「北星鉛筆株式会社」
企業にまつわる気になる疑問を解決する「会社のヒミツ」。
今日は「北星鉛筆株式会社」のヒミツに迫ります。
「大人の鉛筆」というヒット商品の製造販売などを手掛けている会社です。
この「大人の鉛筆」は、2011年の日本文具大賞に認定されました。
「大人の鉛筆」とはどんな鉛筆なのか、また「北星鉛筆」とは
どんな会社なのか、北星鉛筆株式会社 代表取締役 社長の
杉谷和俊さんに詳しく伺っていきます。
Q① まずは「北星鉛筆」の会社の概要を教えて下さい。
杉谷家の先祖は、伊勢の徳川幕府につかえ、
書記をしていたと聞いています。徳川幕府解体後、屯田兵として
北海道に明治30年5月一家5人で渡り。
北海道浜佐呂間にて鉛筆の板「スラット」を製造する、
杉谷木材㈱を明治42年設立。
鉛材として関東に販売した板屋と聞いています。
先祖が筆を使う書記だった事もあって、これから大量に鉛筆が
必要な時代になると察知し、鉛筆の板「スラット」を
製造したと考えられます。
関東大震災で、月星鉛筆が全焼、北海道の釧路で社名を
変更し、昭和19年北星鉛筆文具株式会社として創業開始した。
その後社長の死去で経営が行き詰まり、その後、杉谷木材が
負債を肩代わりし、東京設備を買い取り、昭和26年1月、
東京の現在の地に北星鉛筆株式会社を設立しました。
創業当時は、鉛筆用板材を販売しながら、鉛筆は、
学童鉛筆の製造を中心に展開していました。
時代の流れとともに、鉛筆業界自体の縮小傾向は、止めようがなく、
時代は、ハイスピードで変貌し時代に合わせた新製品や
企業の体質改善・修正を行い、日本の「ものづくり」産業の
一つとして頑張ってきました。
弊社には、先代より代々、鉛筆の精神を大切に受け継いでいます。
「鉛筆は我が身を削って人の為になり、真中に芯の通った
人間形成に役に立つ立派で恥ずかしく無い職業だから、
鉛筆の有るかぎり、利益などは考えず、家業として続ける」
この精神で、創業62年を迎える事が出来ました。
鉛筆の存続価値の追求の中から、鉛筆製造時の「おが屑」の
再商品化事業「循環型鉛筆産業システムの構築」に成功しました。
又、鉛筆ファンの拡大を願い、「観光・鉛筆工場物語」のプロジェクト、
夢の実現に向けてスタート。その一環として平成22年3月
「東京ペンシルラボ」をオープンさせました。ラボでは、鉛筆にふれ、
歴史を感じ、作り方を学ぶことが出来る鉛筆の総合学習施設です。
毎日、多くの方々にご来場頂き盛況を頂いております。
さらに書くことの喜びを再認識できる、鉛筆ファンの皆様に
感謝込めて「大人の鉛筆」を製造販売開始。
「大人の鉛筆」は、2011年の日本文具大賞の認定を頂きました。
Q② 「北星鉛筆」の大ヒット商品といえば、
「大人の鉛筆」だと思いますが、この商品は
いつごろ、どんなきっかけで作られたものですか?
鉛筆には欠点が一つ有ります。
・・・・鉛筆は我が身を削らないと字が書けない・・・・・
削らなくても字が書ける鉛筆を色々挑戦しています。
北星鉛筆でも1954年昭和29年ノーカットペンシルを販売していました。
これはクチガネをゆるめ芯をスライドさせる、方式。
1960年昭和35年頃ネオペンシルを販売していました。
これは、ノックするとチャックが開き芯がストント出てくる、
ノック式ホルダー鉛筆。
上記の商品の欠点を解消した鉛筆で、3年前に開発出来ました。
その頃東京ペンシルラボに見学に来た親子ずれの人が、
鉛筆は子供のもので、大人が使う鉛筆が売っていないとの
意見を聞きました、その時、ヒラメイタのが今温めている、
筆記具で、大人がつかえる鉛筆シャープ・・・・から
「大人の鉛筆」となり、販売する運びとなりました。
2011年の日本文具大賞を受賞し30万本を超える、
ヒツト商品が誕生しました。
Q③ 「大人の鉛筆」の開発のポイントはどこでしょうか?
シャープは、芯折れを考えプラスチックが原料として使用しています。
「大人の鉛筆」は粘土と黒鉛で鉛筆の芯を使用している。
ここが大きなポイントです。
軸は鉛筆の木「インセンスシダー材」を使用し、鉛筆間隔で使用でき、
ノックすると芯がシャープペンのように出て子供のころ慣れ親しんだ
鉛筆の感覚がよみがえる、哀愁を感じる鉛筆です。
芯削りも同時発売、芯だけ削る・・・・・エコライフ感覚。
Q④ さらに「大人の鉛筆に、タッチペン」というものも
発売されているそうですが、これはどんな商品ですか?
いまどきの鉛筆は紙だけじゃなくスマホにも書ける!
2011年4月より発売を開始し、日本文具大賞を受賞した
『大人の鉛筆』。
幅広いお客様にご好評を頂き、新たに
『大人の鉛筆に、タッチペン。』が発売されました。
この鉛筆は逆さにするとタッチペンとして使用でき、
クリップから指を離すと反応しない特殊な構造。
画面に触れる部分には液晶に優しいフェルトタイプが
使われています。芯削り器も新色を追加。
ガシガシ書いて、スイスイ動かして新しい鉛筆の楽しさを体験して下さい。
http://www.kitaboshi.co.jp/home/otonanoenpitu-touchpen.html
Q⑤ そのほか、オススメのサービス、キャンペーンなど、
最後にPRしたい案件があればお願いします。
おが屑の再商品化・・・・
木のねんど「もくねんさん」
木の絵具「ウツドペイント」
鉛筆以外の商品でもがんばっています。
よろしくお願いします。
杉谷さん、ありがとうございました。
北星鉛筆 オフィシャルサイト
http://www.kitaboshi.co.jp/
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