「ジャーニー/ドント・ストップ・ビリーヴィン」
毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。
今日は、今週土曜日・6月15日から公開される
「ジャーニー/ドント・ストップ・ビリーヴィン」
をご紹介しましょう!
1980年代に数々のヒット曲を出し、メンバーチェンジを
繰り返しながら、今もなお活躍するロックバンド「ジャーニー」。
今日ご紹介する映画
「ジャーニー/ドント・ストップ・ビリーヴィン」は、
デビュー以来の岐路に立たされていたバンドが、新たなボーカリストを
迎え、蘇っていく姿を描いたドキュメンタリーです。
1973年から活動を始め、今年結成40周年を迎えた
アメリカのロックバンド・ジャーニー。その長い歴史の中で、
最も有名なボーカリストが、1977年から98年まで在籍した、
伝説のボーカリスト・スティーブ・ペリーです。
「セパレイト・ウェイズ」や「お気に召すまま」、
マライア・キャリーもカバーした「オープン・アームズ」など、
ほとんどの大ヒット曲は彼のボーカルによるもの。
そのため、スティーブ・ペリー脱退後に迎えた2人の
ボーカリストにはファンが馴染めず、相次いで脱退。
バンドはボーカル不在の状態となり低迷していました。
そんな2007年、バンドはネットの映像で発見した新たな
ボーカリストを迎えます。
彼は、フィリピンに暮らす無名のシンガー、アーネル・ピネダ。
少年時代に母親を亡くし、一家離散やストリートキッズなど、
多くの困難を経験しながら歌をあきらめなかったアーネル。
映画では、彼の波乱万丈の半生と、ジャーニーのフロントマンとして
成功していく様子を克明に描いています。
アジア人であるアーネルが、アメリカの超有名バンドの一員と
なるには、相当なプレッシャーがあったはず。
映画ではその部分にも迫っているんですが、
印象に残るのは、彼の明るさと圧倒的な歌唱力。
ジャーニーをよく知らなくても、アメリカンドリームをつかんだ
アーネルの姿に元気をもらえ、帰るころにはアルバムを
買いたくなっている・・・。そんな1本ですよ。
ここでひとつ、映画では描かれていない
補足情報をお届けしましょう。
劇中のクライマックスでジャーニーが演奏する楽曲
「ドント・ストップ・ビリーヴィン」。
この映画のタイトルにもなっている、数多くのアーチストにも
カバーされているロック界のクラシックとも言える楽曲です。
最近では、テレビドラマ「グリー」やトム・クルーズ出演の
「ロック・オブ・エイジズ」でも印象的に使用されていたこの曲は、
80年代を代表する大ヒット曲なんですが、アメリカ人にとっては、
あるイメージを喚起する曲なんです。
この曲は、地方から大都市に上京しサクセスを目指すアメリカの
若者たちの「心のテーマソング」。
いわば「サクセスの象徴」的な歌なんです。
いろんなシンガーにもカバーされ、歌い継がれてきた
時代を越えた定番ソングと言えるでしょう。
日本の曲では、曲の雰囲気こそ違いますが、
長渕剛の『とんぼ』なんかがコンセプトが近い感じでしょうか?
大都会にも揉まれて頑張る若者たちの歌です。
「ドント・ストップ・ビリーヴィン」
夢をあきらめるなと歌うこの曲。
遠く海を越えて、フィリピンからジャーニーに参加した
アーネル・ピネダにとって、まさにこの歌は、彼が歌うために
存在するような曲なんです。映画の中でも歌詞がきちんと表示されるので、
そこをじっくり噛みしめながら鑑賞してほしいと思います。
今日ご紹介した映画「ジャーニー/ドント・ストップ・ビリーヴィン」は、
■Denkikan
で、今週土曜日・6月15日から、一週間限定公開されます。
「ジャーニー/ドント・ストップ・ビリーヴィン」オフィシャルサイト