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ワーキングユニット・ジャパン株式会社

企業にまつわる気になる疑問を解決する「会社のヒミツ」。
今日は、ゴムバンドがついた黒いノートブックでおなじみ
「モレスキン」のヒミツに迫ります。

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モレスキンの日本での代理店業務を行っているのは、
「ワーキングユニット・ジャパン株式会社」です。
 
「ワーキングユニット・ジャパン株式会社」は、
2003年に「カファ有限会社」として設立。
 
今年2013年に組織変更を行い、それに伴い社名を
「ワーキングユニット・ジャパン株式会社」に
改称しました。
2005年よりモレスキンの書店担当総輸入元、
2008年より日本総輸入代理店を担っています。
 
現在、モレスキンを含む5つの輸入ブランドの
日本市場の代理店業務を行っています。
ブランドのイメージやアイデンティティのコントロール
・価値向上を得意としており、ブランドの
パートナーとして、各ブランドに適した流通と
マーケティングを企画・提案・実施しています。
 
お話を伺ったのは、
ワーキングユニット・ジャパン株式会社 広報
植山なぎささんです。
 
Q「ワーキング・ユニット・ジャパン」は、
人気ブランド「モレスキン」シリーズの
日本での総輸入代理店だそうですが、
「モレスキン」の由来を教えて下さい。
 
「モレスキン」と聞いて思い浮かぶゴムバンドがついた
黒いノートブックの原型は、100年前からあり、
フランスの小さな製本業者が製造し、
パリの文具店に納められていました。
 
当時このノートブックはまだ名もない
「黒いノートブック」でしたが、ゴッホ、ピカソ、
ヘミングウェイなど著名な芸術家や思想家たちが
使用していました。
 
「モレスキン」という愛称は、イギリスの作家
ブルース・チャトウィンによって付けられ、
彼もまた「黒いノートブック」の愛用者でした。

製本業者の廃業によって、1980年代に
一度無くなってしまったのですが、
現在の「モレスキン社」の前身である
「モド・エ・モド」というイタリアにある
小さな出版社が、1997年に「モレスキン」という
ブランドとして、ノートブックを甦らせました。

日本にはその後間もなく入ってきました。
今ではノートブックはもちろん、ダイアリーや、
ライティングツール、バッグなど、
元々のモレスキンの哲学を引き継いだ様々な
コレクションを展開しています。
 
Q「モレスキン」には多彩な商品がありますが、
一番のヒット商品は何ですか?
最初にいつごろ発売された商品ですか?
これまで累計どのくらい売れた商品ですか?
 
やはり「黒いハードカバータイプのノートブック」が
モレスキンの原点であり、ヒット商品です。
これは97年にブランドが設立されてから、
変わらぬロングセラー商品です。
累計冊数・単体の販売冊数は非公開ですが、
全体では世界で年間1200万冊以上を販売しております。
 
Qその商品のヒットしたポイントは?
 
分かりやすいポイントで言うと、
「驚くほどシンプルなデザインと機能性」が
あげられると思います。
表紙も中のページも本当にシンプルです。
ロゴやイラストも入っていません。
ですが、長年の使用にも耐えうる堅い表紙や、
ゴムバンド、しおり、豊富なページ数、
裏表紙の拡張ポケットなどの便利な機能性を
備えています。
 
これらの機能は使う人の邪魔にならない
絶妙な計算が施されていると思います。
そしてそれ以上に、モレスキンの哲学が
多くのお客様に支持されていると考えています。
「モレスキンノートブックはまだ1冊の白紙の本」である、
という言い回しがありますが、使っていただいた人、
ご自身の記録、思い出がノートには詰め込まれ、
使い終わったあとは世界に1冊の「本」が手元に残ります。
 
そういう自分のかけがえのない記憶をつめこむ
プラットフォームとして、モレスキンノートブックは
共感を持って使っていただけているのだと思います。
 
Qモレスキンのほとんどの手帳には、
手帳を拾った人への謝礼の金額を書く部分が
あるらしいのですが、どういった意図で?
いきさつなどあれば教えていただけますか?
 
