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「ヨネックス株式会社」

企業にまつわる気になる疑問を解決する「会社のヒミツ」。
今日は「ヨネックス株式会社」のヒミツに迫ります。

ヨネックス株式会社は、
「独創の技術と最高の製品で世界に貢献する」の
経営理念のもと、国内自社工場ならびに世界各地で
生産を行い、バドミントン、テニス、ゴルフ、
ウォーキングシューズ等の製品を提供している
スポーツメーカーです。

お話を伺ったのは、ヨネックス株式会社
グローバル戦略室 マーケティング課の
金子幸也さんです。

Q 「ヨネックス株式会社」ですが、
創業当時からスポーツメーカーだったのでしょうか?

元々は漁業で使われる木製の「ウキ」などの木工業を
主体とし、「米山製作所」として1946年創業。
やがてバドミントンラケット・テニスラケット等を
製造するスポーツメーカとなり、その後に
ゴルフ用品・シューズ・ウエア等の製造販売を
開始しました。

木製からアルミ、ステンレス、カーボンの用具が
進化する中で各時代をリードする製品開発を
推進しています。

また、長年にわたりトッププレーヤーの出場する
世界規模の大会から草の根の大会に至るまで
様々な場面での用具提供だけでなく、
各スポーツ種目の普及活動にも積極的に
取り組んでいます。

なお、余談ですが熊本県八代市ご出身の
陣内貴美子さんは以前当社のバドミントンチームに
所属されていました。
現在は当社ウォーキングシューズの
イメージキャラクターとしてご夫妻で
ご活躍いただいています。

Q 「ヨネックス」という社名の由来を教えて下さい。

海外との取り引きを開始するに伴い、社名を「ヨネックス」としました。
「ヨネヤマ」では漢字で2文字。
ローマ字だと8文字と長くなり、外国人には発音しにくかったため
「YONEYAMA」の“YAMA”を取り「Y」と「X」をつける
「YONEX」で決定しました。

Q 青と緑でおなじみの「ヨネックス」のロゴマーク。
由来を教えて下さい。

yoneyamaの「y」と若さ(youth)の「y」を「yy」として
デザインしました。
ブルーは青空、グリーンは緑の大地を表しています。

Q 「ヨネックス」のヒット商品といえば、
まず思い浮かぶのがバドミントン用品です。
このジャンルでもっともヒットした商品は何ですか?
この商品は、いつごろ、どんなきっかけで
誕生したものですか?

当社は1957年からバドミントンラケットの製造を
開始しましたが、当社のバドミントンラケットの開発は
軽量化とそれに伴うスマッシュスピードの
追求だと言えます。これを代表する1980年に発売した
「カーボネックス8」というラケットは後述の性能だけでは
なく、好みのカラーを選ぶ楽しさもお客様にご提供でき、
とても画期的なラケットでした。
カーボネックス8は当時華麗なジャンピングスマッシュで
人間速射砲と呼ばれたインドネシアのリム・スイキンという
選手が使用し、当時のバドミントン愛好者に鮮烈な
印象を残しました。

Q その商品の開発のポイントを教えてください。

世界で初めて重量100gを切った軽いラケットでした。
それまでバドミントンラケットは木やステンレスで
作られていたのですが、他社に先駆けて採用した
カーボン(軽くても強度のある素材)素材が軽量化と
スピードに欠かせない反発力
(強度があっても撓って戻るため)を両立させました。 
それから30年以上を経た現在でも飽くなき性能への
探求は続いております。

軽量化という面で言えば、今年2月には当社最軽量の
73gのアークセイバーFBというラケットの開発に成功し、
世界トップ選手から一般のお客様まで幅広く
お使いいただいています。

また、スピードへの挑戦においては、
アークセイバージースラッシュというラケットを
2009年に発売。このラケットはタン・ブンホンという
マレーシアのトップ選手により
スマッシュ初速421km/hという記録を樹立しました。
バドミントンが最速のスポーツと言われる所以が
ここにあります。現在もこれらをさらに塗り替えるような
製品開発を続けています。

Q そのほか「ヨネックス」の商品に関する
なにか面白いエピソードなどあればお願いします。

ラケット以外で当社を代表するものにバドミントンには
欠かせないシャトルコックがあります。
通常シャトルコックは16枚のガチョウやアヒルの羽根で
作られており、重さは僅か5gほどしかありません。

約30年前までのシャトルは、体格に勝る欧米の選手が
全力で打つと簡単に潰れてしまってラリーが続かず、
試合が単調になりがちでした。
しかし1980年代に入り、バドミントン界で最も歴史と
権威のある1899年から開催されている全英選手権という
大会で当社の「トーナメント」というシャトルが試験的に
採用されました。
当初主催者側からは2000ダースを準備するよう
指示されましたが、耐久性が良かったために
実際に使用されたのは300ダースでした。
このトーナメントの登場で、強いスマッシュにも耐えられ
長いラリーが繰り広げられるようになったことで
競技スタイルそのものが変わったとも言われています。

この成果が大会側に認められ、全英選手権の
冠スポンサーとなる大きな契機となりました。
今年3月の大会で「ヨネックス全英選手権」は
30回を迎えました。

トーナメントはその後も改良を続け、
今も全英選手権をはじめとした各世界大会で
使用され続けています。

シャトルコックは大半が海外製ですが、
このトーナメントは日本国内の工場で羽やコルクという
自然の素材を手作業で組み合わせて一つ一つ
製造しています。

シャトルコックは気温や湿度・気圧によって
飛距離が変化します。
暑い場所や気圧の薄い高地では良く飛びますし、
気温が低くなると飛ばなくなります。
これをどのような環境下でも一定に保てる技術も
当社の自慢です。

Q 「ヨネックススポーツ振興財団」の活動について、
詳しく教えてください。

青少年スポーツの振興に関する様々な事業の
推進を図り、心身ともに健全な青少年を育成し、
これにより明るく豊かで活力に満ちた社会の実現に
寄与することを目的とした団体です。

スポーツ団体が行う、青少年スポーツの振興に
関する事業に対する助成。スポーツを積極的に行う
学生や海外からの体育学等専攻の留学生への
奨学金の給与をおこなっています。

毎年、青少年スポーツの振興に関して貢献のあった
個人及び団体を(財団理事長名を冠した)
「米山稔賞」として表彰しています。

今回は昨秋開催の
ヨネックスBWF世界ジュニアバドミントン選手権大会2012
において、指導している福島県立富岡高等学校から
男子シングルスで日本人初となる金メダル、
女子シングルス銅メダルという選手を輩出したことにより、
同高校バドミントン部総監督の大堀均様が受賞されました。

今日は、ヨネックス株式会社
グローバル戦略室 マーケティング課の
金子幸也さんにお話を伺いました。
金子さん、ありがとうございました。

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