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「スティーブ・ジョブズ」

毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。
 
11月に入って一気に新作映画が公開になり、
映画ファンはうれしい悲鳴をあげています。

みんな大好きデンゼル・ワシントン兄貴が、
訳ありの銀行強盗を演じる最新作「2ガンズ」、

この番組でも紹介したハリウッド注目の
新星チャニング・テイタムが、
男性ストリッパーを演じる「マジック・マイク」、

黒人初のメジャーリーガーの苦悩とサクセスを感動的に描いた
「42(フォーティ・ツー)~世界を変えた男~」などなど、
紹介したい作品が目白押しなんですが・・・・・・・
 
今日、このコーナーでは、あえてこの作品を選びました。
現在公開中の「スティーブ・ジョブズ」です。
 
昔から、歴史上の人物や有名人の生涯を描いた映画は
多いですが、このところ、記憶に新しい実在の人物の
映画化が目立っていますよね。
先日もこのコーナーで、ダイアナ元皇太子妃を描いた
作品を取り上げましたが、
今日ご紹介する映画の主人公は、2011年10月に急逝した
アップルコンピュータの創始者、スティーブ・ジョブズです。
 
アップルといえば、初期のホームコンピュータである
Apple1(ワン)、やマッキントッシュ、iMac、
最近では、iPodやiPhone、iPadなど、
これまでの常識にとらわれない、
革新的でユニークな商品を世に送り出しています。
ジョブズが亡くなった今でも、アップル=ジョブズという
イメージを持つ人も多いんじゃないでしょうか。
 
映画では、スティーブ・ジョブズが
この「アップル」という会社をどうやって作ったのか。
そして会社が大きくなっていく中で、ジョブズが
味わう数々の栄光と挫折が描かれていきます。
特に前半では、ジョブズが仏教や禅に深く影響を受けている
シーン、アップルという社名をどうやって
命名したのか・・というシーン。仲間たちとガレージで会社を作り、
自分たちでコンピュータのキットを組み立てるなどの
アップル創成期のエピソードが続々描かれ、
かなり興味深いです。
 
ジョブズを演じているのは、アシュトン・カッチャー。
最初に発表された写真があまりに似ていたのでびっくりしましたが、
外見だけでなく、しゃべり方や物腰なども徹底的に研究し、
ジョブズになりきる熱演ぶりを見せています。
特に注目してほしいのジョブズの歩き方です。
猫背で独特の歩き方をするジョブズの姿を完璧に再現。
伝説となったipod発表のプレゼンなどは、
記録映像のようなリアリティがあります。
 
先日紹介した「ダイアナ」もそうでしたが、
20世紀の著名人は、存命中の映像が数多く残されているため、
まったく似ていない人物が演じても、
観客がリアリティを感じられないんですね。
外見的も似せた上に、さらに人物の奥深い部分を演じるというのは、
役者にとって、大きなチャレンジでもあると同時に、
やりがいのある仕事だったでしょうねぇ・・・・。
 
この映画「スティーブ・ジョブズ」では、
主人公ジョブズだけでなく、脇役の登場人物まで
相当似ている人がキャスティングされています。
アップル・ファンならだれでも知る
人物スティーブ・ウォズニアック、
アップルのCEOをつとめたジョン・スカリーなど、
とにかくそっくりです。
映画のエンディングでは、実在の人物と演じた役者さんの
比較映像が出てきますので、お楽しみに!
 
個人的におススメのシーンは、アップルが
成功してから後のジョブズの孤独感を描いたシーンです。
会社は世界的に注目されていくのに、
創成期を戦った友人たちはどんどん彼のもとを去ってゆきます。
成功者の光と影を描いた名シーンです。
最近の作品ですが、フェイスブックを作った
マーク・ザッカ―バーグを描いた「ソーシャル・ネットワーク」
なんかと比較してみると面白いかもしれません。
成功者というのもたいへんなんですねぇ・・・・・。
 
天才的な頭脳とカリスマ性で、
コンピュータ社会に大きな革命をもたらしたジョブズの
人となりにせまった作品。
歴史の教科書には、まだ載っていないけれど、
間違いなく現代を代表する歴史的人物の映画。
アップルユーザーでなくても、ぜひご覧いただきたい1本です。
 
今日ご紹介した映画「スティーブ・ジョブズ」」は、
■TOHOシネマズ光の森
■TOHOシネマズはません
で、現在公開中です。
 
「スティーブ・ジョブズ」オフィシャルサイト
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