熊大ラジオ公開授業「知的冒険の旅」 徳野貞雄先生
	あらゆるジャンルの注目の人にインタビューする
	「ヒューマン・ラボ」。
	11月から3ヶ月間にわたって
	スペシャル企画でお届けしています。
	題して「FMK Morning Glory  ヒューマン・ラボ
	熊大ラジオ公開授業・知的冒険の旅」。
	毎回、熊本大学の先生を講師に迎えて、
	さまざまジャンルの研究テーマについて
	お話をうかがいます。
	第9回の講師は徳野貞雄先生です。
	
	
	Q① お名前と職業・所属を教えて下さい。
	名前:徳野貞雄(とくのさだお)
	所属:熊本大学文学部総合人間学科地域社会学
	プロフィール:
	1949年大阪府貝塚市生まれ。
	1987年九州大学大学院文学研究科博士課程修了
	1987年山口大学人文学部助手
	1989年広島県立大学経営学部助教授
	1997年熊本大学文学部地域科学科社会学助教授
	その間にシェフィールド大学(イギリス)客員研究員。
	1999年現職
	食と農の専門家として日本全国の農村に出かけ、
	フィールドワークをこなす活動派。
	全国合鴨水稲会世話人。
	『道の駅』命名者。
	上記肩書き以外の主な役職:
	九州農業・農村デザイン塾々長
	九州番頭さんの会主催者
	全国合鴨水稲会世話人
	国土交通省地域振興アドバイザー
	Q② 徳野先生の専門である
	「農村社会学、農業社会学、地域振興論」とは、
	どんな研究ですか、わかりやすく教えてください。
	農村を軸に地域社会の構造変動や
	住民の生活構造についての研究
	(過疎地域論や混住化社会論などを含む)。
	担い手問題や農業後継者問題および
	有機農業運動など農業問題における
	人間の社会的領域に関する研究。
	関連して現代社会における消費者(国民)
	の食生活構造など。
現代の高度産業社会化の
	日本における『食と農』に関する研究を
	農業社会学として提唱している。
	
「マチおこし」「村おこし」のシステム開発や
	地域活性化集団の運営および農山村型
	第三セクターに関する研究。
	・社会学の他の領域にもつよい関心がある。
	Q③ 徳野先生がこの研究に取り組むことになった
	「きっかけ」のようなものがあれば教えてください。
	山口大学で過ごした学生時代に、
	研究テーマを女工の実態として社会を探ろうと
	試みた。社会に対する関心が強く、その後、
	農村社会学が研究の主軸となった。
	社会学というのは、人間の共同性の研究。
	共同性とは、具体的現実における生活構造に
	他ならない。つまり、現実の中に加わらないと
	社会は見えてこない。現実に加わる術が実践であり、
	実践によってしか見えてこない社会の問題がある。
	机の上だけでやる研究は社会学学にすぎない。
	真の社会学とはよべない。
	「自分が生きて行く」こと、
	「生き続けて行くこと」を探求し続ける。
	
Q④ 徳野先生の研究テーマについて。
Q④ 徳野先生の研究テーマについて。
		家族は何人ですか?と尋ねると、その時一緒に
暮らしている人数を答える人がほとんどです。
	暮らしている人数を答える人がほとんどです。
これは、「家族」と「世帯」を混同しているからです。
世帯は、同居している人数、家族はたとえ離れて
暮らしていても、空間を超えて機能するものなのです。
それは、近所に住んでいようが、
海外と離れていても、「家族」です。
また、世帯をみると日本は戦後経済発展とともに
単独世代、夫婦二人世帯が増えた。
世帯数が増えれば、家電製品や車、
住宅建築が増える。
そうして、経済を発展させてきました。
		しかし、現代は本当に必要なものはすぐに手に入る、
モノがあふれていると言ってもいい。
	モノがあふれていると言ってもいい。
		そんななか、これからの「幸福」は、モノをどれだけ
持っているかではなく、身近な人とどれだけ
つき合えるかで決まってきます。
身近にいる子どもや孫、隣人でも友人でもいい、
日常的に交流ができることが充実した生活を
送ることができるでしょう。
	持っているかではなく、身近な人とどれだけ
つき合えるかで決まってきます。
身近にいる子どもや孫、隣人でも友人でもいい、
日常的に交流ができることが充実した生活を
送ることができるでしょう。
	Q⑤ これまでの活動を通じて、
	最も印象深いエピソードをお願いします。
	現代は家族が崩壊したというが、
	家族が無くなったわけではく、
	社会構造が変化しただけ。
	それを考慮せずに、数十年前の社会構造を
	念頭に置いたままで、データを分析したり
	議論したりするからうまくいかないのだ。
	「家族は何人?」と質問すると、
	ほとんどの人が同居している親族のみの数を
	答える。しかし、それは「世帯」であって
	家族ではないだ。
	携帯電話はインターネットの普及の影響で、
	いつでも連絡が取れる。
	車や公共交通機関が発達し、離れて暮らしている
	子どもなどの世帯も含めて“家族”とするべき。
	以上、「FMK Morning Glory ヒューマン・ラボ
	熊大ラジオ公開授業・知的冒険の旅」でした。
