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『リストランテ・ミヤモト』 宮本けんしんさん

おいしい食べ物は人を元気にします。
おいしいものをおいしい季節に食べたいですね。
 
このコーナー『やさしいごはん』では毎回、
季節にぴったりの食に関する話題をお届けしていきます。
 
5週目の今日はスペシャル・ゲスト・バージョン。
今日のゲストは、『リストランテ・ミヤモト』
宮本けんしんさんです。

IMG_2162.JPG
 
Q① お名前を教えてください。
 
(お名前)宮本けんしん
 
Q②「リストランテ・ミヤモト」の基本情報を教えてください。
 
熊本市中央区辛島町6-15
クマモトイタリー亭ビル 1階
096-356-5070
営業時間 
11時半~13時45分
18時~21時
http://www.ristorantemiyamoto.com/
火曜日休
 
Q③ 出演者の方のプロフィールを教えてください。
 
宮本けんしん
1975年6月9日生まれ 山鹿市出身
熊本マリスト学園高卒                                                             
19歳で渡伊 「ラ・テンダ・ロッサ」
「ラ・シリオラ」「ヴィッラ・ロンカッリ」などの
イタリアを代表する名店で修業。27歳で帰国。
31歳で「リストランテ・ミヤモト」をオープン。
 
・2011年 第2回農林水産省
料理人顕彰制度「料理マスターズ」
 
・2012年
第52回 熊本県農業コンクール大会「農業貢献賞」
・2012年 熊本日日新聞社創立70周年記念
懸賞論文「熊本グランドデザイン」に
おいて、自身の論文「100年後の未来に繋がる
食の大地・ 熊本構想」が優秀賞受賞。
 
(執筆)
熊本日日新聞社の毎週月曜日朝刊に「ひご百果菜」を連載中。
 
(公職)
・くまもと誘友大使
・「食の大地くまもと」世界農業遺産推進研究会 代表
・「阿蘇地域世界農業遺産推進協議会」委員
・「くまもとジビエ研究会」アドバイザー
・熊本県食農ネットワーク運営委員
・熊本県観光審議会審議員 
 
Q④ 宮本さんは、阿蘇の「世界農業遺産」への
登録のきっかけをつくった方だそうですが、
これまでのいきさつなどありましたら教えてください。
 
2年前に全国テレビのニュースで能登と佐渡が
世界農業遺産になったというニュースを知りました。
それで、農業遺産ってあるんだと興味がわいて研究しました。
10年間、熊本の食材と向き合ってきて、
たくさんの農家の皆さんにお世話になり、
何かしら自分に恩返しができないだろうか?と
考えていました。 
農業遺産は生産者の方の誇りと元気を取り戻す
きっかけになるのではないかと思い、活動を始めました。
活動を始め、いろんな方に相談して、進めていましたが、
何かしらショッキングな形で、この構想を発表できないかと
思い、考えていたところ、熊日が創立70周年記念で
公募論文「熊本グランドデザイン」を募集していたので
「これだ!」と思い、応募したら、優秀賞を頂きました。
これがきっかけで、世に知られるようになり、
すぐに行動を起こしました。国連大学や県との連携、
自身が代表の勉強会なども開いていきました。
 
Q⑤「農業遺産」に登録された阿蘇は、
今後何を目指していくのでしょうか?
また宮本さんはどうかかわっていくのでしょうか?
 
