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「東京家族」

今日ご紹介したのは、今週土曜日・1月19日(土)から公開される「東京家族」です。

この映画、クランクインの前からかなり話題になっているので、ご存じの方も

いらっしゃるのではないかと思います。

これは、「寅さんシリーズ」でおなじみの山田洋次監督が、

小津安二郎監督による1953年の名作

「東京物語」をモチーフに作り出した家族の物語です。

小津安二郎といえば、黒澤明と並び、海外の人からも尊敬される日本映画の巨匠。

その代表作である「東京物語」は、去年、世界の映画監督が選ぶすぐれた映画第1位にも

選ばれた、すごい映画なんです。

「東京家族」では、主な設定はオリジナルをそのまま使い、

細かいエピソードを現代に置き換えています。

物語の主人公は、瀬戸内海の小島に暮らす、平山夫妻。

彼らは東京で暮らす3人の子供たちに会うため上京してきます。

しかし、久しぶりに会った子供たちとは、生活リズムの違いから

気持ちがすれ違い、夫妻は子供たちのもとを離れて転々とすることに。

そんな中、母は末の息子から結婚相手を紹介されるのですが・・・。

平山夫妻役を演じるのは、名優・橋爪功と吉行和子。

子供たちを、西村雅彦、中嶋朋子、妻夫木聡が演じています。

「東京物語」は60年前の映画なんですが、

設定を現代に変えても古びていないのはさすがです。

そして山田監督は、設定を同じにしているだけでなく、

撮影スタイルやセリフについても、「東京物語」を意識して撮っている場面が

たくさんあります。

「東京家族」は、名監督の技を、現代に伝える作品といってもいいかもしれませんね。

2月にドイツで開催される「ベルリン国際映画祭」では、小津監督の「東京物語」と

山田監督の「東京家族」が特別上映されることが発表されています。

「東京物語」では、戦争で失われた息子と残されたお嫁さんのエピソードが

重要なポイントとして描かれていますが、この「東京家族」では、

「東日本大震災」のエピソードが舞台の背景として登場してきます。

もともと、「東京家族」は、2011年の4月に撮影がスタートするはずでした。

ところが3月11日の「東日本大震災」の発生を受け、山田監督は、

撮影の延期を決断します。

その後、「震災後の日本」と「家族」というモチーフが加わった

新しいシナリオで1年後に撮影することとなったのです。

「戦争」と「大震災」。大きな「喪失感」の後に、日本の「家族」の形が、

どう変わってしまったのか?

そして、何がいつまでも変えてはいけない大切なものなのか?

そんなポイントで映画を観ると、より深い感動が得られるかもしれません。

小津監督のオリジナルと見比べるのもよし、何の予備知識もなく楽しむのもよし。

山田洋次監督が描き出した今の家族の姿を、ぜひご覧になってみてください!

今日ご紹介した映画「東京家族」は、

■Denkikan

■TOHOシネマズ 光の森

■TOHOシネマズ はません

■TOHOシネマズ 宇城

■シネプレックス熊本

■ワーナー・マイカル・シネマズ熊本

で、1月19日(土)公開です。

(「東京家族」オフィシャルサイト http://www.tokyo-kazoku.jp/

 

 

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