「終戦のエンペラー」
毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。
今日ご紹介するのは、今週土曜日・7月27日から
公開されるハリウッド大作「終戦のエンペラー」です。
太平洋戦争の終結から68年。
日本では戦争の記憶の風化も問題になってきていますが、
ハリウッドでは、これまでとは違う新たな切り口で
日本と戦争を描いた映画が作られました。
それが今日ご紹介する「終戦のエンペラー」です。
これまで第2次大戦を題材にしたものといえば、
「パールハーバー」や「硫黄島からの手紙」など、
視点は違っても兵士達の戦いをメインにしていましたよね。
しかし、この「終戦のエンペラー」は、1945年の夏、
戦いが終わった直後の日本を舞台に描いているんです。
そのストーリーは・・・、
戦争が終わり、日本を統治するためにやってきた、
マッカーサー元帥。
彼は、日本文化に精通する部下ボナー・フェラーズに、
太平洋戦争の本当の責任者を探し出すという、
極秘任務を下します。
戦争を始めたのは本当は誰か、そして終わらせたのは誰か?
わずか10日間という期限の中、日本国民ですら
知らなかった事実を暴いていくボナー。
しかし最大の国家機密に近づいた時、
大きな壁が彼の前に立ちはだかります。
マッカーサー元帥を演じるのは、
缶コーヒーのコマーシャルの宇宙人ジョーンズ役で
おなじみのトミー・リー・ジョーンズ。
彼の部下ボナーには、人気ドラマ「LOST」の
マシュー・フォックスが扮しています。
また、西田敏行、中村雅俊、桃井かおりなど、
豪華な日本人のキャストの熱演も見ものですよ!
今回のような日本を題材にしたハリウッド映画が、
今後、次々と公開予定です。
今年9月公開の「ウルヴァリンSAMURAI」は
全編日本が舞台。忠臣蔵をベースにしたファンタジー
「47 RONIN」は、キアヌ・リーブスが主演。
浅野忠信、柴咲コウはじめ多数の日本人キャストが
出演します。
その他、「ダイハード」6作目も日本での撮影を
準備中ですし、ハリー・ポッターシリーズで人気の
ダニエル・ラドクリフが暴力団と戦う新聞記者を演じる
「TOKYO VICE」も2014年の制作が予定されています。
これには、実は裏話があって、ハリウッド映画が
なかなか日本でヒットしなくなった事情が
影響していると言われています。
現在の日本では、テレビ番組の映画化のような邦画が
ヒット作の中心。ハリウッド映画のヒット作が
少なくなっています。
そこでハリウッドの映画会社が考えついたのが、
日本人キャストの起用や日本を題材にした
映画の製作だったという訳です。
この「終戦のエンペラー」は、題材が「戦争責任」という
かなりデリケートな内容になっているので、
日本の映画会社ではなかなか実現が難しかったのも事実。
日米の豪華キャスト共演で終戦の舞台裏が描かれる
大作映画として、終戦68年の夏に公開されるのには、
大きな意味があるのではないでしょうか・・・・・。
戦後の日本の様子が迫力ある映像で描かれ、
人間ドラマとしても見ごたえのあるものになっています。
ハリウッドが戦後の日本をどう描いたのか、
是非、注目してご覧ください。
今日ご紹介した映画「終戦のエンペラー」は、
■TOHOシネマズ 光の森
■TOHOシネマズ はません
■TOHOシネマズ 宇城
■Denkikan
■シネプレックス熊本
■イオンシネマ熊本
で、今週土曜日・7月27日から公開されます。
「終戦のエンペラー」オフィシャルサイト