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「尚山堂」のヒミツ

企業にまつわる気になる疑問を解決する会社のヒミツ。

ヨーグルトやプリンを食べる時に使う紙スプーン。

そのトップシェアを誇る、株式会社尚山堂のヒミツに迫りました。

お話をうかがいましたのは、

株式会社尚山堂 営業部 開発推進係の 星川 豊宏さんです。

~~~~~株式会社尚山堂 会社概要~~~~~

創業明治27年となり今年で118年目を迎える東京都町田市にある会社です。

日本の「紙と食」の歴史とともに歩んできた弊社は、

明治45年にラベル製造機を輸入し、製造販売開始。

大正3年に森永製菓様にキャラメル箱を考案、納入。

大正11年には牛乳の紙キャップを製造、販売と

日本初めて物語をたくさんもっている会社です。

現在では、紙スプーン、紙キャップ、紙マドラー、紙ナイフなどの

食品に直接触れる製品とヨーグルト、プリン等の

3個、4個、6個のカップの底に敷いてある紙トレー等の

紙器製品を製造、販売している会社です。

紙スプーン、紙キャップは業界ではトップシェアを維持し、

他に類のない消耗品つくりに日々励んでいます。

http://www.tokan.co.jp/shosando/

Q① 「尚山堂(しょうさんどう)」という社名の由来を教えて下さい。

社名の「山」とは富士山をさしており、

「富士山の如く威風堂々と気高く、尚、富士山も越えていきたい」という由来です。

Q② 尚山堂のヒット商品というと「紙スプーン」ですが、

   まず、いつごろ、どんなきっかけで開発されたものですか?

昭和45-46年頃(オイルショック後)、食品容器を含む樹脂製製品を対象に

公害等の環境問題を背景に、回収が義務付けられておりました。

当社、得意先であり、紙コップを納めていた東名高速道路海老名サービスエリア内の

コーヒーショップ等で樹脂スプーンの廃棄に困っており、

紙コップが出来るならば、『紙スプーン』も出来るのではないかとの

要望により開発に着手致しました。

当時は飲料の拡販用で現在で言うと撹拌の役割を果たす

マドラー用途でした。 (昭和49年:紙スプーン誕生)

昭和50年に、同じく当社得意先である乳業メーカー様向けに

ヨーグルトやプリン等のカップデザート用に一般規格化し、

全国に普及致しました。

Q③ 「紙スプーン」、開発のポイントはどこでしょうか?

1)平形状では強度が無いので、紙飛行機のように折って使う設計を致しました。

2)食品を掬い易くするために皿の角度を研究しYの字カット、

  更に掬った食品が落下しないよう皿部に突起(エンボス加工)を加えて引っ掛かりを良くした。

3)耐水性や素材強度、紙粉対策及び食品衛生法においても考慮し、

  オールバージンパルプを使用し、パルプの配合率(針葉樹を多く)、

  また原紙密度の研究に注力致しました。

  ※紙素材自体の開発と形状の工夫が大きなポイントです。

Q④ そのほか、御社の商品に関するなにか面白い

    開発秘話エピソードなどあればお願いします。

紙スプーン及び牛乳瓶紙栓等の厚紙加工技術を行使し、

日本で初めて食品用の『紙ナイフ』を開発し、

製菓製パン業界に向けて、昨年上市致しました。

熊本県銘菓:誉れの陣太鼓(㈱お菓子の香梅様)に採用していただいております。

『紙ナイフ』のコンセプトは、アルミ包装容器ごとカット出来る切れ味と、

楊枝代わりに刺して食す事が出来る機能、持ち易さと意匠性に拘った事です。

紙でナイフを作る事は不可能との会社の意見を押し切り、

足掛け5年かけて製品化に至りました。

今では社内全体で拡販活動を行い、お客様のご要望もあり、

本年度ラインナップ化をし、140㎜のロングタイプ紙ナイフを上市致しました。

 

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