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「スノーピアサー」

「FMKMorningGlory」毎週火曜日にお送りしています、
「キネマのススメ」。
毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。
 
今日ご紹介するのは、現在公開中の「スノーピアサー」です。
 
この映画は、「殺人の追憶」や
「グエムル漢江(はんがん)の怪物」で知られる、
韓国映画の鬼才ポン・ジュノ監督の最新作。
 
韓国の新世代を代表する監督としてデビュー以来、
毎回タイプの違う作品を作りながら、どれも高い水準の作品を
発表するという離れ業をやってのけているポン・ジュノ監督は、
世界的に最も注目されているアジア人監督と言われています。
彼はこれまでも、東京を舞台にした
オムニバス映画に参加するなど、
国際的な映画プロジェクトにも携わってきましたが、
この「スノーピアサー」は、
初めて欧米のキャストを招いて英語で撮った作品です!
 
物語の舞台は、温暖化を食い止めるために撒かれた
薬品のため、雪と氷の世界となってしまった、近未来の地球。
わずかに生き残った人々は「スノーピアサー」と
呼ばれる列車の中で暮らし、地球上を移動し続けていました。
列車の前方は一握りの上流階級が支配し、
贅沢な暮らしを送る一方で後方車両には貧しい人々がひしめき、
厳しい格差社会が生まれていました。
そんな中、最後尾の乗客である主人公カーティスは、
自由を求めて革命を起こし、先頭車両を目指します。
 
近未来SFであり、革命の物語であり、なにより電車好き、
列車好きには、夢のような映画と言えるかもしれません。
 
この、ユニークな作品のモチーフとなったのは、
1980年代に書かれたフランスのコミック。
原作では、最後尾の男性と先頭車両の女性が一緒に
進んでいくことになっているそうですが、
ポン・ジュノ監督は最後尾の人々が暴動を起こし、
富裕層と衝突する設定にアレンジ。
列車という狭い空間の中に作り出された格差社会を
よりインパクトのある形に変え、
人々の感情を鮮明に描き出しています。
 
実は、ポン・ジュノ監督は、たいへんなマンガ・マニアで、
日本のマンガはもとより世界中のマンガを
コレクションしているそうです。
画面構成の参考にもしているそうで、
今回の作品では、タイトなスケジュールでたくさんのカットを
撮影するために、全カットの絵コンテを監督自ら
書き上げているそうです。
 
ワールドワイドなストーリーのために集められたキャストは、
「アベンジャーズ」のクリス・エヴァンス、
「ナルニア王国シリーズ」のティルダ・スウィントン、
「トゥルーマン・ショー」のエド・ハリスなどなど。
さらに、「殺人の追憶」や「グエムル」で
主演をつとめた韓国映画の大スターのソン・ガンホが
重要な役どころで出演するなど、
豪華で多彩な顔ぶれが揃いました。
 
作品ごとに新たな驚きを与えてくれるポン・ジュノ監督が、
ハリウッドのスターを迎えて作り出したSF大作。
どんな映画になっているのか、
ぜひスクリーンで確かめてください!
 
今日ご紹介した映画「スノーピアサー」は、
■TOHOシネマズはません
で、現在公開中です。
 
「スノーピアサー」オフィシャルサイト
 
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