「株式会社マルハニチロホールディングス」
企業にまつわる気になる疑問を解決する「会社のヒミツ」。
今日は「株式会社マルハニチロホールディングス」
のヒミツに迫ります。
マルハニチログループは、ともに創業100年を越える
マルハとニチロが2007年10月に経営統合して誕生しました。
水産事業、食品事業。保管・物流事業の3つの事業を
大きな柱とし、現在、全世界で100社以上ある
グループ会社です。
熊本にも、水産物を食卓へ届ける荷受事業
(市場で魚を取り扱う事業)を行う九州中央魚市、
缶詰・冷凍食品を製造するマルハニチロ九州といった
グループ会社があります。
お話を伺ったのは、
株式会社マルハニチロホールディングス広報
IR部の水野一輝さんです。
Q①「マルハニチロ」という社名の由来を教えて下さい。
マルハニチログループは2007年10月に創業100年を
越えるマルハとニチロが統合し「マルハニチロ」が
誕生しました。
「マルハ」と「ニチロ」の前身はご存じの方も
多いと思いますが「大洋漁業」と「日魯漁業」になります。
大洋漁業初代社長となる中部幾次郎は、
現在の兵庫県明石市にあった林兼商店の二代目
『林家兼松』の次男として生まれ、1880年に
鮮魚運搬事業を始めましたところに遡ります。
1905年には、日本で最初の動力付運搬船
「新生丸(しんせいまる)」を建造しました。
それまで鮮魚運搬船は手漕ぎで、魚の運搬に
著しい時間が必要でしたが高速が出せる
動力付運搬船の導入により、
魚の流通に大きな革命を起こしたと言われています。
そこから魚の買付運搬だけではなく
自ら魚をとる漁業事業に拡大していきます。
「マルハ」の名前の由来は○の中に林兼の
『は』の文字を入れた林兼商店の商標に
由来しております。
尚、大洋漁業は1993年に社名をマルハに
変更しております。
ニチロの前身となった日魯漁業の歴史は、
1906年新潟県三条市出身の堤清六(当時27歳)と、
北海道函館市出身の平塚常次郎(当時26歳)の
二人の青年が、旧ソビエト連邦と
中国の国境を流れる黒龍江(こくりゅうこう)の
ブロンゲ岬にて偶然出会って意気投合し、
新潟県三条市に『堤商会』を設立したことに
より始まります。堤清六と平塚常次郎は、
カムチャッカでの鮭の事業を目指し、
翌1907年6月に、宝寿(ほうじゅ)丸という
大型船で新潟港を出港しますが、
これがニチロの事実上の創業となりました。
堤商会では、当初は漁獲したサケを
販売していましたが、当時のカムチャッカでは
日本国内よりも海外で好まれるベニサケの
水揚げが多く、日本で販売するより欧米に
販売するほうがよいということになりました。
冷凍技術のない当時ですから、魚を海外に
売るためには缶詰にするのが最良の方法であろう、
ということで、1910年にはカムチャッカで
鮭缶詰の大量生産に成功しました。
堤商会は、1913年には、日本最初の衛生缶を
使用した缶詰の工業的な大量生産を開始しました。
このとき、現在でもマルハニチロ食品の
商標として使用されている「あけぼの印」
(DAYBREAKBRAND)を初めて使用しました。
堤商会は、大量生産したサケマス缶詰を海外に
販売することにより、外貨を獲得し、
漁撈事業を拡大していきました。
堤商会は規模を拡大し続け他社を併合などする中、
1921年に社名を日魯漁業株式会社に改めました。
尚、日魯漁業株式会社は1990年に
社名変更により㈱ニチロとなりました。
この2つの会社が統合されたことにより
「マルハニチロ」という社名となっております。
Q②「マルハニチロ」の商品で
売れ筋(人気)の商品は、なんですか?
売れ筋(人気)の商品は、なんですか?
皆様の食卓へは水産品、冷凍食品、缶詰、
レトルト食品等、様々な商品をお届けしておりますが、
今日は冷凍食品を取上げさせていただきます。
冷凍食品の中でも人気が高いのが
「新中華街シリーズ」の
「あおり炒めの焼豚炒飯」、
「横浜あんかけラーメン」、
「五目あんかけ焼きそば」です。
「あおり炒めの焼豚炒飯」は、
赤坂璃宮譚総料理長直伝の「あおり炒め製法」で
パラッとふっくら、香ばしく仕上げた本格炒飯です。
焼豚はコクのある特製ダレでじっくり焼きあげました。
具材の豚肉、たまご、ねぎは
全て国産を使用しています。【2007年発売】
「横浜あんかけラーメン」は、豚肉にたっぷりの
野菜(もやし、白菜、たけのこ、にんじん、ねぎ、
小松菜、きぬさや、チンゲン菜)を炒めたとろみ
スープがおいしいあんかけラーメンです。
横浜を中心に「サンマー麺(生碼麺)」の名で
根強い人気のラーメンです。
麺はコシのある本格中華の卵麺です。【1998年発売】
「五目あんかけ焼きそば」は豚肉、
チンゲン菜、にんじん、白菜、たけのこ、
もやし、きくらげにくわいを加え、
8つの具材になりました。
コシのあるほぐしやすい麺を香ばしく
両面焼きにしました。【1998年発売】
Q③商品の開発のポイントは?
