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「チームGINRIN熊本」

あらゆるジャンルの“注目の人”にインタビューする「ヒューマン・ラボ」。
今回は、熊本有数の自転車チーム「チームGINRIN熊本」
中原裕章さんにチームの活動について伺いました。

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Q① 出演する方のお名前と職業・所属を教えて下さい。
 
名前 :中原裕章
所属:熊本市消防局
プロフィール: 大学時代に趣味デロードレーサーに乗り始め、
就職してからレースに出場するようになり、現在12年目。
ホームページ、ブログなど:http://ginrin.kumamoto.jp/
 
Q② 活動の主体となる「事務局」の基本情報を教えて下さい。
 
正式名称:チームGINRIN熊本
所在地:GINRIN健軍店(熊本市東区水源1丁目8番4号)
問合せ先: HP:http://ginrin.kumamoto.jp/
 
Q③ 「GINRIN熊本」 は、どんな団体ですか?
いつごろ、どんな目的のために結成されたものですか?
 
競技用自転車の一種「ロードレーサー」が好きで、
お店「GINRIN健軍店」で顔なじみになった
有志が作り上げたチームです。
 
自転車競技の最大のポイントは、空気抵抗です。
ゴールには先頭で到達したいのですが、
先頭を走るとライバルの2~3割増しほどの空気抵抗と
戦わねばなりません。
より早くゴールにたどり着くために先頭を走ると
他人よりも疲労する一方、ライバルは自分を風よけに
使って体力を温存することになります。
 
こうした空気抵抗をチームメイトと分け合って
走ることで体力を保ちながらペースを上げる一方、
対抗するチームにはどのタイミングで空気抵抗を
ぶつけるか、という心理戦が背後で展開します。
たとえば・・・・皆が前に出たがらないときに
勇気を持って先頭に飛び出して集団から大きく
抜け出したりすると、前を曳きたがらない集団内では
牽制がはじまり、先頭に飛び抜けた選手が
優勝することがあります。
 
抜け出した選手がチームメイト(緑)なら、
追走を始めるライバルチーム(エンジ)を風よけに使えば、
一人をおとりにして、チーム員(緑)の体力を
温存することができます。
他にも、筋力が多い体重が重い選手ほど平地の
走行速度は上がりますが、登りになると筋力が
おもりとなり、体重が軽い選手が有利になったりします。
場合によっては、敵同士だったチームが一時的に
手を組んだり、今まで仲間だと思っていたチームが
ライバルチームと手を組んだり・・・・
風向きや地形など自然を舞台に、選手間やチーム間の
人間くさい駆け引きが行われる点が自転車競技の
魅力となっています。
 
一人で練習しても強くはなれますが、
こうした駆け引きや空気抵抗を分け合うスキルなどの
実戦感覚は、練習相手がいないと磨かれません。
そのため、自転車競技を本格的にやろう、という
有志が集まって練習会を開くようになりました。
今も、基本的には同じスタイルで続いています。
健康のためのサイクリングではなく、あくまでも
競技のためのトレーニングを主眼に置いています。
 
発足は、なんとなく集まってできあがったので、
はっきりしていませんが、2008年には初期メンバーの
4名が練習会を開いていました。
今年になってスポンサーがついたり、
規約をつくったりと本格始動し、加盟選手は
25名まで増えています。
 
Q④ 具体的にどんな活動をしてきましたか?
 
九州を中心に大会に参加しています。
 
昨年は、壱岐・沖縄・広島などの大会で
勝たせてもらいました。今年の場合、
2月の大津HSR九州でチームタイムトライアル部門で
2位、個人1位を出しました。
 
4月の大分県オートポリスサーキット3時間耐久
レース第一戦では、ロードソロ部門で優勝者を出しました。
このときには副賞は有りませんでしたが、
6月の壱岐全域の公道を封鎖して開催されている
壱岐サイクルフェスティバルでチーム2位となり、
副賞のサザエ25個×選手5名=125個の
サザエバーベキュー大会を開きました。
壱岐のサザエは最高でした。
チーム員は、9割が社会人且つ妻帯者です。
※女性は一名だけいます。
仕事をしつつ、休日には家族との時間を確保しなければ
なりませんので、練習時間は大抵未明となります。
ここのところは、3時半起床の4時半集合~6or7時解散と
いったタイムスケジュールになっています。
この練習スケジュールは、県内の自転車愛好家のみならず
九州内の各チームからも非常識な練習時間だ、と
反応上々です。
 
