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「シンコー株式会社」

企業にまつわる気になる疑問を解決する「会社のヒミツ」。
作務衣などを扱う「bon.」ブランドがヒット中の
「シンコー株式会社」のヒミツに迫ります。
 
お話を伺ったのは、シンコー株式会社
代表取締役 岩瀬茂揮さんです。
 
シンコー株式会社は、
大正7年創業の染料販売店です。
 
「染料」というのは衣類を染める「染め粉」のことです。
事業部は 染料事業部 ・ 接着剤事業部 の2部門です。
染料事業部では広島県福山市近辺の染色加工場に
染料・工業薬品を販売しています。
染料事業部の主力商品はデニム用の黒色染料です。
 
また染料事業部の下部組織のWebユニットでは
Webを利用して全国に染料を販売しています。
Webユニットには一般消費者向けの染色キット
「そめそめキット」というオリジナル商品や
「染め直しサービス」など新しい事業展開も行っています。
 
接着剤事業部は家具、建材メーカーに
接着剤・研磨材を販売しています。
bon.は接着剤事業部の下部組織に当たります。
 
Q 「シンコー」という社名の由来を教えて下さい。
 
「振興」をカタカナにしたものです。
昭和47年に株式会社化するにあたって社名変更しました。
もともとは「岩瀬商店」という名前でした。
 
Q 「シンコー」では、作務衣などを扱う「bon.」ブランドが
ヒット中とのことですが、このブランドは、
いつごろどんなきっかけで開発されたものですか?
 
2009年にご近所のおしゃれな和尚さんに
絡子を染め直してほしいとお願いされたのがきっかけです。
 
※絡子(らくす)・・・
禅宗の和尚さんが身に着ける前掛けのようなもの 
                 
その絡子をド派手なオレンジに染めたところ、
その和尚様と非常に盛り上がり、次にポケット付の
絡子を開発、作成しギフトとして全国のお寺に配りました。
 
そこから和尚さん同士の集まりで、
「変わったものもってるね」というように口コミで
広がっていき結果的に全国の和尚様から、
こんな作業着やバッグが欲しいなど様々なニーズが
耳に入ってくるようになりました。
 
そのため皆様のご期待に添うべく
2012年にブランド化に至りました。
 
Q このブランドの開発のポイントを教えてください。
 
企画・設計の段階から和尚様と職人が参加し、
アイデアを出し合いながらアイテムは制作されています。
 
なので、和尚様発のカジュアル「オショカジ」なのです。
もちろん100%国産です。
 
そして今年の1月を境に一般層、
メディアからの反響が激増しています。
 
それはホームページと商品を
一部リニューアルしたためです。
そのために『コンセプトの見直し』と
『ターゲットをより絞ること』に注力しました。
 
まず、コンセプトは旧ホームページはあまりにも
寺院寄りで一般受けしなかったため、法衣っぽいものは
全て無くし、『オショカジ』と『Wear For Beter Japan 』と
いう言葉を前面に出しました。
 
写真も寺院風な背景はなるべく取り払い、
あくまでカジュアルに統一しました。
 
また、ターゲットについては「『和尚様全般』という
ぼんやりしたターゲットではなく、
『カジュアルっぽいものが好きな和尚様』と
『和尚様が着るカジュアルが好きな一般層』に。
よりニッチにターゲットを絞り直しました。
 
結果、それまでは5000にも満たなかったPV数は、
リニューアルした途端いきなり2万超え!
ビックリしました。
 
Q「bon.」ブランドのネーミングの由来を教えてください。
 
「bon.」は、サンスクリット語の“梵(ぼん)”に由来し、
「円満」「幸あれ」といった意味があります。
 
Q「bon.」ブランドは、僧侶関係者以外にも
人気だそうですがどんな方々が購入されていますか?
 
20~40代の一般男性や陶芸家、図書館の館長といった方々や
またユニフォームとして山梨県の旅館、東京のヘッドスパ、
マッサージの治療院でもお使いいただいています。
 
ボンチョや格子柄頭陀袋は女性からも
ご購入いただいています。
 
Q「bon.」ブランドには、どんな商品がありますか?
人気商品など詳しく教えてください。
 
・ラグラン作務衣(さむえ)
・添水作務衣(そうずさむえ)
・デニム頭陀袋(ずだぶくろ)
・ザツノウ頭陀袋 ―夏― の4点をご紹介します。
 
ラグラン作務衣は「シワ」になりにくい
作務衣が欲しいという
和尚様の声を聞き、逆の発想で最初からしわが
気にならないようにシワ加工した作務衣です。
シルエットはラグランスリーブになっており動きやすく
機能的になっています。上下セットで27,300円(税込)です。
 
添水作務衣は作業中に首がやけない工夫が欲しいという
和尚様の声を聞き、フードを取り付けました。
フード、ヒジ、ヒザの切り替え部分はファスナーで
取り外しができるビックリ仕様です。
bon.商品の中で一番売れている作務衣です。
上下セットで27,300円(税込)です
 
デニム頭陀袋は破けにくい丈夫な頭陀袋が欲しいという
和尚様の声を聞き、開発した地元の素材を結集した
頭陀袋です。
本体には世界的に有名なカイハラデニムを使用し、
側面には畳の縁素材で和テイストを演出しています。
付属の木環、ヒモも地元産です。18,900円(税込)
 
ザツノウ頭陀袋 ―夏― は四季に応じて使える
季節感のある手軽な頭陀袋が欲しいという
和尚様の声をもとに開発しました。
夏バージョンには本体に尾道帆布を使用し、
フタ部分には涼しげなダンガリー生地を使用しています。
今後、秋、冬、春バージョンも素材や
雰囲気を変えて発売予定です。13,650円(税込)
 
Q そのほか「シンコー」の商品に関する
なにか面白いエピソードなどあればお願いします。
 
bon,の商品開発にあたって当初はどこまでが
セーフでどこからがタブーなのかわからず、
おもいきって絡子に「ドクロ柄」、「迷彩柄」、
「ヒョウ柄」を使用したところ和尚様たちに
思いっきりヒカれました。
 
ただこのことによって野球でたとえると
ボールゾーンがはっきりしてストライクゾーンが
なんとなく把握できました。
 
Q そのほか、オススメのサービス、キャンペーンなど
PRしたい案件があればお願いします。
 
オショカジをただの商品の販売で終わらせては
いけないと思っています。
 
商品を通して和尚様と一般の若い人がふれあい
お寺発のワクワクするコンテンツも提供できる
ブランドになることを目指しています。
そのためにも今後、イベント・チャリティーを
毎年行っていきますので
オショカジを温かく見守ってください。
 
また8月1日に「シンコーショールーム」が
完成いたしました。
広島県福山市という地方ですが福山駅にほど
近い場所にありますので
「オショカジ」・「シンコー」にご興味がある方は
是非お立ち寄りください。
営業日(月)~(金)9:00~18:00です。
土日祝日は休業日です。お待ちしております。
 
今日お話を伺ったのは、シンコー株式会社
代表取締役 岩瀬茂揮さんでした。
 
岩瀬さん、ありがとうございました。
 
シンコー株式会社 オフィシャルサイト
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