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「ベイビー大丈夫かっ BEATCHILD 1987」

毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。
 
今日ご紹介するのは、
10月26日土曜日から公開される音楽ドキュメンタリー映画
「ベイビー大丈夫かっBEATCHILD 1987」です。
 
「BEATCHILD」と聞いて、
懐かしく思う方も多いんじゃないでしょうか?
「BEATCHILD」は、1987年8月22日から23日にかけて、
南阿蘇村の野外劇場・アスペクタで開催された、
オールナイトの野外ライブです。

出演したアーティストは、佐野元春、BOΦWY、HOUNDDOG、
ザ・ブルーハーツ、尾崎豊、渡辺美里、岡村靖幸、
白井貴子、REDWARRIORS、THESTREETSLIDERSなどなど、
総勢13組。
 
今でこそ、日本各地で夏フェスが行われていますが、
当時は、絶大な人気を誇る大物ミュージシャンを
一つのステージで見られる機会は滅多になく、
大変な話題になりました。

阿蘇の、あのアスペクタになんと全国から7万2千人の観客が
押し寄せたんです。

当時の広告のコピーは、「一生に一度のチャンス」でした。
7万の観客が、その一生に一度のライブを見るために、
アスペクタに集まって来たのです。
 
さらに、この「BEATCHILD」を伝説化したのが、当日の天候。
イベントが始まった当初は晴れていたものの、
次第に雨が降り始め、やがて雷を伴う豪雨になりました。
出演アーティストも観客もずぶ濡れとなり、寒さで体調を崩す人が続出。
ステージ上も雨による機材トラブルが起こるなど、
観客にとっても出演者にとっても過酷な一夜となったんです。
 
この「史上最低で、最高のロックフェス」と語り継がれる
「BEATCHILD」を映画化したのが、
この映画「ベイビー大丈夫かっBEATCHILD 1987」です。
 
最初この映画の実現には、いくつものハードルがあったといいます。
大量の映像をどう編集するのか、楽曲の権利関係の処理だけでも
大変な作業だったと聞きます。

なにより、一番の問題は、劇場の音響に耐えうるサウンドでした。
「伝説の一夜」の熱気をキチンとしたサウンドで観客に届けたい
というスタッフの熱い想いが伝わったのか、
今年、録音状態のいいライブ音源が見つかり、
26年後にして映像化が実現しました!

音楽監督として、映画の音のミックス・ダウンを行ったのは、
BOΦWY、ザ・ブルーハーツのプロデューサーもつとめた
佐久間正英。

当時のアーティストの生の音を知る佐久間さんが
音の責任を持つということで、参加アーティストのゴーサインが
得られたということです。

映画では、ライブ映像だけでなく、観客やスタッフの姿、
関係者のインタビューなどが盛り込まれ、
当時の様子や熱気を感じることができます。
 
豪雨の中で歌うアーティストたちのライブも凄いんですが、
映画のクライマックスで映るズブ濡れの観客たちの映像が感動的です。
もし、当時アスペクタに行った人は映像に写っているかもしれませんよ。
当時は厳しい体験だったかもしれませんが、
あの場所で「BEATCHILD」を見たという経験は
一生の宝になっているんじゃないでしょうか?

いまはお父さんやお母さんになっている人たちが、
子供たちと一緒にこの映画を見るなんて素敵じゃないですか?
 
またこの映画は、DVD化や放送、配信などは一切されず、
劇場のみの公開となります。
その日、その時だけの体験は、まさにライブ!
ぜひ、劇場で実際に確かめてください!
 
今日ご紹介した映画
「ベイビー大丈夫かっBEATCHILD 1987」は、
■TOHOシネマズ光の森
■TOHOシネマズはません
■TOHOシネマズ宇城
■イオンシネマ熊本
で、10月26日・土曜日から公開されます。
 
「ベイビー大丈夫かっBEATCHILD 1987」
オフィシャルサイト http://www.beatchild.jp/

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