「オレオ」のヒミツ
企業にまつわる気になる疑問を解決する「会社のヒミツ」。
・
今日は「ヤマザキナビスコ」、中でも特に、
ロングセラー商品「オレオ」のヒミツに迫りました!
お話をうかがったのは、ヤマザキナビスコ株式会社
マーケティング部 商品開発課の江口 宜謙さんです。
~~~~~ヤマザキナビスコ株式会社 会社概要~~~~~
ヤマザキナビスコは1970年(昭和45年)に創業。
アメリカのナビスコ社と山崎製パン、それからニチメン(現在の双日)の
3社が協力し、日米合弁会社としてスタートしました。
ビスケット、スナック、キャンディ、チョコレートなどの菓子製造・販売を手掛けている会社です。
【ヤマザキナビスコHP】http://www.yamazaki-nabisco.co.jp/
・
Q① 「ヤマザキナビスコ」という社名の由来を教えて下さい。
「NABISCO」は、ナショナルビスケットカンパニー
(NATIONAL BISCUIT COMPANY)を略したものです。
・
Q② 「ヤマザキナビスコ」の大ヒット商品「オレオ」にについて教えてください。
いつごろ開発されたのでしょうか?
「オレオ」は、1912年3月6日にナビスコ社発祥の地であるアメリカ・ニューヨークの
チェルシーにて誕生したクッキーです。
当初はそれほど期待されていない商品でしたが、ナビスコ社の期待を
よい意味で裏切り、子供から大人まで幅広く親しまれ、
OREOという言葉がアメリカの辞書に載るほどの大ヒット商品に成長しました。
それまでのクッキーにはないブラックココアをふんだんに使った
ユニークな黒いクッキーは、誕生以来100年間世界中で愛されつづけ、
現在では、1年間に100カ国以上の国で約250億個のオレオクッキーが
食べられている世界No.1のクッキーです。
・
1982年には年間で過去最高の60億個の販売を記録し、
“世界で最もよく売れたクッキー”としてギネスブックにも登場しました。
・
日本国内においては、1987年8月に「このおいしさ、世界記録」のキャッチコピーで
当社から発売されています。
個性的な特徴をもったオレオを日本市場でも定着させる為に、
広告宣伝活動には特に力をそそぎ、当時、「国民的美少女」として
日本中に「美少女ブーム」を巻き起こしたゴクミこと後藤久美子を起用した
テレビCMを集中的に放映したことで、日本でも瞬く間に人気商品となりました。
黒いクッキーに白いバニラクリームをサンドした、オレオの代名詞といってもよい
コントラストの効いたサンドクッキーは、発売から25年目となる
ロングセラー商品として定着し、多くのお客様に長く親しまれております。
・
Q③ 「オレオ」、開発のポイントはどこでしょうか?
ギネス記録を持ち、世界のロングセラー商品であった「オレオ」を
日本国内でも商品化して発売するにあたって、
多くの試行錯誤があったと聞いております。
・
味と風味を再現させるために、「オレオ」の命ともいえるココアはナビスコ社から
取り寄せることが可能になり大きな前進となりました。
また、サンドクリームには、オリジナルから修正が加えられ、日本人の好みに
合わせて原料を一部変更し、甘みを抑える工夫をしました。
口溶けについても、「オレオ」の独特な口溶けを再現するために、
油脂メーカーとの間で工夫を重ねていきました。
・
Q④ 「オレオ」のネーミングの由来はなんでしょうか?
名前の由来については、発売から100年経過していることもあり、
現在、詳しい資料が残っておりません。
オレオという名前の起源については諸説ありますが、有力な説としては
①フランス語で黄金を意味する“OR”から。
発売当初のオレオは金色の缶に入っていました。
②ギリシャ語で山や丘を意味する“OREO”が起源という説。
初期のオレオは小山の様に膨らんだ形をしていました。
③2枚のChocolate(cocoa)クッキーの「O」で、
Creamの「Re」をはさんだサンドクッキー。
の3つが有力な説とされています。
・
Q⑤ 「オレオ」のシリーズは現在何種ありますか?