Q⑤ これまでの活動の中で、
最も印象深いエピソードをお願いします。
 
やはり、朝錬だと思います。
冬場では、マイナス6度とかになります。
それでも走りますし、メンバーは集まります。
暗くて、冷たくて、痛くて、練習は辛いのですが、
真っ暗な金峰山を登っていたりすると、星の中に
飛び込むような錯覚を感じる時があります。
 
もちろん、ライトを点灯していますので、
路面はしっかりと確認できていますけれども。
朝錬で集まっているとき、やんちゃなお兄さんや
おねえさんを注意する警察官のお仕事ぶりを
見る時があります。
「早く帰りなさーい」と言われている若者を横目に、
私たちは朝錬を開始します。
仕事をする人、遊びに一生懸命な人・・・
その中でも私たちも趣味というある種の遊びに
一生懸命なんだなあ、と思うと、事故などで
警察や消防のご厄介にならないようにと
気を引きしめる時があります。
チーム員に消防士もいますし。
 
Q⑥ 今後の活動予定やPRしたいことなど
あれば教えてください。
 
未明の練習が中心ですが、お年寄りが散歩されている
ことが多く、熊本は元気な方がたくさんいるなあと
実感します。
と同時に、歩行者とは絶対に接触しないように、
積極的にあいつをしてお互いに存在を確認する機会を
つくり、後続メンバーに歩行者の存在を伝えるなど、
交通安全にも気をつけています。
 
散歩中の方から、今朝もがまだしとるねー、と
声援をもらうことがあります。
公道とは言え道路を使わせてもらっているうえ、
練習を認めてもらっていると思うと大変ありがたいです。
 
少しずつメンバーの実力も高まってきていますので、
将来的には日本一を決定する全日本選手権に選手を
送り込むことを目標にしています。
 
※自転車の全日本選手権は、サッカーの天皇杯に似て、
プロ・アマ関係なしの実力勝負です。
勝てば日本一。今年は6月に大分で開催され、
全日本チャンピオンとなった新城幸也プロは、
今年の世界最大の自転車レースである
ツールドフランスに参戦しています。
全日本選手権は、そういうトッププロとも
真剣勝負をさせてもらえる貴重な機会です。
 
熊本は阿蘇や天草をはじめ、人吉、水俣など、
地形的にもバリエーションに富んでいて、
自転車レースに向いている場所がたくさんあります。
 
大分、長崎、福岡、鹿児島、宮崎、佐賀、沖縄、
各県で公道を使用した大規模なレースが開かれて
いるのですが、熊本では単発的に開催されることは
あってもなかなか定着しないのが現状です。
 
今年、五木村で全日本選手権の前哨戦と言える
重要な大会が開かれたのは画期的と思います。
・・・・・が、自転車に限らず大会を幅広く
誘致することで熊本の魅力を
もっとアピールできると思います。
 
熊本城マラソンのように、阿蘇~熊本城
サイクルロードレースが開かれるなら、
全国から参加者が来ると思います。
せっかくの自然を生かし切れていないのが
とても残念です。
 
最近のブームで、競技用自転車を利用して、
通勤や通学などに利用している方が増えてきました。
自転車の魅力を理解される方が増えたのは
とてもうれしいことです。
 
ただ、ヘルメットをかぶっていない方が多く、
歩道を縫うように走ったり、道路の右側を走ったり、
なかにはヘッドホンをしたままとか、
携帯を触っている方を見ることがあります。
競技用自転車に限らず、自転車は車両ですし、
そもそも普通に走っても相当な速度が出ます。
歩行者と衝突した場合、相手に重大な怪我を
負わせてしまうことがあります。
 
先日も当時小学生5年生が起こした6年前の事故で、
被害者は現在も意識が戻らっておらず、
損害賠償で母親に1億円近い賠償命令が出ています。
自転車でも重大事故は発生します。
 
その点は大人も子供も学生も社会人も関係ありません。
道路交通法上も、自転車は、車道左側を走行するよう
定められています。
シェアザロード・・・道路を譲り合おう、
という考え方なんですが・・・・・
歩行者の安全を確保するためにも、
自転車は車道左側を走行し、ドライバーのみなさんにも
自転車の走行位置を確保していただきますよう
お願いしたいです。
 
今日は貴重な機会をいただきありがとうございました。
 
今回は、熊本有数の自転車チーム、「チームGINRIN熊本」の
中原裕章さんにチームの活動について伺いました。
 
中原さん、ありがとうございました。
 
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