モレスキンノートを開いた最初に必ずプリントされている
「Incaseofloss,pleasereturnto…Asareward$…」
(このノートが紛失した場合、こちらへ返して下さい。
お礼に○ドル差し上げます。)という項目は、
モレスキンの名付け親でもあるチャトウィンが
自分もノートにしていた習慣をそのまま採用したものです。
 
チャトウィンは紀行作家でしたので、
旅のお供に常にノートブックを携帯していました。
パスポートやクレジットカードの再発行は出来ても、
ノートブックにはお金では買えないものが思い出や
記憶がつまっていて、なくしたらそれきりです。
ノートと濃密に向き合っている人にとって、
それを失うということは自分の分身を失うような、
切実な問題なのです。
 
実際に旅先のアイルランドでノートを紛失した方が、
この欄に東京の住所と電話番号を記入していたおかげで、
帰国後に小包で戻ってきたという
奇跡的なストーリーもあります。
 
Qそのほか「モレスキン」の商品に関する
なにか面白いエピソードなどあればお願いします。
 
日本独自の流れとして、2010年にダイヤモンド社から
モレスキンの活用本が出版されました。
特徴でもあるシンプルさから、
どうやって自分色に染めるか、
というのは愛用者さんには大きな感心事です。
インターネット上にはモレスキン、カスタマイズという
検索ワードがたくさんあり、皆さん思い思いの
使い方やテクニックでノートブックを使って
いらっしゃって、それらをギュッと凝縮した1冊に
なっています。
 
同時に、ノートを買った方の中にはシンプル過ぎて
どうやって使えば良いのか分からないという方も
いらっしゃり、そういう方たちのための
最初の一歩や道標になるような書籍でもあります。
 
ブランドから出されたものではなくて、
出版社がモレスキンの公式ファンブログ
「モレスキナリー」(http://www.moleskinerie.jp/)の
管理人に声を掛けて企画がスタートしました。
ですのであくまでもユーザーによる
ユーザーのための書籍という面白い位置づけです。
大変好評で、翌年には第2弾も出版され、
台湾でも翻訳されたものが出版されました。
活用本が出版されるというのは、
ハウツー好きでマメな日本ならではですし、
実際に1冊の本としてまとまった時に、
モレスキンノートブックがどれほど愛されている
ノートブックなのかを改めて実感しました。
 
Qこの季節、来年の「手帳」や「日記」などを
選ぶ人が多いと思いますが、
どんな点に注意して選んだらいいのか?
プロのアドバイスがあればお願いします。
 
日本は手帳大国です。毎年、新作の手帳がものすごい数
発売しており、今の時期は雑誌がこぞって
手帳特集を組んでいます。
 
これは日本独特な文化だと思います。
膨大なラインナップからこれぞ!という1冊を
見つけるのは至難の業だと思いますが、
まずご自分のライフスタイルと、
どういったシーンで使うか、手帳を使って何をしたいか、
を想像するのが良いかと思います。
 
その上で譲れないポイントをランキングにして
取捨選択していくと、失敗が少ないと思います。
 
例えば仕事のタスク管理をしたい、という方でしたら
必然的に記入スペースが大きめのものが候補にあがります。
スケジュールを俯瞰したいという方でしたら
カレンダーのようなマンスリータイプが
良いかと思います。
 
いつでもどこでも持ち歩きたいと
いう方は小さめなサイズから選ぶ、など。
加えて、せっかく買った手帳だからといって、
ご自分のライフスタイルに合わない手帳を、
ストレスを感じながら使うのはオススメしません。
毎日使うものだからこそ、妥協せず、
時には手放す勇気をもって、
色々なタイプの手帳に挑戦してみて下さい。
 
Qそのほか、オススメのサービス、
キャンペーンなどPRしたい案件があればお願いします。
 
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また「モレスキナリー」という公式のファンブログも
毎日更新しておりますので、ぜひご覧になってみて下さい。
 
今日お話を伺ったのは、
ワーキングユニット・ジャパン株式会社 広報の
植山なぎささんでした。
 
植山さん、ありがとうございました。
 
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