« 3月10日(月)の魔法のことば  |  3月11日(火)の魔法のことば >

「アナと雪の女王」

毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。
 
今日ご紹介するのは、3月14日(金)公開の「アナと雪の女王」です。
 
この映画、先日発表された「第86回アカデミー賞」で、
スタジオ・ジブリの宮崎駿監督の「風立ちぬ」と争って、
見事「長編アニメーション賞」を受賞した話題のアニメーション。
アメリカだけでなく世界中で大ヒットしていて、
現時点での全世界興行収入は9億5500万ドルを突破。
ディズニー・アニメーション・スタジオの90年の歴史の中で
最大の大ヒットを記録してます。
 
ディズニー映画というと世界中にファンがいるトップ・ブランド。
3世代、4世代にわたって愛される
たくさんのキャラクターを生み出しています。
 
そんな魅力的なキャラを生み出す魔法に満ちた
ディズニー映画の最新作がこの「アナと雪の女王」です。

ストーリーを紹介しますと・・・、
主人公は、エルサとアナという仲のいい姉妹の王女。
姉のエルサは触れたものを凍らせる魔法の力を持っていましたが、
その力を隠し、自分の世界に閉じこもって暮らしていました。
大人になり、新しい女王となったエルサでしたが、
多くのゲストを招いて開かれた王冠を受け継ぐ
儀式パーティの席上で、自分の力をコントロールできずに
王国を冬へと変えてしまいます。
魔女と疑われたエルサは、ひとり山へ逃げ出してしまいます。
妹のアナは姉のエルサを救うため、雪山の奥へと旅に出ます。
 
この映画の原作は、アンデルセンの童話「雪の女王」なんですが、
雪と氷の世界というモチーフを使った、新しいストーリーになっています。
童話では、主人公の女の子が雪の女王に連れ去られた
仲良しの男の子を助けに行きますが、
これを姉妹の話に変えたのが新しいところ。
そしてもう1つ、ディズニーのお話といえば、
女性と男性が出会って恋をし、最後には男性が女性を幸せにする、
というのがスタンダードでした。
今回も、王子様や山男などの男性キャラクターは出てきますが、
これまでとはひと味違う結末になっているのも見どころです。
 
この女性が活躍するストーリーに関しては、
秘密がありまして、たびたびこのコーナーでも紹介している
ピクサーの代表ジョン・ラセターさんが一枚噛んでいます。
現在、ピクサーとディズニーの両方のクリエイティブ部門を
統括しているラセターは、今回作品を
「ディズニー・クラッシックの再生」と位置付けて、
ディズニー映画史上初めて女性の監督を起用しています。

彼女の名前はジャニファー・リー。
当初このプロジェクト脚本家として参加していたんですが、
その才能にほれ込んだラセターが監督に抜擢。
アニメーションのビジュアル部門を主に共同監督の
クリス・バックが担当し、ストーリーやキャラクターの演出を
ジャニファーが担当したそうです。
そのため、女性の目線での細かい仕草や感情の動きが
見事に表現されるアニメーションが完成しました。

これまでディズニーの弱点は、女性キャラの「受け身」だと
言われてきました。ヒーローに助けられるお姫様的なキャラが、
70年代以降の女性の自立の動きの中で
「古臭い」と糾弾されてきた歴史もあります。

そんな批判に向かって「新しいプリンセス像」を描いたのが
この作品です。助けられるお姫様でなく、
自ら困難に立ち向かってゆく「プリンセス」。
それでも女性特有の優しさや美しさを失わずに・・・・・・・。
そんな新しいディズニー映画の誕生が
この作品には込められています。
そのあたりの制作者側の熱い思いが、
「アナと雪の女王」本編の前に上映される短編作品
「ミッキーの救出大作戦」で描かれています。
最初、白黒の映像として登場するミッキーが、
後半あっという仕掛けで3DCGのキャラクターに
生まれ変わります。伝統を大切にしながら、
新たな前進を試みるスタジオの意気込みを見事に表現した
短編作品ですので見逃さないで下さいね。
 
個人的な見どころをあげますと、
ディズニー映画でおなじみのヒロインの相棒となる
妖精的なキャラ。通称「サイドキック」と呼ばれています。
例えば「ピノキオ」におけるジミニ―・クリケット。
「ピーターパン」のティンカーベル。
「アラジン」のジーニーなどなど。
彼らはおもに「お笑い担当」で、ストーリーが停滞しないように
随処にギャグを入れる役目を担っています。
今回、雪だるまのオラフがその「サイドキック」役です。
当初、かなりうざいキャラクターとして登場するオラフですが、
映画の終盤では、観客の心をがっちり掴む
魅力的なキャラに成長してゆきます。
 
そしてもう1つの注目が、映画を盛り上げる音楽。
主題歌の「LetItGo」は、アカデミー主題歌賞を受賞しているほか、
この映画のサウンドトラック自体もアメリカで大ヒットしていて、
2月15日付のビルボードチャートでは
総合1位を獲得しているそうです。ディズニーならではの
美しいアニメーションに共感を呼ぶストーリー、
そして素晴らしい音楽と、3拍子そろったアニメーション。
ぜひ、映画館で体験してください!
 
今日ご紹介した映画「アナと雪の女王」は、
■TOHOシネマズ光の森
■TOHOシネマズはません
■TOHOシネマズ宇城
■シネプレックス熊本
■イオンシネマ熊本
で、3月14日(金)の公開です。
 
「アナと雪の女王」オフィシャルサイト

-----
本日オンエアのこのコーナーをポッドキャストでも配信中。
 
詳しくはここ↓