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「株式会社 小松製作所」

企業にまつわる気になる疑問を解決する「会社のヒミツ」。
今日は「株式会社 小松製作所」のヒミツに迫ります。
 
コマツはブルドーザーや油圧ショベル、ダンプトラック、
ホイールローダーなどの建設機械の開発・生産・
販売をしています。
 
また建設機械の他、大型プレスなどの産業機械も
生産しています。1955年に初めて建設機械を輸出して以来、
積極的に海外進出をすすめてきた会社です。
 
売上高の8割は海外売上げ、従業員の約6割は外国人、
建設機械の工場は海外に30拠点、国内に12拠点がある、
日本国籍のグローバル企業です。
 
お話を伺ったのは、「株式会社 小松製作所」
コーポレートコミュニケーション部広報グループ 主幹
渡辺晃利さんです。
 
Q「KOMATSU」という社名の由来を教えて下さい。
 
当社の会社名は、創業の地である石川県小松市に由来しています。
登記上の正式名称は「株式会社小松製作所」ですが、
通常呼称で「コマツ」を使用しています。また、当社は、
竹内明太郎という吉田茂元首相の実兄が創業者です。
1921年に創業したので、現在92歳です。

この発祥の地には、創業以来、自動車などのボディをつくる
大型プレスなどの産業機械を生産する「小松工場」がありましたが、
輸出に便利な金沢港に隣接している金沢工場を新設し、
そちらに移管することになり、現在工場跡地には創業90周年を
記念して「こまつの杜」というコマツグループのグローバルな
人材育成と、地域社会と一緒に子供たちを育む場所として
再生しました。

「こまつの杜」には「930E」という当社の
超大型ダンプトラックの展示や、お子さま向けに当社の機械の
技術を紹介する施設「わくわくコマツ館」などがございます。

展示してある超大型ダンプトラックはタイヤの直径は4メートル、
約300トンの積荷を運べる世界最大級のダンプトラックです。
日本では小松駅前にあるコマツの杜でしか見ることが出来ないので、
お近くにお越しの際にはぜひおこしください。
 
Q 「KOMATSU」は、国産初の「ブルドーザー」を
開発した会社だそうですが、この製品は、
いつごろどんなきっかけで開発されたものですか?
 
当社のブルドーザーG40(小松1型均土機)が、
国産初のブルドーザーです。第二次世界大戦中、
空港基地建設などの目的で、国から生産要請があり、
これに応えるため、すでに開発・製造していた
ガソリン機関トラクターに、土を押すためのブレードを
装着するという改造により、
1943年(昭和18年)に誕生しました。
 
当時ブルドーザーのブレードは、米国製でも
ケーブル式が主流でしたが、コマツは油圧方式を
採用していた点が、非常に画期的でした。
このG40は終戦までに約200台が生産しましたが、
現存するのはたった1台です。
 
この1台は戦中フィリピンで稼働し、終戦後、
米国の接収で海中に投棄されたが、のちに引き揚げられ、
オーストラリアの農場で使用されていたものです。
1979(昭和54)年に発見され、35年ぶりに祖国である
日本に帰還し、2007年には日本機械学会の
「機械遺産」に認定されました。
現在、コマツの建設機械のショールームである
コマツテクノセンタ(静岡県)で展示しています。
 
Q そのほか「KOMATSU」の製品に関する
なにか面白いエピソードなどあればお願いします。
 
当社は、2008年に世界で初めて無人ダンプトラックを市場導入しました。
この無人ダンプトラック運行システムは、現在チリとオーストラリアの
2箇所の大規模鉱山で稼動しており、お客さまの安全性と生産性の
向上に貢献しています。
当社のCMでご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。

大規模な鉱山は複雑な地形が多く、衝突、転落、落石などの
危険がたくさん潜んでおり、機械を運転するオペレーターの負担が
大きく危険です。無人化することにより人に対する負担やコスト、
燃料、タイヤの消耗などが節約できる、人と地球に優しいシステムです。

このほかにも、最先端のICTを活用した世界初の全自動ブレード制御の
ICTブルドーザーなど、お客さまの現場をお客さまとともに革新し、
新しい価値を創造する「イノベーション」を起こしていきます。
 
Q 「KOMATSU」というと松井秀喜選手を
イメージキャラクターに使った広告が印象的ですが、
どんなきっかけで松井選手を起用することに
なったのですか?また、松井選手の広告関係の
エピソードなどあればお願いします。
 
松井秀喜選手には、メジャーデビューした
2003年から10年間、当社のイメージキャラクターを
つとめて頂きました。
世界を舞台にチャレンジする松井選手の姿が、
グローバルに事業を展開する当社の方向性と一致
したからです。
 
松井選手の出身地、石川県能美市はコマツ発祥の地で
ある小松市に隣接し、松井選手のおじいさん、
おとうさんも二代にわたってコマツに勤務されていたと
いう縁もあり、コマツグループを挙げて応援してきました。
イメージキャラクターに就任頂いている間、
最も印象に残っているのは、2003年4月14日、
対ブルージェイズ戦6回に松井選手が放った
推定140メートルの特大決勝3ランが
ヤンキーススタジアムのアッパーデッキに掲出した
コマツの看板の真上に飛び込んだことです。
 
当時国内外のメディアでも大きく報道され、
大変話題を呼びました。また毎年シーズンオフには
コマツの事業所を訪問して頂きました。
各事業所での従業員との交流も、
夫々の従業員にとって大変よい思い出になっています。
 
Q そのほか、オススメのサービス、キャンペーンなど
PRしたい案件があればお願いします。
 
当社は2008年に世界で初めて建設機械のハイブリッド車を
市場導入しました。自動車のハイブリッド車は
走っている車が減速する時のエネルギーを回生しますが、
油圧ショベルの場合は走行ではなく、作業のために車体を
旋回させて減速する時に発生するエネルギーを
回生しています。回生したエネルギーを
電気エネルギーに変換し、キャパシターと呼ばれる
蓄電器に蓄え、これを発電機モーターを通じて
エンジン加速時の補助エネルギーとして活用するのです。
 
この当社独自の「コマツ・ハイブリッド・システム」により、
通常型「PC200-8」と比較して約25%の燃費低減、
CO2削減を実現しました。
また日本国内での導入台数は2012年12月で累計導入
1000台を達成し、海外でも北米、中国、中南米、
東南アジア、欧州などへ導入しています。
 
また日本国内では、今年10月1日より、オフロード法
2011年基準に適合し、燃費をさらに5%削減した、
ハイブリット油圧ショベル「HB205-2」の販売を
予定しています。当社はこれからも建設機械の
リーディングカンパニーとして、地球環境負荷低減の
ための車を、具体的に提案することにより、
時代の要請に応えていきたいと考えています。

建設機械はなかなか一般の皆さまにはなじみがないものですが、
今回を機会に建設機械、コマツのことを知っていただければと
思います。詳しいことは当社のHPをチェックしてみてください。
よろしくお願いいたします。
 
株式会社 小松製作所 オフィシャルサイト
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