「キングジム」のヒミツ
企業にまつわる気になる疑問を解決する「会社のヒミツ」。
今日は、オフィスで書類を綴じる「キングファイル」や、
ラベルライター「テプラ」などでおなじみ、「株式会社キングジム」の
広報室 田辺賢一さんにお話をうかがいました。
~~~~~株式会社キングジム 会社概要~~~~~
キングジムは事務用のファイルや電子文具など、情報整理用品のメーカーです。
オフィスで書類をとじる「キングファイル」やラベルライター「テプラ」などでご存じの方もいらっしゃると思います。
創業は昭和2年(1927年)。創業者自身が発明家で、独創性やオリジナリティを重んじる社風は創業からのDNAとして受け継がれています。
主力商品の「キングファイル」や「テプラ」もそのような社風から生まれた、市場開拓型の商品です。
最近では、テキスト入力専用の小型軽量のキーボード入力機「ポメラ」や、スマートフォンと連携する次世代ノート「ショットノート」などがヒットしています。
(キングジム)http://www.kingjim.co.jp/
Q 「キングジム」という社名の由来を教えて下さい。
当初は、創業者の宮本英太郎が発明した、「人名簿」「印鑑簿」から一文字ずつ取った「名鑑堂」という社名で設立しています。
その後、昭和36年に「事務の王様」の意を込め、「株式会社キングジム」に改称しました。
Q 「キングジム」のロングセラー商品「テプラ」について教えてください。
まず、いつごろ? どんなきっかけで開発することになったのですか?
当時、当社では、書類をとじるファイルの専業メーカーだったのですが、将来の新しい柱をつくるために「Eプロジェクト」という組織ができたのがきっかけです。
当時言われていたペーパーレス社会の到来に備え、電子製品の事業にチャレンジすることになりました。
Q 「テプラ」の開発のポイントはどこでしょうか?
Eプロジェクトではいろいろなアイデアが出ましたが、その中で当時ファイルを販売した際のサービスとして行っていた、ワープロでタイトルを表示することに目を付けました。
当時はプリンターもいまのように普及していませんでしたので、ファイルのタイトルは手書きが一般的でした。
手書きだと字が汚いと見栄えが悪く、字によっては個性が出すぎて、共有物としては不適切でした。
そのため、ワープロで書かれた文字が喜ばれたのです。
ただ、背見出し用のプリンターでは、多様なファイルサイズに対応するのが難しいため、ラベルに印刷してそれを貼ってもらうことにしたのです。
その後、協力会社と共に様々な課題を克服して、1988年に発売を開始しています。
もともとはファイルのタイトル作成用プリンターでしたが、発売直後から、様々な用途をお客様が開発し、オフィスだけでなくご家庭でお子様の持ち物への名前付けなど、幅広く活用いただいています。
Q 「テプラ」のネーミングの由来を教えてください。
「テプラ」はテープライターの略です。
いまでは、ラベルライターの代名詞になっています。
Q 現在、「キングジム」が扱っている「テプラ」は何種ぐらいありますか?
また、特色ある製品などありましたらご紹介ください。
現在、本体が16種類あります。
中には、点字ラベルが作れる機種もあります。また、テープカートリッジはテープ幅や色などを含めて数えると、300種類を超えています。
最近では、停電の際に暗闇で発行する蓄光ラベルや、ラッピングなどにご使用いただけるよう、直接印刷が出来るリボンが発売されました。
Q そのほか、「テプラ」に関するなにか面白いエピソードなどあればお願いします。
発売から23年経過し、いままでに700万台以上の本体が販売されているロングセラー商品で、国内でのトップシェアも維持しています。
競合の商品もたくさんありますが、「テプラ」の名前が浸透しているため、当社の製品でなくても、「テプラ」と呼ばれていることが多いようです。
Q 最近の「キングジム」の大ヒット商品「ショットノート」について教えてください。
まず、いつごろ? どんなきっかけで開発することになったのですか?
開発のメンバーで打ち合わせをしているときに、過去のメモがなかなか見つからなかった経験から、メモの検索方法についていろんな解決方法を考えました。
その中で実際にメンバーがやっていた、ケータイでメモやホワイトボードの内容を写メすることをベースに、ショットノートを思いつきました。
Q 「ショットノート」の開発のポイントはどこでしょうか?
ショットノートは、紙のノートとスマートフォンのアプリを組み合わせてお使いいただく商品です。
あらかじめ、スマートフォンに無料のアプリをダウンロードしていただき、あとは、紙のノートにお好きな内容を書いて、アプリを使って書いた内容を撮影するだけ。簡単に手書きの内容がスマートフォンの画面ピッタリに取り込むことができます。書いた内容は、メールで送ったり、最近流行のクラウドに保存したり、デジタルデータとしての活用が可能です。
手書きの内容が画面ピッタリにキレイに撮影できるのは、アプリがノートの四隅にある四角いマーカーを読み取って、画像を補正してくれるから。
また、ノート右上にあるナンバーと日付の欄は、撮影の際に自動で文字を読み取り、保存されたデータを検索する際のインデックスに出来ます。
とても簡単に手書きのメモがデジタル化できるので、是非試してみてください。
Q 「ショットノート」のネーミングの由来を教えてください。
撮影を意味する「ショット」に「ノート」を付けたシンプルなネーミングにしました。
Q そのほか、「ショットノート」に関するなにか面白いエピソードなどあればお願いします。
ショットノートの開発は、若手のグループで商品のアイデアを話し合っているときに、ある女性メンバーが前回の打ち合わせのメモをなかなか見つけられなかったことがきっかけでした。
せっかく几帳面にメモを取っているにも関わらず、メモがたくさんありすぎて見つからなかったのです。
そこで、メモをデジタル化することで検索性を向上させたのですが、パソコンやスキャナといった機器に頼らず、いつでも持ち歩いている、スマートフォンで撮影することがショットノートの最大の特徴です。
発売から約1年が経過し、いままでにシリーズ合計で100万冊を販売しています。
Q 他に、開発秘話などのエピソードがある商品がありましたら教えてください。
当社は、開発する製品を多数決で決めたりしません。
開発担当者の熱意と、他に熱烈な支持者がいれば、ヒットの可能性があると見込んで、商品化を決定します。
当社の代表的なヒット商品、ポメラでは、商品化を決める会議に出ている役員10人の内、9人が商品化に反対していましたが、唯一、当時の社外取締役で大学教授だった方が、熱烈に支持し、商品化が決定しました。
ポメラは2008年11月に初年度目標3万台で発売をスタートしましたが、いままでに累計20万台を超えるヒットとなり、最近のデジタル文具の先駆けとなりました。
Q そのほか、オススメのサービス、キャンペーンなどPRしたい案件があればお願いします。
キングジムの最新情報は、公式ホームページの他、ツイッターやフェイスブックでも公開しています。
こちらの方も是非ご覧ください。ツイッターでは公式アカウント2周年の感謝を込め、3/19~3/31までポメラやショットノートが抽選で当たるキャンペーンも実施しています。是非ご参加ください。
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