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「YKK」ファスナーのヒミツ

今日はYKKのファスナーのヒミツに迫りました。

ご出演は、YKK株式会社の長沼 忠宏さんです。

~~~~~~~YKK株式会社 概要~~~~~~

本社所在地、東京都。

グループ会社:71カ国/地域 111社(海外90社、国内21社)

昭和9年(1934年)、ファスナーの加工・販売の「サンエス商会」として

創業しました。戦後、故郷富山県に戻った創業者の吉田忠雄が、

社名を「吉田工業株式会社」と変えました。

その英文社名の「Yoshida Kogyo Kabushikigaisha」の頭文字を

それぞれとって、ファスナーの商標名としたのが

「YKK」の呼び名のはじまりです。

ファスナーのロゴマークに使用された商標は多くの人の目に触れ、

「YKK」という呼び名が定着するようになりました。

平成6年(1994年)になって社名変更して採り入れられました。

ということで、正式な社名としては

まだそんなに歴史を経ていないということなんですね。

「YKK」のファスナー、本当に身近なところでよく使われていますが、

日本国内、世界でのシェアは何パーセントぐらいですか?

正確な統計はないのですが、

売上ベースで考えると世界シェア約45%と推定しています。

(日本国内では、約90%のシェアと推定)

「YKK」がファスナーでヒットを飛ばした大きな要因は何でしょうか?

YKKでは、材料から製品の製造設備、製品に至るまでの

一貫生産体制によりグローバルに成長してきました。

自社の生産設備を手がける「工機技術本部」が

企画・開発したファスナー製造機械を国内外の

各工場に供給することにより、

同じ機械を使って同じ品質のファスナー作りを実現しています。

また、この度、日本機械学会が選定している日本の技術や

産業の発展に貢献した歴史的な意義を持つ「機械遺産」として、

当社の自社開発ファスナー製造機

「ファスナーチェーンマシン(YKK-CM6)」が認定されました。

当時の世界最高水準の性能を有しており、

手工業による生産から機械化されたことで、

ファスナーの量産化を実現することができました。

なお、弊社では、富山県黒部市にある黒部事業所内の

YKKセンターパークにおいて産業観光を行なっておりますが、

そのツアーの中で同マシンが一般公開されていますので、

機会がありましたらご覧下さい。 

※参考 http://www.ykk.co.jp/japanese/corporate/pr/city.html

ファスナーと一言でいってもいろいろな種類がありますね!

YKKでは、機能性はもちろんのこと、ファッショントレンドや

ニーズと連動した付加価値商品の販売にも注力しています。

【オールドアメリカン】

この商品は1940~1950年代のアメリカで作られていた

ヴィンテージファスナーの仕様を再現。

見た目はヴィンテージですが、独自の技術と既存設備の活用で、

ファスナーとしてのスペックを現代の最先端まで

引き上げた付加価値商品。

ヴィンテージを求める顧客の要望から生まれた商品です。

【シンメトリックファスナー】

今やバックやアウターのファスナーはファッション性や実用性を考慮し、

両開きがトレンドですが、このシンメトリックファスナーは、

エレメント(噛み合う歯)の形状が対称のため、

どちらの方向からファスナーを開閉してもなめらかに動きます。

【形状保持ファスナー】

テープの両側に樹脂(ポリエチレン)製の芯材(ワイヤー)を

織り込むことで自由に曲げたり変形させることができ、

そのままの形状をやさしく保持することができます。

芯材は、片側二本ずつテープに織り込んでいます。

また、ファスナーの端部から芯材が飛び出さないように、

特殊な工夫をしてあります。

【ソフレックス(伸びるファスナー)】

ストレッチ素材を使用したファスナーで、

従来のファスナーでは難しいとされてきた伸縮性を実現したファスナー。

トレーニングウェアなどスポーツカジュアル衣料で使用されています。

【ez-TRAK?(イージートラック)】

上からの挿入に加えて、横からの挿入もできるデュアル構造を

備えたファスナー。

ちょっと変わったところでもファスナーが使われているそうですね。

【宇宙服】

宇宙服には、YKKの気密ファスナー(空気を通さないファスナー)が

使われています。

月の表面は、一日の気温の差がとても大きく、

昼間は摂氏120度まで上がり、夜にはマイナス157度にも下がります。

また、宇宙空間は真空(空気がない状態)なので、

宇宙服の中の空気が逃げてしまっては、人間が生きることができません。

そこで、空気を通さない気密ファスナーが必要とされました。

【明石海峡大橋】

本州と四国を結ぶ、全長3,911mの吊り橋「明石海峡大橋」。

この橋には、伸び縮みが自在なゴムでできた排水溝が設置されています。

排水溝には、水だけでなく道路上のゴミもたまるのですが、

YKKの水も空気も通さないファスナーを取りつけることで、

たまった水をもらさずに、必要な時だけファスナーを開けて

排水溝の中のゴミを取り除くことが可能になっています。

道路のゴミを海に落とさない努力。

YKKのファスナーは、環境を守るお手伝いもしています。

【消防服】

火のすぐ近くで活躍する消防士さん。その消防服にも、

YKKのファスナーは使われています。

ファスナーには、ギザギザがかみ合う「歯」のような部分

(「エレメント」や「ムシ」と呼ばれています)の外側に、

「テープ」と呼ばれる生地の部分があります。

消防服のファスナーでは、この部分が簡単に燃えたり、

熱によって溶けたりしないよう、特殊な素材でつくられているのです。

着脱しやすく、熱にも強いYKKのファスナーが、

今日も消防士さんと一緒にはたらいています。

その他では、バグパイプという楽器、オイルフェンスなど、

衣類以外の分野でも様々なところで使用されています。

YKK HP http://www.ykk.com/

 

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