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「AGC旭硝子」のヒミツ

企業にまつわる気になる疑問を解決する「会社のヒミツ」。

ガラス事業、ディスプレイ事業の分野で世界トップクラスのシェアを誇る

AGC旭硝子のヒミツに迫ります。

お話をうかがいましたのは、

AGCグラスプロダクツ㈱ 西日本第2営業部 増田 健史さんです。

~~~~~旭硝子株式会社 会社概要~~~~~

AGC旭硝子は1907年(明治40年)兵庫県尼崎市で創立。

創業者は三菱財閥の創始者岩崎弥太郎の甥にあたる、岩崎俊彌です。

2012年で創立105年を迎えます。

社名に「硝子」とついていますが、事業分野は建築材料、自動車向けなどの

ガラスを始めとして、電子部材やその他の化学関連素材を製造・販売しています。

世界トップクラスのシェアを誇るガラス事業とディスプレイ事業、

化学事業を中心にエレクトロニクスやエネルギーなど高度な技術力で

先端分野・成長分野へと、その活動領域を広げています。

たずさわる分野も、建築、交通、情報通信、医療、健康、教育、

生活文化、環境と社会のあらゆる場に広がっています。

グループ従業員数は日本・アジア、アメリカ、ヨーロッパで51,000人。

グローバルに展開している企業です。

Q① 「旭硝子」という社名の由来を教えて下さい。

名前の由来については諸説ありまして、

「昇る太陽、旭になぞらえた説もあります。

 実は「あさひ」という字は、朝ごはんの朝に日曜日の日ではないんです。

漢数字の九に、日曜日の日と書くんです。

予定していた会社の設立日が9月9日だったので

「九」、「日」を一つの文字に組み合わせた説。」など

社名をめぐる説については様々ありますが、

おそらくそれらがまとまって成立したものと思われます。

創業当時、国内では多くの企業が、莫大な投資を必要とする

板ガラスの製造に挑んでは失敗するという状況が繰り返されていました。

それだけに、当時齢26歳であった創業者の岩崎俊彌は

「万一失敗して、三菱の名を汚すことがあってはならない」と

社名制定にも心を砕いたようです。

Q② 「旭硝子」の業界におけるシェアは何パーセントですか?

    年間どれくらいの製品を作っているのでしょうか?

事業分野や商品が多岐に渡るため、

一概にシェアの割り出しは難しいところがありますが、

建築用板ガラス、自動車用ガラス、ディスプレイ用ガラスでは、

世界でNo.1もしくはトップクラスのシェアを維持しております。

皆様の生活に近いところでは、国内の建築用の板ガラスについて、

弊社の茨城県鹿島工場において、日々850トンのガラスを

生産する能力を有しております。

Q③ 「旭硝子」は、さまざまな特殊なガラスも製造されているんですね、

    代表的なものをご紹介ください。

エコガラスである『サンバランス』があげられます。

こちらは住宅やビルなどの建築物に使われるガラスです。

サンバランスはLOW-Eガラス

(Low-EはLow Emissivity直訳すると低放射です)と呼ばれる

特殊金属被膜を施したガラスを使用したペアガラスです。

2枚のガラスで空気層を挟み込むことによって、

魔法瓶のような効果を生み出します。

ペアガラスは魔法瓶のように、熱の出入りを少なく抑えることによって、

断熱効果を生み出します。

このペアガラスに、さらにLOW-Eと呼ばれる非常に薄い特殊金属被膜を

施したガラスがサンバランスです。

金属被膜があることによって、太陽の日射によるジリジリ感をカットし、

快適な室内空間を作ることができます。

Q④ 開発のポイントは?

サンバランスの最大の特徴は、暑い夏も寒い冬も一年に渡って、

バランス良く室内の温熱環境を快適に保つという点にあります。

住宅における熱の出入りは開口部、いわゆる窓からの出入りが

大半をしめます。

冬場の暖房時に開口部から失われる熱の割合は58%、

夏場の冷房時には開口部から73%の割合で熱が入ってくると

言われています。

つまり、住宅において、開口部は最も熱の出入りが

大きい部位であり、この開口部からの熱の出入りを

いかに抑えるかということで、開発されたのが『サンバランス』です。

『サンバランス』は2枚のガラスで挟み込んだ空気層が

魔法瓶のような働きをすることで、室内の温熱環境を保ちます。

また、ガラスにコーティングされたLow-E金属膜による、

熱線カット効果で夏場の日射熱の流入を防ぎます。

これによって、夏・冬ともにバランス良く、室内環境の

快適性の向上につながります。

またについても紫外線についても、Low-E金属膜の働きにより

80%程度のカット効果があります。

また、快適性の向上のみならず、冷暖房負荷を下げることにつながりますので、

節電・省エネにも貢献することとなります。

弊社のシミュレーションでは、1枚ガラスと比較して、

『サンバランス』を使用した場合、年間の冷暖房負荷が

24,000円ダウンするという試算も出ております。

Q⑤ 節電・省エネにも貢献するということは、

    サンバランスは現代にマッチした商品ですね。

実はサンバランス自体は決して最近の目新しい商品というわけではありません。

最初は1987年に北海道地区で『サンレーヌ』という名称で販売され、

好評を博しました。

さらに1993年に『サンバランス』の名称で発売が開始されました。

そもそもペアガラス自体がまだまだ認知度の低かった時代、

エコガラスという言葉も存在していなかった時代から

Low-E金属膜を施したエコガラスの販売を当社では行ってまいりました。

現在では、板硝子協会の発表によると、

国内では新築戸建て住宅の90%以上でペアガラスが採用されており、

45%程度が当社のサンバランスを含むLow-Eガラスであるとされています。

今年2012年には新しいLOWEコーティング設備を

茨城県の鹿島工場で稼働し始めました。

Q⑥ 発売から現在に至るまで性能の変化はあるのでしょうか?

今年2012年には新しいLow-E金属膜のコーティング設備を立ち上げ、

より高性能な製品を皆様にお届けできるようになりました。

サンバランスについては、「アクアグリーン」と「ピュアクリア」という

2色の色味を新たに発売し、従来よりもすっきりした色味で

様々な住宅デザインと調和しながら、さらに高性能な製品となっております。 

実は海外と比べると、日本の窓の断熱性能は非常に遅れていると

言われています。

特に既存のストック住宅についてはまだまだ、

ペアガラスやLow-Eガラスでのリフォームが普及途上です。

弊社ではリフォーム用のペアガラスとして、『ペヤプラス』という製品があります。

今お使いのサッシを交換することなく、本日ご紹介させていただいた

『サンバランス』などのペアガラスにガラスだけで交換できる商品と

なっておりますので、リフォームをお考えの方がいらっしゃいましたら、

是非『ペヤプラス』もご検討いただければと思います。

また、 オフィスビルや店舗向けには「アトッチ」という名前で

簡単にエコガラスを施工できるという商品も10月から発売します。

こちらもよろしくお願いいたします。

最後になりますが、熊本県においては1913年に特約店契約を結んだ

㈱清永宇蔵商店様とともに100年来お世話になってまいりました。

今後とも変わらぬお付き合いをよろしくお願いいたします。

 

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