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「推理作家ポー 最期の5日間」

今日ご紹介するのは、現在公開中の

映画「推理作家ポー 最期の5日間」です。

「推理作家ポー」というタイトルを聞いて、すぐにピンときた方は、

かなり本が好きな方ではないでしょうか?

この「推理作家ポー」とは、19世紀のアメリカの作家、

エドガー・アラン・ポーのことです。

ポーが1841年に雑誌に発表した「モルグ街の殺人」は、

世界初の推理小説で、彼自身も世界初の推理小説家として知られています。

日本の作家にも彼のファンは多く、文豪・芥川龍之介や

谷崎潤一郎などは、ポーに影響された作品を残していますし、

なんと言っても怪人20面相で知られる「江戸川乱歩」は、

ポーの名前をもじったペンネームであることは大変有名です。

さらには、「名探偵コナン」の江戸川コナンは、この江戸川乱歩と

「シャーロック・ホームズ」の作家 コナン・ドイルを足した名前です。

いかにポーがいろいろなミステリー作家に影響を与えたかがわかるエピソードです。

さて、このエドガー・アラン・ポー、実は彼自身が、自分が残した作品並みに

謎の多い最期を遂げていることは、あまり知られていません。

今日ご紹介する映画「推理作家ポー 最期の5日間」は、

そのポーの最期の日々を、史実に大胆な解釈を加えたフィクションを交えて描いた

ミステリー映画です。

物語の舞台は、1849年のアメリカ・ボルティモア。

この街で、ある夜、猟奇的な殺人事件が起こります。

現場に駆けつけた刑事は、この事件がエドガー・アラン・ポーの小説

「モルグ街の殺人」にそっくりなことに気づきます。

警察は、酒びたりですさんだ生活を送るポーを容疑者として捜査しますが、

そのさなか、またポーの作品を真似た殺人事件が発生。

作品を汚されたポーも、捜査に乗り出すのですが・・・。

監督は、スタイリッシュなアクションミステリー「Vフォー・ヴェンデッタ」を

世に送り出したジェームズ・マクティーグ。

ダークでゴシック的なポーの世界観と彼の映像が、

スクリーン上でうまく溶けあっています。

1995年の傑作映画「セブン」(ブラッド・ピット主演、デビット・フィンチャー監督作品)

のような、スタイリッシュな映像とスリリングな謎解きが

グイグイと観客を引き込んでいくタイプの作品です。

ラストの驚愕の展開も含めて、19世紀版「セブン」といってもいい作品かもしれません。

また、作品のあちこちでポーの代表作が引用されているのもみどころの1つ。

見終わった後には、ポーの小説が読みたくなってくること間違いなしです!

映画と本と、2度楽しめる1本ですよ!

(ただし、ちょっと残酷な映像表現もありますので、

苦手な方はご注意ください。このへんも「セブン」みたいな作品です。)

今日ご紹介した映画「推理作家ポー 最期の5日間」は、

■TOHOシネマズ 光の森

■シネプレックス熊本

■ワーナーマイカルシネマズ熊本

で、現在公開中です。

(「推理作家ポー 最期の5日間」オフィシャルサイト http://www.movies.co.jp/poe5days/

 

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