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「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」

毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。

今日ご紹介するのは、現在公開中の
「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」です。

この映画は、タイトルから想像される通り、少年とトラが
一隻のボートで227日間にわたって漂流するというお話です。
全世界でベストセラーとなった原作小説を、最新技術を使った
壮大で迫力満点なビジュアルで展開していて、今年度の
アカデミー賞では、なんと11部門にノミネートされているんです!

映画の大半を占めるのは、海原を漂うボートの中の少年とトラ。
最初はトラを恐れていた少年が、自分が生きるために、
トラと一緒にサバイバルする方法を編み出していきます。
この、限られた空間の中で繰り広げられる、
トラと少年の微妙で濃密な関係は、これまでの動物映画とは
一線を画す面白さで、観客はまるで一緒に
トラと過ごしているような体験をすることになります。

さらに注目したいのが、映像の美しさ!
すさまじい嵐や穏やかな夕暮れの大海原、
空一面を覆い尽くす星空、
そして、クジラやイルカといった海の生き物たち。
海のさまざまな表情を最新の3D映像で描き出し、
あの「タイタニック」や「アバター」の
ジェームズ・キャメロン監督も絶賛したんだそうです。

と・・・・・・ここまで紹介してきたところで、
実はどうしても紹介したいポイントがあります。

それは、映画の冒頭30分間の部分。
少年とトラの漂流がスタートする前のシーンなのです。

正直、映画を見ているとこの部分がちょっと退屈に
見えるんですが、映画を最後まで見ると、
この冒頭のパートが、かなり重要な描写をしていることがわかります。

映画の最後の最後に少年が語る「ある話」と
この冒頭の部分がリンクしていますので、
映画をご覧になる時は、退屈だなんて思わないで、
しっかりと目を凝らして見ていてください。

ネタバレするといけないので、解説はこのへんにしておきますが。
この映画がなぜアカデミー賞11部門もノミネートされているか?
そのへんの秘密はこのあたりの哲学的深い構成にあると
言っていいかもしれません。

監督は、「グリーン・デスティニー」や
「ブロークバック・マウンテン」の台湾出身の巨匠アン・リー。
彼は、人の心を丁寧に描き出す演出で評価される一方、
ワイヤーアクションなど先進的な技術も積極的に
取り入れることでも知られています。
今回はまさに、その両方が堪能できる作品と言えるでしょう!
映像美、演出、そして見事なストーリーテリング!
これぞ映画といえる大作を、ぜひ大きなスクリーンで、体験してください!

今日ご紹介した映画「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」は、
■TOHOシネマズ 光の森
■TOHOシネマズ はません
■TOHOシネマズ 宇城
■シネプレックス熊本
■ワーナー・マイカル・シネマズ熊本
で、現在公開中です。

「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」オフィシャルサイト 

http://www.foxmovies.jp/lifeofpi/

 

                                             

 

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