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「熊本県消費生活センター」

あらゆるジャンルの“注目の人”にインタビューする
「ヒューマン・ラボ」。
 
今日は熊本県 環境生活部 県民生活局 消費生活課 課長補佐の
三角登志美さんに、さまざまな消費者トラブルについて
お話を伺いました。

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Q ご出演の方のお名前と職業・所属を教えて下さい。
 
名前:三角 登志美
所属:熊本県 環境生活部 県民生活局 消費生活課
 
熊本県消費生活センターホームページ
Q「熊本県消費生活センター」の基本情報を教えて下さい。
 
熊本県消費生活センターは、水前寺6丁目にある
熊本県庁新館の4階にあり、消費者の皆様方、
また、市町村の消費生活相談窓口等からの御相談に
対応をしています。
 
相談時間は、祝日・年末年始を除く
月曜日~金曜日の午前9時から午後5時までです。
 
 [相談電話] 096-383-0999
 
 
Q「熊本県消費生活センター」とは、
相談するところというイメージはあるのですが、
具体的にどんな仕事をしているところですか?
また相談に当たっての注意点はありますか。
 
消費生活センターは、消費者の消費生活における被害を防止し、
その安全を確保するために消費生活相談、あっせん、
情報提供等を行っている行政機関です。
 
県内には、現在、県及び各14市に消費生活センターが
設置されています。加えて、消費生活相談を受ける窓口が
各町村に設置されています。
 
消費生活センター・相談窓口では、悪質商法被害・
消費者トラブル、借金・多重債務問題、製品の不具合や
製品事故、賃貸借契約のトラブル等、大変幅広い
御相談を受けております。
 
なお、消費生活センターに相談するときには、
事業者との間の契約書、領収書、パンフレット、
保証書などの関係資料等を用意していただく方が
スムーズに相談できます。
 
御相談は、お住まいの市町村か、県消費生活センターで
受けており、電話でも窓口に直接来ていただいても結構です。
なお、各自治体の電話番号・相談受付曜日・時間等に
ついては、熊本県消費生活センターホームページに
掲載しておりますので、御確認ください。
 
Q「熊本県消費生活センター」には、さまざまな
消費者トラブルの相談があると思いますが、
最近増加している特徴的なものがあれば教えてください。
 
最近の相談で多いのは、パソコンや携帯電話等に
身に覚えがない請求がくるインターネット関係
トラブル・健康食品の送り付けトラブル・
多重債務問題等です。
 
特に昨年度末くらいから急増したのが、
健康食品の送りつけ商法です。
これは、
①以前に注文した健康食品を送るとの電話があります。
②注文していないことを告げると、受け取らないと
裁判を起こすと脅したり、3か月分のうち1か月分だけ
でも受け取ってほしいと強引に勧誘を勧めたりしています。
③また、長時間電話勧誘を続けることで相談者を
根負けさせ、仕方なく1か月分だけを購入させるような
ケースもみられます。
この相談は、今年度に入って急増しています。
昨年度1年間の相談件数が101件ですが、この4月から
6月の相談件数が139件で、昨年度一年間分を超えています。
なお、高齢者が対象となっていることが多く、
家族や地域が、高齢者が消費者被害に遭わないように
するための取組も必要となっています。
 
具体的な相談事例は次の通りです。
 
相談事例1
以前、私が注文した健康食品を送るという電話があった。
会社名は聞き取れなかった。
健康食品は関節に効くものだと言う。
注文した覚えはないと言うと、住所や名前が記載された
注文票があるので、確かに注文を受けているという。
再度、注文した覚えはないと言うと、注文した物を
受け取らないのは許されない等と強引に言う。
注文していないので受け取らないときっぱりと言うと、
「送らないようにするが、ブラックリストに登録されるので、
今後どこの健康食品会社への注文もできない。」と
言われた。(70代 女性) 
 
相談事例2
3日前に突然電話があり、健康食品を代引き配達で
送付すると言われた。注文した覚えがないと断ったが、
注文した記録があると言われたので、
受け取ってみると言って切った。
今日、代引き配達で商品が届いたので、
お金を払って受け取った。
包装を開封したが、注文した覚えがない。
(70代 女性)
 
