「L.A.ギャング ストーリー」
毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。
今日ご紹介するのは、現在公開中の
「L.A.ギャング ストーリー」です。
ギャング映画というと数々の名作があります。
ニューヨークのイタリア系ギャングを描いた「ゴッド・ファーザー」。
シカゴを舞台にした「アンタッチャブル」。
ギャングへの潜入捜査を描いた「インファナル・アフェア」と
そのハリウッドリメイクの「ディパーテッド」などなど。
ギャング男の世界の渋い男のドラマや華やかな50年代の
女優ファッションに加えて、派手な銃撃戦を描けるこのジャンルは、
ハリウッド映画が最も得意とするジャンルでもあります。
今回の映画は、タイトル通りに、
ロサンゼルスを牛耳っていたギャングと、
それを取り締まる警察との息詰まる戦いを描いた作品です。
映画に登場するのは、1940年~50年代に
実在した有名なギャング、ミッキー・コーエン。
彼は、プロボクサーを目指したものの挫折。
ニューヨークで伝説のギャング、アル・カポネの手下となって
働き始めると、みるみるうちに頭角をあらわします。
新天地ロサンゼルスに来てからは、
あらゆる違法ビジネスに手を染めて莫大な金を手にし、
警察や政治家にも賄賂を流してやりたい放題。
ロサンゼルスを血と恐怖で染め上げた・・・といわれる
実在の人物です。
この大物ギャングに対抗するため、ロサンゼルス市警に
結成されたのが、少数精鋭の”ギャングスター・スクワッド“。
いわば「ギャング討伐隊」です。
裁判官や警察内部さえも買収されて、ギャングと
内通している状況の中、秘密裏に召集され、
「警察当局は一切の責任を負わない」という命がけの任務に
ついた彼ら。本物のギャングに対抗するには、
普通じゃムリ!と、警察官という素性も名前も隠し、
ギャングさながらの違法捜査でギャング組織を
壊滅させようとします。ギャングが運営しているカジノを
強盗したり、麻薬を移送する車を襲撃したり・・・・
やっていることは、まるでギャングです。
この「ギャング討伐の精鋭部隊」を集めていく過程が
なかなかに面白くて、なんと黒澤明監督の名作
「七人の侍」を参考にしているらしく、
個性あるメンバーをスカウトして集めていく様子が
丹念に描かれます。「精鋭部隊」とはいいますが、
メンバーは、いろいろ問題のある人物たちで、
いわばトラブルメイカーばかり。でも、警察組織の中では
アウトサイダーだったからこそ、ギャングに決して買収されず
信ずる正義を貫くことができるようになるという
「燃える王道の展開」です。
ロサンゼルスを牛耳る大物ギャング、ミッキー・コーエンを
演じるのは、ハリウッドを代表する演技派ショーン・ペン。
恐ろしいギャングのボスを重厚な役作りで演じています。
対抗する、ロサンゼルス市警本部長パーカーには、
「狼たちの街」のニック・ノルティ。また、前作「ドライブ」の
演技でかなり男を上げたライアン・ゴズリング、
「ノー・カントリー」、「メン・イン・ブラック3」の
ジョシュ・ブローリンなど、勢いのある俳優が多数出演しています。
男くさいドラマの中で華やかな色気で観客を魅了するのが
「アメイジング・スパイダーマン」のエマ・ストーン。
ギャングの情婦でありながら、警官と恋に落ちるという役ですが、
往年ハリウッド女優のようなクラシックな美しさがあって、
ここも見どころのひとつです。
監督は、「ゾンビランド」で一躍注目を浴びた
ルーベン・フライシャー。新鋭の監督らしく、
生きのいい演出を見せてくれますよ。
今後が期待できる才能です。
ちょっとノスタルジックな香りが漂う、正統派のギャング映画。
男たちの熱い戦いに興奮すること間違いなしです!
今日ご紹介した映画「L.A.ギャング ストーリー」は、
■TOHOシネマズ 光の森
■シネプレックス熊本
■ワーナー・マイカル・シネマズ熊本
で、現在公開中です。
映画の中では、40年代50年代のジャズが
たくさん流れて、雰囲気を盛り上げてくれます。
わかりやすくいうと、この前までオンエアしていた
「サントリー・サタデー・ウェイティングバー・アヴァンティ」で
流れるような曲・・・・って言うとわかりやすいかもしれませんね。
素敵なバーで流れてくるような・・・・あの感じですよ!
「L.A.ギャング ストーリー 」オフィシャルサイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/gangstersquad/