あおり炒めの焼豚炒飯をご紹介します。
2007年秋に発売を開始。
「本物の炒飯を作りたい!」と
繰り返された企画会議で出された結論は、
赤坂離宮譚総料理長の調理手順を完璧に
再現するという当たり前のことでした。
当たり前ではありますが、技術的には非常に
困難を極めました。
譚総料理長がお店で作る炒飯を、
具材投入のタイミング、鍋の温度などを
詳細に分析データ化、
その工程を再現できる機会を開発し、
プロにしかできないパラパラで香ばしい炒飯を
再現したマルハニチロの技術による
最高傑作品と自負しております。
現在は山形にあります自社の工場にて
生産を行っております。
Q④「マルハニチロ」では、
宇宙食の開発も行っているそうですが、
どんな宇宙食なのですか?
マルハニチロと宇宙食のかかわりは、
1985年に宇宙開発事業団(NASDA)による委託業務
「米国宇宙基地計画予備設計参加」の下部組織として
"宇宙食勉強会"が発足し、その参加企業6社のうちの
1社としてマルハニチロ(当時大洋漁業株式会社)が
選ばれたのが最初でした。
現在宇宙食としてマルハニチロが提供して
商品の開発については、2004年10月に
食品科学工学会宇宙日本食専門家委員会より
"魚介料理の宇宙食開発"という要請を受け
スタートしました。
「常温保存で15カ月間品質を保持すること」
「おいしい日本食であること」という要件を満たすため、
メニュー検討、試作、評価を重ねた結果、
「サバの味噌煮」「イワシのトマト煮」
「サンマの蒲焼き」の3品を提案。
2007年6月に宇宙航空研究開発機構(JAXA)によって
"宇宙日本食"として認証されました。
当初、包装形態はレトルトパウチでしたが、
現在ではより保存性が優れた缶詰を使用しています。
これにより常温で3年間の保存が可能となりました。
また、栄養の劣化が少なく魚の骨まで食べられるなど、
さまざまなメリットがあります。
10アイテム以上あった商品候補を絞り込む際、
当初社内では、外国人は「味噌」が苦手でサバ味噌煮
は日本人以外の宇宙飛行士には食べてもらえないかと
危惧していました。
しかしJAXA(宇宙航空研究開発機構)の候補
アイテム会議で「サバ味噌煮は日本人の心だ」との
強い要望があり、アイテムに残ることになりました。
2005年1月のJAXA筑波宇宙センターにおける試食会当日、
本来は各社1品ということでしたが、
試食に提供した「サンマの蒲焼き」の他に
「イワシのトマト煮」「サバの味噌煮」があることを
若田光一宇宙飛行士、レディック・ボー宇宙飛行士に
話したところ、ぜひ食べさせて欲しいということで
急遽、その場で試食していただきました。
そのとき若田、ボー両氏に
「外国人には味噌煮はだめでしょうか?」と尋ねると
、若田光一宇宙飛行士は
「ボーの食器を見てください。完食していますよ」と
言われ、レディック・ボー宇宙飛行士からは
「大変おいしい!」というコメントをいただき、
関係者一同ホッとしました。
宇宙食の特徴としましては、
1.無重力空間で液汁が飛び散らないように
調味液(たれ)に粘り気を持たせました。
2.魚くささを少なくするため、
製造工程に工夫を加えました。(企業秘密♪)。
3.宇宙では味覚が鈍ると言われているため、
濃い目の味付けにしました。
4.無重力空間で食べやすいように、
魚を一口大にカットしました。
5.食べ終わった後に片付けやすいよう、
重ねられる缶形態にしました。
尚、マルハニチロ生産の宇宙食は現在、
JAXAさんから依頼を受けて生産する受注生産という形を
とっており、残念ながら一般消費者の皆様に
ご購入いただくことができなくなっております。
今お話しさせて頂きました宇宙食の情報につきましては、
マルハニチロホールディングスのHPにて
宇宙食の画像と一緒に公開しておりますので、
ご興味のある方はぜひご覧いただければと思います。
この商品は現在一般消費者様向けには製造しておりません。
この商品は現在一般消費者様向けには製造しておりません。
Q⑤そのほか「マルハニチロ」」の商品に関する
なにか面白いエピソードなどあればお願いします。
面白い話はではありませんがこんな取組をしています。
みなさん「缶たし」をご存じでしょうか?
「缶たし」とはマルハニチロ食品が名づけた
缶詰を使った調理法です。いつもの料理に缶詰を
汁ごと足すだけで時間をかけることなく、
ワンランク上の新しいメニューに変化すると
いうものです。
一例ですが炊き立てのご飯にホタテ缶詰を
まるごとまぜるだけで料亭の炊込みご飯のようになる
「ほたて缶たし白ご飯」など缶詰の用途、
おいしさを再認識していただけるような
レシピをHP上公開しております。
Q⑥そのほか、オススメのサービス、
キャンペーンなどPRしたい案件があればお願いします。
10月15日よりマルハニチロコミュニティサイト
「スマート美食CLUB」をオープンしました。
スマート美食CLUBの大きなテーマは「美食」と
「時短」です。ちょっとしたアイデアやテクニックで
短時間に美味しい食事がとり、
増えた時間を自分の時間にといった発想で、
メンバーの皆さん情報をシェアしていくそんなサイトです。
サイトの中にはマルハニチロが実施するキャンペーンの他、
数多くの時短レシピを公開させていただいておりますので、
ご興味のあるリスナーの皆様、
ぜひ一度ご覧いただければと思います。
今日お話を伺ったのは、
株式会社マルハニチロホールディングス広報
IR部の水野一輝さんでした。
水野さん、ありがとうございました。
株式会社マルハニチロホールディングス
オフィシャルサイト