現在、「オレオ」のシリーズ品は7種類(オレオ含み)発売しています。
独特のココア風味をもつオレオの特徴を活かしたバラエティ商品を
幅広くラインナップしています。代表的な商品を以下に記します。
・
①オレオビッツサンド
⇒ オレオのおいしさはそのままに、「いつでもどこでも気軽に楽しめる」を
コンセプトにした一口サイズのサンドクッキー
②オレオソフトクッキー
⇒ しっとり、やわらかな食感のオレオクッキーに、口溶けのよいクリームを
サンドしたソフトタイプのクッキーサンド
③オレオチョコレートバーミニ
⇒ オレオクッキーを砕いてクランチ状にしたものにチョコレートを
混合してかためたものに、更にチョコレートをコーティングした、
ひとくちサイズのチョコレート菓子
④オレオスティック
⇒ オレオのほろ苦いおいしさを活かした薄焼きクレープクッキーを
クルクルと細く巻き上げて、内側にクリームを塗布した、
サクッとした食感が楽しめるスティッククッキー
⑤100キロカロリーパック オレオクリスプ
⇒ オレオ独特の風味を活かしつつ、低カロリー・低脂肪に仕上げた
クリスピー食感のビスケット。
1袋100キロカロリーに設定したカロリーコントロール商品です。
⑥オレオチョコレートパイ
⇒ ソフトな食感のオレオクッキーに、マシュマロをサンド。
全体にチョコレートをコーティングした半生タイプの商品です。
・
他にも、オレオクッキーを砕いてクランチ状に加工したものを、
主にアイスなどのコールドデザート用の食品原材料として他企業に供給することも行っています。
・
Q⑥ 「オレオ」はキャンペーンを実施中だそうですね。
オレオ発売100年を記念して、皆様にお楽しみいただけるキャンペーンを実施しています。
①オレオを見つけて100万円プレゼントキャンペーン<現在は終了>
東京メトロのポスター(駅名表示のOをオレオに置き換える)や
オレオ公式Facebookページに隠れているオレオをみつけてオレオに書かれた
1文字のキーワードを見つけて応募すると、抽選で1名様に100万円が当たります。
オレオは全部で100個あります。
・
②Thanks Message OREO コンテスト
オレオ公式Facebookページ内「Message OREOアプリ」を利用した
メッセージコンテストです。優秀作品の一部は、7月に表参道駅へ
掲出されるオレオキャンペーンポスターへ採用されます。
また、アプリを使用し、お友達へメッセージを送った方及びお友達から
メッセージを受け取った方の中から抽選で1,000名様に
ヤマザキナビスコお菓子詰め合わせ(2,000円相当)をプレゼントいたします。
キャンペーン期間: 2012年3月19日(月)~6月8日(金)
・
③オレオ100年プレゼントキャンペーン
「アメリカで100年、国内で25年」を記念して、製品パッケージを
アニバーサリーにし、あわせてオリジナルグッズが総計5,000名様に当たる
キャンペーンを実施しています。
対象製品: オレオ、オレオハンディパック
景品: A賞 オリジナルアイスクリームメーカー
B賞 オリジナルカフェタイムセット
実施期間: 第1回締切 4月30日、以降毎月末締切。最終締切は8月31日。
・
④アニバーサリーオレオ
100周年企画の一環として、通常のオレオデザインとは異なる
「アニバーサリーデザイン」のオレオが100枚に1枚の確率で入っています。
・
★「ヤマザキナビスコ」には「オレオ」以外にもおいしいお菓子がたくさんありますよね。
当社袋スナック製品の中に、独自製法から作られる4層構造の
コーンスナック「エアリアル」というユニークな製品がありますのでご紹介したいと思います。
・
「エアリアル」は2009年8月に、これまでのスナック菓子にはない
軽快で斬新な食感を特徴とした製品として発売しました。
それまでも様々な袋スナック菓子を開発しては市場に投入してきましたが、
各菓子メーカーから毎月、何種類もの袋スナックが発売される最近においては、
市場定着するまでには非常に厳しい状況にあります。
お客様に手にとってもらうためには、何か強い特徴が必要だと・・・。
そこで、この新製品は、スナック菓子の原点ともいえる「食感の軽さとその質」に
こだわったものをつくろうと開発に着手しました。
食感を軽くするだけなら生地をできるだけ薄くしていけばいいのですが、
それだけだと少々物足りないものになってしまいます。
何かいい工夫はないものかと開発スタッフと模索していた時にヒントになったのが
洋菓子の「ミルフィーユ」でした。ミルフィーユのように薄い生地を何枚も
重ねていったら口の中で複雑に崩れる新しい食感を作れるのではないかと考えました。
さっそく試作を繰り返し、薄く生地を重ねた4層構造をしたコーンスナックの
試作品が完成し、その試作品に対する周囲の評価は高いものでした。
試作品は満足のいくものができましたが、これまでのスナックと製法が
大きく異なり繊細な製造技術を必要とするこの製品を生産ラインにのせるには、
問題が山積みでした。まず、これまで以上に薄いシート生地をムラなく均一に
伸ばさなくてはならないこと、次に連続して流れるそのシート生地を正確に
4枚に重ね合わせること、また非常に壊れ易い性質のこの製品をきれいに
袋にパッキングすること。何十回とテストを繰り返す中で、途中、4層の生地が
お互いにくっついてしまったり、逆にバラバラになってしまったりするなど
多くの困難がありましたが、工程や製造機械の改良を行ない
一つ一つ課題を解決していき無事に発売にこぎつけることができました。
製品名の「Aerial(エアリアル)」は、英語で「軽快な、空気のような」の
意味があり、一番の特徴である食感をイメージしたネーミングになっています。
・
また、発売以来、当社お客様相談室に寄せられるお客様からの電話や手紙には、
通常、製品に関するお問い合わせやご指摘が多い中で、
「おいしくて感激した」「まとめ買いしたい」などの好評の感想を多くいただいております。
発売から3年目となる今年には、新たにCMを作製・放映しエアリアルの
おいしさを多くのお客様に伝えようと広告宣伝活動にも力をいれておりますので、
今後もエアリアルをよろしくお願い致します。
本日オンエアのこのコーナーをポッドキャストでも配信中。
詳しくはここ↓