まずは何よりもGIAHSの意義をもっと阿蘇の皆さん、
県民の皆さんに知って頂くことが重要でしょう。
なぜ阿蘇がGIAHSになったのか?
GIAHSとはなんなんだろうということ。
そして、これからの時代において、持続可能な社会や
農業を営む上でのGIAHSの重要性、
世界にこれからもっと広がっていくGIAHSを
知って頂く必要があります。
その上に立って、いろんな政策や行動を考える
必要があると思います。
 
GIAHSは「遺産」と書いてありますが、
GIAHSの正式名称は「世界重要農業遺産システム」と
あるとおり、「システム」
つまり、「営み」なのです。
「生ける遺産」なのです。

阿蘇がGIAHSに認定されたのは「草」という
資源が何千年にもわたり、水資源や景観などの
環境も含め活用されてきたからです。
これだけ多様な農業に一つの資源が生かされている、
また残っている地域は世界にもごくわずかです。
大事な根本を阿蘇の人たちだけでなく、
その恩恵をもっとも受けている私たち熊本市民も
考えていかなければなりません。

「都市と農村の連携」という、もう一つの大事な
キーワードがあります。
このように基本的な部分を理解したうえで、
取り組まなくてはなりません。
単なる一過性のブランド化ではなく、
阿蘇の草原が守られるようなブランド化が
必要になってくると思います。

たとえば、阿蘇では草を刈って、堆肥を作ります。
これを「野草堆肥」と言います。
これを活用したお米の認証制度などは
良いと思っております。
草を活用した農産物を食べることで、消費が増えれば
農家の方の所得も増える。消費が増えれば、
採草するための人手が必要になり、雇用が増える。
 
そして、阿蘇地域での認証制登録店舗なども募り、
阿蘇地域の登録に参加する飲食店、旅館などには
特別価格で提供し、まずは地元での消費を増やす。
阿蘇のコメを提供することにより、、
観光客の皆さんも喜ぶ、といった地域内での食の循環が
大切になってくると思います。
 
また私の持論であるヨーロッパなどの「原産地呼称法」
などもよいでしょう。私もイタリアでの長い生活体験を
生かし、できる限りのサポートをしていきたいと思います。
述べたような政策の提案や東京での活動も増えて
きましたし、その際も必ずGIAHSの話をしておりますが、
そうやってPR活動、また地元の若手農家さんたちと
の意見交換や勉強会などもやっていきたいと考えています。
 
Q⑥ これまでの活動を通じて、
印象的なエピソードなどあれば教えてください。
 
もっとも衝撃的なのは、やはり昨年の「九州北部豪雨」です。

3日後に炊き出しに行きました。

翌日にシンポジウムもする予定だったので、
もうダメかなと思いましたが、阿蘇の皆さんに助けられました。

もう一つは、今年2月にFAOの視察があり、
それがあまり芳しいものではなかったときに、
阿蘇の若手農家の皆さんが立ち上がってくれて、
機運を盛り上げようとシンポジウムや勉強会を開催して
くれました。その際に彼らが、同席していた行政の方々に、
「阿蘇に知事を呼んでください!知事は阿蘇を
どうしたいのか?夢を語ってほしい!」と訴えてくれました。
 
もう僕は感動しました。それが現実になり、
4月に知事が阿蘇で2か所、講演してくださり、
2会場とも満席でした!そして、挽回すべく小野副知事、
南阿蘇の農家の大津愛梨さん、僕とでローマにある
FAOの本部でプレゼンをし、大変好評でした。
 
Q⑦ 話はかわりますが、宮本さんのお店
「リストランテ・ミヤモト」についてお聞かせください。
お店のセールス・ポイント
(熊本の食材を使っているなど・・・・)があれば、
具体的にお願いします。
 
とにかく、熊本の食材を大事にしていることです。
生産者の方々とつながり、今の旬の食材を
提供するように心がけています。
 
Q⑧ なにかPRしたいことなどあれば、お願いします。
 
当店はお昼は辛島町というビジネス街にあるので、
ランチはカジュアルなものをしていますが、
ディナーではお皿の上で熊本を旅して頂けるように
心がけて料理を作っています。

またアルチザンクラブという生産者と料理人を
繋ぐ会もやってます。
興味があられる方は是非、お電話ください。
 
やさしいごはん スペシャル・ゲスト・バージョン。
今日のゲストは、『リストランテ・ミヤモト』の
宮本けんしんさんでした。
 
宮本さんありがとうございました。
 
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