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「フライト」

「FMK Morning Glory」毎週火曜日にお送りしています「キネマのススメ」。
毎週、(わたくし)松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。
今日ご紹介するのは、現在公開中の「フライト」です。

この映画、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」や「フォレスト・ガンプ/一期一会」で
知られるロバート・ゼメキス監督の、12年ぶりとなる実写作品として話題です。
ここ十年ほどは、CGを使った3D作品を監督していたゼメキス監督ですが、
今回はシナリオに惚れ込んで実写映画監督への復帰を決断しました。
「フライト」というタイトルから想像される通り、この映画の題材は飛行機。
ですが、その中身は一筋縄ではいきません。

主人公ウィトカーは、飛行機のパイロット。機長です。
あるとき、彼の操縦する飛行機が、高度3万フィートを航行中
突然エンジントラブルを起こします。
とっさの判断から、ウィトカーは飛行機を緊急着陸させることを決断します。

映画の冒頭30分で起こるこの航空事故シーンは、
それだけでも普通の映画のクライマックスに匹敵する迫力です。
高所恐怖症でなくても、
かなりムズムズしてくるようなスリリングなシーンになっています。
この奇跡的なシーンは、迫力があってドキドキしますが、
本当に手に汗握るのはその後!
映画の本筋はここから始まるっていうのが、この映画の面白さなんです。

その後の調査で、ウィトカー機長の血液中から
アルコールが検出されてしまいます。飲酒疑惑をかけられた彼は、
奇跡のヒーローになるのか、それとも犯罪者として裁かれるのか・・・。

状況的には主人公のウィトカーを応援したいところなんですが、
このウィトカーが、結構わけありの人物。
人間としての弱さも持った光と影の部分のあるキャラクターなんです。
果たして彼のことを信じていいのか?真実はどこにあるのか?
心に深い闇を抱える主人公の姿を通して、
ロバート・ゼメキス監督は、観客の僕たちの感情を様々に揺さぶってきます。
映画がどこに着地するのかわからないスリリングな展開は、
さすが巨匠の手腕です。

主人公ウィトカーを演じるのが、、この「キネマのススメ」では、
常連さんともいえる名優デンゼル・ワシントン。
Gloryスタッフの中では「デンゼル兄貴」とよばれ、
「デンゼル兄貴の映画にはずれなし」とも言われています。
ボクサー役をやるときはハードなトレーニングをやったりするというくらいに、
役作りに時間をかけることで有名な彼ですが、今回はパイロット役ということで、
実際にパイロットが訓練するフライトシュミレーターで
何十時間も飛行訓練を積んで撮影に望んだそうです。
デンゼル兄貴いわく「私は、まだ演技というものがよくわかっていない。
だから毎日努力するんだ。」。かっこいいですねぇ・・・・!

先日のアカデミー賞でも、この「フライト」の演技で
主演男優賞にノミネートされていましたが、
やはり見ごたえのある演技を見せています。

予告編だけをみて単なる「航空パニックもの」だと思っているあなた。
これは、実に骨太なドラマを見たい方にお勧めの一本なんです。
デンゼル兄貴の素晴らしい演技を堪能できる作品です。

今日ご紹介した映画「フライト」は、
■TOHOシネマズ 光の森
■TOHOシネマズ はません
■TOHOシネマズ 宇城
■シネプレックス熊本
■ワーナー・マイカル・シネマズ熊本
で、現在公開中です。

「フライト」オフィシャルサイト
http://www.flight-movie.jp/

 

 

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