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「ジャンゴ 繋がれざる者」


毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。

今日ご紹介する映画は、現在公開中の
「ジャンゴ 繋がれざる者」。
クエンティン・タランティーノ監督による本格的なウエスタン映画です。
ウエスタン・・・・・西部劇といってもいろんな種類があります。
王道は、やはりジョン・フォード監督の作品。
世界中の映画監督に影響を与えました。
ところが今回の作品は、アメリカの王道西部劇でなく、
1960年代から70年代にかけてイタリアで大量生産された
西部劇、通称「マカロニ・ウエスタン」から大きな影響を受けた
作品になっています。

アメリカで作られた西部劇と違って、「マカロニ・ウエスタン」は、
激しいガン・ファイトの描写や登場人物の強烈なキャラクターもあって、
かなり濃い映画が多く、カルト的なファンも多いジャンルです。
映画オタクを自負するタランティーノ監督が長年撮りたかったのが、
この「マカロニ・ウエスタン」を現代に再生させることでした。

「ジャンゴ」というタイトルを聞いて、ピンと来た方は、
かなりの映画好きですね。「ジャンゴ」とは、
マカロニウェスタン名匠セルジオ・コルブッチ監督の映画に
登場するキャラクターの名前で、タランティーノが大ファンで
あることは有名です。
そんな思い入れたっぷりのキャラクターを、
タランティーノ流に作り上げたのが、今日ご紹介する映画
「ジャンゴ 繋がれざる者」なんです。

そのストーリーですが、舞台は、南北戦争直前のアメリカ南部。
奴隷だったジャンゴは、元歯科医の賞金稼ぎシュルツと出会い、
賞金稼ぎとしての手ほどきを受けながら、
相棒として働くようになります。

そんなある日、ジャンゴは生き別れになった妻が、
残忍な領主として名高いカルビンのもとにいることを知り、
妻を取り戻すための戦いに挑みます!

ジャンゴを演じるのは、「Ray/レイ」でオスカーを受賞した
ジェイミー・フォックス。
黒人俳優が西部劇の主役というのは、大きな驚きですよね。
そして相棒シュルツには、タランティーノの前作
「イングロリアス・バスターズ」で一躍注目を浴びた
クリストフ・ヴァルツが扮しています。
ちなみに、タランティーノはクリストフ・ヴァルツのことを
“俺の新たなミューズ”(笑) と呼んでいて、
今回のシュルツというキャラクターもあて書き。
その思い入れが実ってヴァルツは、今年度のアカデミー賞
助演男優賞で2度目の受賞を果たしています。
また、カルビン役には、なんとレオナルド・ディカプリオ。
自ら志願したという、レオ様の悪役っぷりにも注目ですよ。
当初、もっと年配の俳優を考えていたというタランティーノ監督に
ディカプリオが「自分がこの役をやりたい!」と猛烈アプローチ。
タランティーノはディカプリオに合わせてシナリオを書きなおしたそうです。
このレオ様の悪役ぶりが相当に迫力あって憎たらしいです。
ちょっと若いころのジャック・ニコルソンを思わせる怪演です。

長年マカロニウェスタンのファンだったタランティーノが、
満を持して作り上げた西部劇。
しかも、単なる真似事ではなく、
アメリカの歴史にも大胆に切り込んだ野心作です。

映画評論家的にも高い評価を受け、
エンターテイメントとしても1級品。
さらには、素晴らしい俳優たちの素晴らしい演技が
堪能できる作品。映画ファンでなくても、
いま映画をみるならこの1本と言い切れる傑作です!

今日ご紹介した映画「ジャンゴ 繋がれざる者」は、
■ TOHOシネマズ 光の森
■ TOHOシネマズ はません
■ TOHOシネマズ 宇城
■ シネプレックス熊本
■ ワーナー・マイカル・シネマズ熊本
で、現在公開中です。

「ジャンゴ 繋がれざる者」オフィシャルサイト
http://www.sonypictures.jp/movies/djangounchained/


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