。
しかしそのうちに業務用のルートで学校給食のメニューとして人気が出て、
やがて市販用も次第に売れるようになっていきました。
「ゆかり」のネーミングの由来は?
「ご縁(えん)と紫色」から名付けられました。
古今和歌集の中に、
「紫のひともとゆえに武蔵野の 草は皆がらあはれとぞ見る(読み人知らず)」
とあります。これは「むらさき草がひともと(1本)咲いている、
という“縁=ゆかり”だけで、武蔵野の草花が皆いとおしく、
身近に感じてしまう」という意味になるそうです。
この「縁」あるもの、「ゆかり」あるもの=むらさき草で、
ゆかり(縁)の色は紫色を言うようになりました。
また平安の頃より紫色は高貴な色でもありました。
この紫色を染め出すために珍重されたのが、
むらさき草の根だったそうです。当社のゆかりはこのことから品名
に「ゆかり」と名づけ、商品の袋にも紫色を使用しています。
温かいご飯にかけて食べたら本当に美味しいですよね。
そうですね、シンプルですが、ごはんにふりかけたり、
おにぎりにしてお召し上がりいただくのが一番だと思います。
(冷めても美味しくいただけます)
また、ごはん以外の食べ方としては、パスタに和えたり、
茹でた野菜に和えたりしても簡単で美味しく野菜を摂っていただけますよ!
「炊き込みわかめ」なども有名ですよね?
炊き込みわかめの開発とネーミングの由来について
混ぜごはんの素で「炊き込みわかめ」という商品があります。
ゆかりに続くロングセラー商品です。
この商品はもともと学校給食で広まった業務用商品でしたが、
学校で食べたわかめごはんが美味しいと子供たちが家に帰って
お母さんに話しますが、当時は市販化されていなかったので、
学校給食の調理員などを通して買われていました。
その後学校の近くの小売店で300gの業務商品が売られるようになり、
最終的に市販化されることになりました。
“混ぜ込み”なのに“炊き込みわかめ”とあるのは、
混ぜ込んでも炊き込んだように美味しくできあがると言う意味から
社内公募で決まりました。
これからも更なる「ゆかり」を楽しみにしています!
はい、これまでにも美味しい「ゆかり」をつくるために、
ゆかりにあった赤しその種子の開発を20年余りの時間をかけて
誕生させました。
ゆかりの美味しさの命は、香り・色・食感です。
これらの要素が整った赤しその種子を開発し、
いまでも進化させています。
その種子の品種登録を農水省へ行ない、
名前の「豊香(ホウコウ)」は商標登録しています。
本日オンエアのこのコーナーをポッドキャストでも配信中。
詳しくはここ↓