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「伯方の塩」のヒミツ

企業にまつわる気になる疑問を解決する「会社のヒミツ」。

今日はロングセラーの大ヒット商品「伯方の塩」でおなじみ、

伯方塩業株式会社のヒミツに迫ります。

お話をうかがいましたのは、伯方塩業株式会社 広報課の

久保 千晶さんです。

~~~~~伯方塩業株式会社 会社概要~~~~~

伯方塩業株式会社は1973年(昭和48年)8月

現在の西瀬戸自動車道(通称:しまなみ海道)に位置する

愛媛県伯方島で創業しました。

来年で創立40周年を迎えます。

「伯方の塩」の製造及び販売をしている会社です。

http://www.hakatanoshio.co.jp/

 

Q① 「伯方塩業」のロングセラー大ヒット商品といえば、

 「伯方の塩」ですが、この商品の名前の由来を教えて下さい。

「伯方島の塩田でつくった塩を残したい」という願いから付けられた名前なのです。

その願いが象徴となってつけられたものであり、登録商標です。

創業当時は伯方島の場所も漢字の読み方も皆さんにほとんど知られていませんでした。

Q② 「伯方の塩」はいつごろ、どんなきっかけで作られたものですか?

当社は『伯方の塩』のみを製造・販売しています。

1971年に成立した「塩業近代化臨時措置法」をご存知でしょうか?

それまで、日本各地の塩田で塩がつくられていましたが、その塩田を廃止して、

塩化ナトリウム99%以上の必要以上に精製した塩・・・

イオン交換膜製塩法によってつくる塩・・・に転換する法律でした。

その法律が制定されることに反対し、「自然塩存続運動」・・・

つまり『塩田でつくった塩』を残すための運動・・・が始まったのです。

しかし、その翌年には日本各地の塩田が廃止され伯方島の塩田は

日本国内でも最後まで残った塩田の一つであり、

愛媛県内最後の塩田でした。

結局、1971年12月に廃止されてしまいましたが、

塩田復活を訴え続けました。

結果、塩田存続の願いはかないませんでしたが当時の専売公社より

「原塩、つまり輸入した天日塩田塩を再生して使用」することや、

「使用する釜も限定する」といった厳しい条件付きで

自主流通塩の製造を委託されました。

そして、『自然塩存続運動』の主体となったメンバーが

伯方塩業株式会社を設立して従来の流下式塩田製塩に

近い塩をつくろうと『伯方の塩』の製造・販売を始めたのです。

その後、塩専売法の廃止、及び塩の自由化により、

海水から直接塩をつくったり原料の選択も自由になりましたが、

『伯方の塩』は現在でも、メキシコまたはオーストラリアの輸入天日塩田塩を

日本の海水に溶かして原料としています。

その理由は、というと・・・塩をつくる最初の過程に

「かん水・・・濃い塩水」をつくる工程がありますが、

海水を直接煮つめる方法は、たくさんの燃料を必要とします。

それに対して、自然の風や太陽熱といった自然エネルギーによって

結晶した輸入天日塩田塩を使うと、燃料は少なくてすみます。

また、メキシコ塩の産地であるゲレロネグロでは世界遺産にも

登録されているほど清浄な湾の海水です。

オーストラリア塩の産地であるプライスでは南極海につながる海水を

使用しています。

こういった、きれいな海水からつくられた天日塩田塩でもあるからです。

そして、2カ国から天日塩田塩を輸入して使用するのは、

原料を安定して仕入れるためなんです。

Q③ 「伯方の塩」の開発のポイントはどこでしょうか?

日本の塩がイオン交換膜法製塩に変わる前の流下式塩田の

塩の味・品質に近づけて食用最適塩を目指しています。

流下式塩田については後ほど説明しますね。

伯方の塩をつくる方法として、水分を脱水する方法では

遠心分離機は使わず、自然乾燥させることで海水中のにがり―つまり、

海水中のミネラル成分をほどよく残して味も良く体にもやさしい塩に仕上げています。

見学コースのある大三島工場にいらっしゃると雪の山のように

積み上げられた乾燥中の塩の山は迫力がありますよ~。

Q④ 「伯方の塩」というと、あのCMソングがおなじみですが、

 いつごろからオンエアされているものですか?

 そのほかCMに関する面白い情報があればお願いします。

1982年からCMのオンエアを始めましたが、

ずっとあの「は・か・た・の・しお」のフレーズを使って皆様に覚えていただいています。

演歌歌手の髙城靖夫さんに『男龍』という曲でこのメロディーを

お使いいただいております。

最後に「お・と・こ・の・あせ」と歌われています。

また、CMにも登場していただいたことがあります。

Q⑤ 「伯方の塩」を使ったオススメのレシピなどありますか?

やはり、一押しは「手づくり梅干」です。

梅の重さに対して、伯方の塩を20%使って作ります。

昔ながらに塩をたっぷり使った梅干を食べ始めると、

市販の添加物や甘味料入りの梅干は食べられなくなってしまいました。

酸っぱくて、しょっぱいけどおいしい!しゃべっているだけで

口の中が唾液の洪水です。

梅干づくりの副産物に「梅酢」がありますが、これも便利!

桜の花や葉の塩漬け、紅しょうがをつくったりと重宝します。

当社ホームページをご覧になってみてください。レシピを紹介しております。

新年式では、桜の塩漬けを浮かべた桜湯をいただいています。

Q⑥  「伯方塩業」の工場見学はできますか?

現在、伯方工場以外に次の2工場が稼動しております。

1996年(平成8年)12月に明浜工場竣工。

そして、2000年(平成12年)5月に伯方島の隣の大三島に

見学コースのある大三島工場竣工してから

毎年、10万人近くの方が見学にいらっしゃいます。

瀬戸内にある「しまなみ海道」にお越しの際は、

是非大三島工場にお立ち寄りください。

『伯方の塩』の製造工程をじっくり見学できます。

通路はバリアフリーで車椅子の貸し出しもしています。

また、工場の外には、見学用施設として流下式塩田を再現しています。

これは、1972年まで主に瀬戸内の風物詩として親しまれていた

濃い塩水をつくる方法です。

自然エネルギーの太陽熱と風の力によって海水を濃縮していきます。

当時の技術と塩の味や品質を次世代に引き継ごうと、

流下式塩田があった頃に塩つくりに係わっていた方の協力のもとで再現しました。
                        
竹で編んだ高さ5.5m、長さ35mの枝条架を伝って濃い塩水に

なっていく様子をご覧ください。

見学の皆様には、伯方の塩お試しセットをプレゼントさせていただいています。

また、工場売店の人気はなんといっても大粒の塩「フルール・ド・セル」をトッピングした

「伯方の塩ソフトクリーム」です。

カリッと大粒の塩が甘いアイスの味を引き立てます。

ほかにお漬物・お菓子といった伯方の塩を使用したおみやげもそろっています。

CMでおなじみのメロディを鳴らすことの出来る伯方の塩チャイムも人気ですよ!

お友達・ご家族連れで是非お越しください。

Q⑦ 今日から11月ですが「伯方塩業」では、特別な行事があるそうですね。

11月といえば、23日は『勤労感謝の日』ですね。

当社では『食物感謝祭』として神社に社員一同お参りして、

感謝の心であらゆる食べ物に祈りを捧げます。

 

 

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