相談事例3
宅配業者が、代引きと言って健康食品を届けに来た。
頼んだ覚えがなかったので受け取らなかった。
午後になって知らない男性から電話があり、
「3月に注文している。受け取らなかったら裁判にするぞ。
何回でも呼び出すぞ。」等と強引な口調で言われた。
(80代 男性) 
 
消費者へのアドバイス は次の通りです。
 
◎代引配達で届くとの電話があった場合は、
注文をしていなければ、注文していないことを主張する。
 
◎家族が注文した商品かどうか確認する。
 
◎誰も注文していない商品であれば、
配達時に受け取り拒否を行い、絶対に代金を支払わない。
その際に事業者の情報(住所・連絡先など)をメモしておく。
 
◎健康食品に限らず様々な商品を送りつけてくる
ケースも考えられるので、日ごろから家族内で
情報交換をしておく。
 
◎一度支払った代金を取り戻すことは非常に困難なので、
安易にお金を支払わないようにしましょう。
代引配達で商品を受け取り、お金を払ってしまった後では
運送業者にキャンセルを求めても応じてもらえません。
キャンセルをする場合は必ず受取拒否をしましょう。
 
◎脅迫的な勧誘があった場合には、業者の情報などを
できるだけ聞き取って警察に相談しましょう。
 
Q 各種の詐欺的商法が最近問題になっていますが、
熊本県での実態はどうですか?
また、わたしたち消費者が注意すべき点などありますか?
 
平成24年度に県消費生活センターに寄せられた
相談のうちには、出会いサイトや、いわゆる
サクラサイトに関する相談が多数あります。
 
いわゆるサクラサイトとは、「お金をあげる」
「有名人の悩みを聞いて欲しい」
「無料で出会える」などと誘われ、メール交換などで
有料ポイント代を払わせる手口です。
熊本県消費生活センターには、
「サイトに有料ポイント代を支払ってしまった。」との
相談が寄せられています。
理由は様々ですが、巧妙に有料なサイトに誘い、
メールを読む、またはメールを交換するなどの名目で
有料ポイントを購入させるものです。
 
出会い系サイトやサクラサイトに関する
具体的な相談事例は次の通りです。
 
相談事例1 
出会い系サイトに入り、相手とやり取りしていたが、
20万円使っても相手と会えなかった。
サイトから「限定プランを試しませんか?」と言われ、
一度は承諾したものの、400万円と高額だったので、
やっぱり止めることにした。止めることをサイトに
伝えたところ、「相手は貴方の10倍以上の金額を
既に使っている。清算して請求する。」と強く言われ、
250万円請求された。
また、『刑事民事を問わず法的手続きをとらない。』と
書いてある合意書に記名押印を求められた。
仕方なく、合意書に記名押印し、250万円を支払った。
 
相談事例2 
「余生が短く、遺産を残したい相手もいないので
5千万円を差し上げます。」というメールが携帯に入った。
相手の連絡先を手に入れるためは、ポイントを購入する
必要があったので、銀行振込やコンビニの電子マネーなどで
20万円ほど支払い、ポイントを使ったが、
文字化けなどして連絡先を受け取ることはできなかった。
その後も「何故受け取らないのか。貴方は鬼なのか。」などの
メールが送られてくる。どうしたらいいか。
 
相談事例3 
スマートフォンで曲をダウンロードしていたら、
「1等100万円、2等50万円、3等25万円」と
書いてある広告が目に止まり、「応募する」をクリックした。
その後「3等25万円が当選した。
渡す為に5千円のポイントを購入して下さい」と
メールが来たので、相手口座に自分の口座から
お金を振り込んだが、結局賞金は貰えなかった。
その後、たくさんの同じようなメールが
届くようになったが、信用できるか。
 
