「ナカバヤシ株式会社」のヒミツ
今日は、フエルアルバムでおなじみの「ナカバヤシ株式会社」の
福岡支店 橋本英彦支店長にお話をうかがいました。
~~~~~ナカバヤシ株式会社 会社概要~~~~~
会社創業:1923年
事業内容:フエルアルバムの製造・販売、シュレッダ、リサイクル事業
シルバーカーの販売 など
数字は公開されていませんが、台紙の生産から一貫して自社生産
できる体制を整えており、その規模から考えるとアルバム業界では
国内トップレベルのシェアを誇ると言えるのではないでしょうか。
http://www.nakabayashi.co.jp/
「ナカバヤシ」という社名の由来を教えて下さい。
社祖は、中林安右衛門という、腕の良い製本職人でした。
創業時の社名は「中林製本所」で、数回の社名変更があって
1970年「ナカバヤシ株式会社」とし、現在に至っています。
「ナカバヤシ」というと、ロングセラー商品「フエルアルバム」でおなじみ
ですが、いつごろ?ごんなきっかけで開発することになったのですか?
発売は1968年(昭和43年)です。
創業は大正12年で製本事業がベースでしたが、1年間平均的に工場を
動かすために手帳事業を手がけ、その後に続く柱になる事業を探して
いました。
開発のきっかけは、滝本安克(現名誉会長)が古いアルバムの修理を
頼まれたことからです。預かったアルバムの最後の頁から台紙に
貼られていない写真が出てきました。
当時のアルバムはリング式や大和綴じといわれる製本タイプが主流で
台紙を増やせるタイプはあまりありませんでした。
「あと1枚台紙が増やせたらこの写真もちゃんと1冊におさめられたのに」
それから解決方法を考えていたある日、自宅でくつろいでいた時に
二男がトランジスタラジオのアンテナを伸ばしたり縮めたりしている
光景を見て、「伸び縮みするアンテナのようにビスをつなげば、
アルバムの台紙も自由に増やせるアルバムができるかも知れない。」
と思いつきました。まさに製本職人ならではの発想でした。
製造にあたって、当時横長が主流のかたちだった台紙を正方形にし
写真6枚をバランスよく貼れるようにするなど、当時としては画期的な
アイデアを加えました。
高度経済成長を背景に、家電製品の普及に伴ない余暇ができ、
趣味やレジャーが多様化、旅行へ行く方が大変増えました。
そこへコンパクトカメラの出現で、カメラの大衆化が進み写真撮影が
ブームになり、アルバムの必要性が高まりました。
その後、カラープリントが発売されると、アルバム需要もさらに
拡大しました。
発売当時は、なじみの薄い形状のため販売店になかなか取り扱って
もらえず、テレビCMを放映し直接ユーザーに訴えることにしました。
当時としてはかなりの出費でしたが、認知も除々にあがり、台紙が
増やせる便利さが受け入れられて、ヒット商品に育てていただきました。
その「フエルアルバム」の開発のポイントはどこでしょうか?
「お客様の要望に応えつづける」ことだと思います。
最初に売り出したのは、現在のアルバムより少し小さなSサイズでした。
写真が普及してしばらくたつと「サービスL判」という、従来の写真より
少し大きなプリントサイズが主流になり、写真を6枚貼ると隙間がなく
ぎゅうぎゅう詰めになってしまいました。
そこで「サービスL判」がバランスよく貼れるように、Sサイズより
一回り大きなサイズにし、現在のLサイズアルバムを作りました。
台紙の重さや厚みを約半分にしたり、途中からの追加が簡単な
バインダー式や背中がすっきりするブック式など製本様式やサイズ
なども多種多様に展開しています。
近年では、従来の白い台紙から、よりたい急性をあげるために
アルミ箔を貼った100年台紙やPET(ペット)フィルムを貼ったプラコート
台紙を開発販売しています。
現在発売中の「ナカバヤシ」のアルバムは何種類くらいありますか?
特色のある製品などあればご紹介ください。
ビスで台紙が増やせる「フエルアルバム」だけでも
6サイズ(L、S、M、A4、デミ、A5)、300品番以上はあります。
すべてのアルバムとなるとブック式やポケットアルバムなどを含め、
1000品番ぐらいはあります。
光や湿気による台紙の変色や変形を防ぐために、耐久性の高い
台紙として100年台紙とプラコート台紙を開発しました。
そもそもアルバムの保管場所は湿気の少ない直射日光のあたらない
場所をお勧めしています。アルバムはそのほとんどが紙でできています
ので、湿気を吸うと変形したり、太陽光にあたると黄ばんだりします。
また、近年はインクジェットプリンタで出力する写真も増えていますが、
用紙の裏面の加工状態によっては、台紙に貼った後貼りなおしが
しづらい場合があります。
100年台紙とプラコート台紙は、のりの素材を選定して貼りはがし
しやすいようにしています。
そのほか、オススメの商品やサービスを教えてください。
おすすめはスマートフォンの撮影機能を使ってノートや
ダイアリー(手帳)を活用するデジタル連動型文具「スマレコ」シリーズです。
このシリーズは、スマートフォンで使える無料アプリと専用のノート、
ダイアリー(手帳)、ペンの3種類のアイテムで構成されています。
専用のノートを指定の方法で撮影すると、記入された文字や図を
意図的に表示したり隠したりすることができますので、暗記などの
反復学習ができます。
ダイアリーは、専用ダイアリーに手書きしたメモなどをそのまま
スマートフォンに同期できますので、デジタルとアナログの使い分けが
さらに便利です。
スマレコペンは、ペンで囲んだ部分を撮影するとトリミングされて
データとして保存できます。ノートと4月始まりダイアリーの発売は
2月中旬、スマレコペンは3月末を予定しています。
スマートフォンのiPhone用の無料アプリは既に配信しており、実際に
使用感を試していただけるお試しシートも用意しています。
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