「肥後ちゃぼ保存会」
あらゆるジャンルの注目の人にインタビューする「ヒューマン・ラボ」。
今日は「肥後ちゃぼ保存会」の吉永 嘉会長と、
第45回肥後ちゃぼ展で優勝した 大津 健士郎さんがゲストです。
肥後ちゃぼ保存会は、肥後ちゃぼが熊本県にとって、
貴重な文化財であることを再認識し、
衰退させることなく保存、改良して後世に伝えることを目的とし、
昭和43年から活動を続けています。
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現在の会員数は男性95人、女性8人の合計103人。
その他、幼稚園・保育園などの施設 6施設、
小学校6校、高校3校が会員として飼育しているそうです。
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Q① (会長)「肥後ちゃぼ」の歴史や特徴を教えて下さい。
文献によれば、ちゃぼは徳川初期、ベトナムやタイの地域から
渡来という説が有力とされている。
肥後ちゃぼは、約200年ほど前に、大冠チャボは関西、西日本で、
達磨チャボは九州の原産と言われていて、
戦中・戦後の困難な事情のもとで滅亡にひんして、
ようやく熊本に保存されていたことから、
大冠桂チャボと達磨チャボの2内種を肥後ちゃぼと称している。
大冠桂チャボは、羽が鶴の羽衣に似て、鶴毛ともいう。
達磨チャボは、全身光沢のある緑紫黒色。または緑藍黒色で、尾はチヨキ尾。
大冠桂チャボ、達磨チャボ共に冠が大きく、肉ぜん(垂)が長大である。
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Q② (会長)先ほど会員数を紹介しましたが、合計103人のうち、
30歳台までの会員は10人程度だそうですね。
そんな中、18歳の大津さんが「第45回肥後ちゃぼ展」で優勝されました。
大津さんのちゃぼはどんな点が評価されたのでしょうか?
5人の選出された審査員が、鶏種別番号のみ表示の各鶏籠の鶏を
日本鶏審査標準の審査方法に従って厳正に審査した結果、
出品鶏中最優秀鶏と認められた鶏で、体形整い、体重も適当で、
冠は大きく直立し、肉ぜん(垂)も長大で、羽根の色・つや共に優れ、
健全であり、最優秀な肥後ちゃぼの作出という点が評価された。
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Q③ (大津さん)「第45回肥後ちゃぼ展」での優勝、おめでとうございます。
今回は何度目の出展でしたか?
優勝が決まってどんなお気持ちでしたか?
ありがとうございます、今回で2回目の出展になります。
チャボの活力(生き生きさ) がよかったのだと思います。
自分が丹精込めて育てた力作のチャボでしたので
優勝が決まった時にはその労が報われました、
まさか優勝するとは思ってもいませんでしたし
こんな若輩者がいいのかという思いもありました。
でも会長や他の会員さんにいいチャボを育てたのだから
自信を持って喜びなさいと言っていただき嬉しかったです。
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Q④ (大津さん)「肥後ちゃぼ」以外に飼育したことがある動物、
現在飼育している動物はいますか?
また「肥後ちゃぼ」を飼い始めたきっかけを教えて下さい。
現在は何羽飼っていますか?
小さいころから生き物が好きで
「金魚、インコ、ウナギ、スッポン、コイ」などを飼っていました
現在はチワワ(犬) を飼っています。
肥後ちゃぼを飼いだしたきっかけは中学3年の頃、
インターネットでふと肥後ちゃぼの事を知り肥後まるコールで
関係者の方の電話番号を聞き電話をしました。
その時電話をしたのが肥後ちゃぼ保存会の今村副会長で、
とても良く対応してもらい展示会が阿蘇であることを教えてもらいました、
興味があった私は電車で南阿蘇まで出向き肥後ちゃぼというものを初めて見ました。
まず目を惹いたのが鶏冠の立派さ、体が小さくかわいい姿でした。
そこで長野さんと言う人が話かけてこられ、
飼ってみらんね、と言われました、えっと思ったのですが
「実際に飼ってみないとチャボの面白さはわからないよ!」と
笑顔で言われたのでなんか面白そうだなと思い
長野さんから肥後ちゃぼを1番(ペア) を譲っていただいたのがきっかけです。
でその1番から始め普通に飼っていたのですが
最初は死なせてしまう事もありまして、
なかなか殖やすことが出来ませんでした、
そこで譲ってもらった長野さんに色々と飼い方を相談して
自分なりに工夫しながら大事に育て現在では
親鳥10匹雛30匹くらいまで殖やすことが出来ました。
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Q⑤ (大津さん)大津さんが思う「肥後ちゃぼ」の特徴を教えてください。
また、飼育する難しさ、面白さはどんなところでしょうか?
肥後ちゃぼの“最大の特徴”と言ったら鶏冠(とさか)の大きさではないでしょうか、
ふつうのチャボに比べると倍近く大きく鶏冠の先から
下まで大きいチャボで24㎝くらいあり迫力があります。
それと体の弱さがあり、気温の変化や水に濡れると
病気にかかりやすく、酷い時には死亡します。
小屋の定期的な掃除、栄養剤を飲ませる、
病気を発見したらすぐに治療など体調の管理には
細心の注意を払い病気にかからない様に大切に育てています。
そうして育っていったチャボが無事に大人になっていく姿を
見るのが楽しみでもあります。
そうして育てたチャボから良い個体を選抜して交配し
優勝したチャボを超えるような鶏をつくっていきたいです。
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Q⑥ (大津さん)どんな「肥後ちゃぼ」を育てたいと思って飼育していますか?
また、そのためにどんな工夫をしていますか?
肥後ちゃぼの特徴である鶏冠の大きさが大きくなるよう、
体型、羽色が綺麗になるような個体を残していく
これを目標に飼育をしています。
とさかを大きくするためには野菜を細かく刻み餌と混ざるよう
よくかき混ぜて与えたり、時々外に出して遊ばせストレスを
無くすように心がけながら飼育をしています。
で、一番手をかけているのが鶏冠のマッサージをすることですね。
これをすることにより、
1、鶏冠が大きくなる。
2、鶏冠の曲がりがまっすぐになる。
3、よく人に慣れる。
これらがあります。特に3が私にとっては一番嬉しいことですね。
小屋に近づくとコッコッコと近寄って来るときには
自然と笑みがこぼれます(笑)
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Q⑦ (会長)今後の活動について教えて下さい。
肥後熊本に、天然記念物大冠種の銘鶏、肥後ちゃぼあり、ということを
県民の皆様に知っていただくことが大切で、
幼い頃からチャボとの触れ合いを通じて生命の大切さ、
親鶏の抱卵時のしんぼう強さ、ひなに対する親鶏の
愛情のしぐさなど見る機会を多くしてやりたい。
そのために、小学校などで、チャボの世話を受け持つ生徒
および指導者のことばを受けとめる役割など工夫していきたい。
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Q⑧ (大津さん)「肥後ちゃぼ」に関して、今後の夢はありますか?
肥後ちゃぼは今減少傾向にあります、同時に飼ってる人が
減っていて将来的にはいなくなってしまうのではと危惧しています。
そうならないよう積極的に会に参加し広報活動を実施し、
少しでも飼ってくれる人が増えるよう行動を起こしていきたいと思います。
同時に肥後ちゃぼを通じ生き物の大切さ、
ひいては命の大切さを子供さんの皆さんにも
分かっていただけるように働きかけていきたいと考えています。
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本日オンエアのこのコーナーをポッドキャストでも配信中。
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