消費者へのアドバイスは次の通りです。
 
◎知らない人からのメールやメッセージに安易に
返信しないようにしましょう。
 
◎不審なメールが執拗に届いたら、
迷惑メール防止手続きやアドレスを変更しましょう。
 
◎知らない人からのメールで
「お金をもらってください。」
「必ず後で支払うから立て替えておいて欲しい。」は、
サクラの可能性が高く、手数料を支払ったとしても、
お金がもらえたり、相手から立て替えたお金が戻って
きたりすることはありません。
 
◎おかしいなと思ったら、
すぐにポイントの購入を止めてください。
 
◎相手とのメールのやり取りや支払いなどについて、
メールや写真などで記録し、消費生活センターへ
相談してください。
 
◎うまいもうけ話には注意しましょう。
支払ったお金を取り戻すことは非常に難しいため、
支払う前に相談しましょう。
 
Q 最近は、また新たな詐欺的商法があるのですか?
熊本県の実態はどうですか?
また、わたしたち消費者が注意すべき点などありますか?
 
消費者に「宝くじの当選番号を事前に教える」という電話や
メールがあり、その情報と引き替えに情報提供料を
支払うよう求められる相談が寄せられています。
 
具体的な相談事例は次の通りです。
 
相談事例1
知らない番号から電話があり、
「宝くじ(ロト6)の当選番号を教える。
本当に当選しているかどうかは翌日の新聞を見て
もらえば分かる。1ヶ月間は無料だが、
15000円で契約しないか。」と言われた。
翌日の新聞を見ると確かに当選した番号だった。
                   
相談事例2
ある会社名を名乗って「宝くじに興味があるか。
必ず当たる番号がある」と電話があった。
「自分たちは関係者なので購入できない。
限定で情報を活用してくれる人に案内している。
IDを取得しておくので、また連絡してくれ。」と
言われた。信用できるのか。
 
消費者へのアドバイスとしては、次の通りです。
 
◎数字選択式の宝くじ(ロト6等)は、
電動の機械を使用し抽選を行っています。
事前に当選番号を予想することは不可能です。
 
◎電話やメール、手紙等がきても無視しましょう。
 
◎うまいもうけ話には注意しましょう。
支払ったお金を取り戻すことは非常に難しいため、
支払う前に相談しましょう。
 
ご相談いただいた方の中には、実際に、
500万円前後のお金を払っている方が何人も
いらっしゃいます。
宝くじ(ロト6)は、抽選直後にインターネット上で
当選番号が確認できますが、そのことを知らない人から
すれば、事前に当選番号を知り得たように
見えることを利用している場合もあります。
当選番号を予想することは不可能です。
絶対に信用してはいけません。
 
Q 熊本県民にPRしたいことなどあれば教えてください。
 
消費者トラブルは、次々に新しい手口が発生しています。
「あれっ、変だな?」と思ったら、まずは相談をしてください。
また、高齢者等のいわゆる生活弱者の消費者被害が
深刻になっています。
平成24年度に県消費生活センターに寄せられた相談で
いうと、契約当事者の年代別の割合は、
年齢が高くなるごとに増加しており、70歳代以上が、
全体の17.5%と最も多くなっています。
 
さらに1,000万円以上の高額な既払いのある相談者の
年代別の割合では、60歳以上の人が約半数です。
特に、「投資・運用・出資等」に係る高額既払い
(1,000万円以上)がある相談者のうち、
60歳以上は全体の62%にも上っています。
 
このような高齢者の消費者被害の早期救済や
未然防止を図るためには、高齢者を地域で
見守るための活動が必要です。
 
地域でボランティア活動をしている皆様方や
福祉関係に従事している方々が、
「あれっ、どうしたのかな?」と思ったら、
是非、市町村消費者行政担当部局や
県消費生活センターに御相談ください。
 
地域全体で消費者力をアップして、県民全体で
安全・安心なくらしを実現していきましょう。
 
今日は熊本県 環境生活部 県民生活局 消費生活課 課長補佐の
三角登志美さんに、さまざまな消費者トラブルについて
お話を伺いました。
 
三角さん、ありがとうございました。
 
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