「尾崎商事株式会社」
企業にまつわる気になる疑問を解決する「会社のヒミツ」。
今日は「尾崎商事株式会社」のヒミツに迫りました。
お話を伺ったのは、尾崎商事株式会社 経営企画室の
西村真由さんです。
尾崎商事株式会社は、 安政元年、岡山県倉敷市児島地区で
操業、今年160周年を迎える学生服・体操服メーカーです。
1923年に布を作るところから学生服まで一貫生産を始めました。
全国に17、上海に1つの自社工場があり、
生産関係だけで1800人の従業員が働いています。
また全国に30箇所の営業所を置き、
地域密着型の営業活動を行っています。
「尾崎商事」という社名よりも、「カンコー学生服」という
ブランド名の方が馴染み深いかもしれません。
Q 入学、進学の季節ということで、
お忙しい時期ではないでしょうか?
まさに今、合格発表から入学式の間がシーズンで、
縫製工場や営業現場では連日残業を行い、必ず
入学式までに全員の制服をお届けするという社会的使命のもと、
全社助け合いながら一丸となってがんばっているところです。
Q 「尾崎商事」という社名の由来を教えて下さい。
操業家の苗字が「尾崎」のため「尾崎商事」と名付けられました。
現在の社長「尾崎茂」は8代目です。
Q 「尾崎商事」というと大ヒット商品「カンコー学生服」
シリーズが有名ですが、この商品はいつごろ、どんな
きっかけで生まれたのでしょうか?
これまで累計でどれくらい売れていますか?
当社オリジナルブランドKANKO(カンコー)は、
学問の神様、菅原道真公の呼び名「菅公(カンコー)」に
由来し、名付けられました。
1928年(昭和3年)、当時の社長である
尾崎邦蔵(第三代社長)が自社ブランド名として「菅公」の
商号を取得しました。伝わるところによると、その当時「菅公」の
商標を持っていたのは東京神田の製帽メーカーで、
1、2年にわたる粘り強い交渉を行い、ようやく取得することに
成功したそうです。
当社創業の地である児島の唐琴という地域には、
京都から左遷される際に道真公が立ち寄ったという故事が
伝えられ、道真公が使ったとされる「天神の井戸」の残る
琴浦天満宮があります。
学者でありながら貧しい庶民を救うため政治の道を志した
道真公は、次々と改革を実行に移して結果を残し
右大臣にまで出世します。
しかし、その想いの強さや行動力が時の権力者に疎まれ、
ついには太宰府に流されてしまいます。
流刑に遭ってまで信念を貫いた菅原道真公にならい、
カンコーブランドには、子どもたちに自分の夢やこうありたいという
強い想いを持つことの大切さを伝えていきたいという
想いが込められています。
Q 当時の「カンコー学生服」の開発ポイントは何でしょうか?
1970年代、カンコースプリンター学生服が大ヒットしました。
ソフトタッチのカラーやストレッチの動きに合わせた裏地のタック、
ペン差しなど特許をたくさんとって付加価値を付けました。
縫製やデザイン、仕立ての良さだけでなく、
ファッション性も取り入れ、高品質に徹底的にこだわったモノ作り。
当時、「箱だけを売ってくれないか」という問い合わせがたくさん
きたくらい、パッケージも人気がありました。ただの紙箱を
使うのが普通でしたが、持ち手のついたビニール製のケースに
学生服を収めて売ったのはカンコーだけでした。
また当時一世を風靡したフォーリーブスさんに
出演していただいたCM宣伝も大ヒットの大きな要因でした。
Q 「カンコー学生服」というとテレビCMが印象的でした。
歴代どんな方が出演していたのでしょうか?
フォーリーブスから始まって、桜田淳子さん、
香坂みゆきさん、早見優さんなど70年代80年代には
たくさんのタレントさんにご出演いただきました。
その中でも桜田淳子さんのCMは、女性タレントに
学ランという意外性が印象深かったようで、
今でもよくお問い合わせをいただきます。
Q 現モデルの「カンコー学生服」
特色などあればご紹介ください。
カンコードライウォッシュという学ランは、ご家庭の洗濯機はもちろん、
乾燥機にも掛けられる丈夫さがポイントの商品です。
夜洗って、朝ノーアイロンで着られる速乾性とお手入れの楽さは
お母様にご好評いただいています。
カンコーB-1フィールエアーはトコトン着心地にこだわった商品です。
学ランはキュークツ!という意見から、姿勢によってツッパリが
生まれるところを科学的に分析。生地のストレッチや設計に
独自の工夫を行い、軽い着心地が実現しました。
是非試着していただき、着心地を実感してください。
女の子用には、現役女子中学生の座談会で出た意見から
生まれた「カンコーファインレーベル」があります。
透けにくいシャツや汗の臭いも気にならないインナー、
キレイなプリーツがとれにくいスカートなど、
様々な工夫が満載です。
Q 「カンコー」というと、ロアッソ熊本サポーターの方には、
同じJ2で戦うファジアーノ岡山のホームスタジアム
「kankoスタジアム」でもお馴染みかもしれません。
「カンコー」の名前では、スポーツ関連の活動も
たくさん行っていらっしゃいますよね。
「カンコードリームプロジェクト」という子どもたちの夢をえがく、
はぐくむ、かなえる、という活動を行っています。具体的には、
全国各地でのスポーツ大会の支援や、
カンコーブランディングマネージャのラモス瑠偉さんに学校へ行って
いただいて講演会やスポーツ教室を行ったり様々な活動を通じて、
未来を担う子どもたちが大きな夢を持って羽ばたけるような
応援を行っています。
今年度から、学習指導要領の改定により、
中学校で「ダンス」が必修となりました。生徒たちの体力向上のほか、
踊ることで自己表現する方法であるとともに、創造性や
チームワークによるコミュニケーション力を醸成して
豊かなスポーツライフの実現を目指すというものです。
しかし未経験の先生も多く、どのように授業を組み立てて良いのか
悩まれている先生方が多くいらっしゃる状況でした。そこで、
カンコーでは、日本ストリートダンススタジオ協会(NSSA)監修の元、
明るく楽しいオリジナルダンス「カンコーくるくるダンス」を制作し、
基本のステップや注意点などをまとめた学校教材DVDを
差し上げています。また先程お話した
「カンコードリームプロジェクト」の一環ですが発表の場として
ウェブ上で「カンコーくるくるダンスコンテスト」を実施しました。
今月頭に発表になった結果、グランプリを受賞した
チームはオリジナルプロモーションビデオ撮影、
審査員特別賞受賞のチームは、ポスター撮影が行われました。
今年6月からも新しいダンスコンテストを行う予定です。
たくさんのチームの応募をお待ちしています。最近春に運動会や体育祭を行う学校も増えています。是非このカンコーくるくるダンスを取り入れてコンテストに学校単位で参加してみませんか?
今日は、尾崎商事株式会社 経営企画室の西村真由さんに
お話を伺いました。西村さん、ありがとうございました。
尾崎商事のオフィシャルサイト http://ozaki.jp/
本日オンエアのこのコーナーをポッドキャストでも配信中。
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