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「熊本市環境フェア」

企業にまつわる気になる疑問を解決する「会社のヒミツ」。

今日は今回は「会社のヒミツ エコスペシャル」と題して、
今月、5月17日(土)18日(日)に熊本市動植物園で開催される
「くまもと環境フェア2014」より、主催者の熊本市環境局環境政策課、
大司恭史さんにお越し頂きまして、「くまもと環境フェア2014」の
内容と熊本市の環境への取組みについてのお話を伺いました。

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Q1、ご出演者の役職・お名前を教えて下さい。

熊本市環境局環境政策課 主任主事
大司恭史 (おおじやすふみ)
 
Q2、先ずは、熊本市のこれまでの「環境」の問題点や
課題を教えて下さい。

熊本市が行っている環境行政につきましては、
例えば「大気の問題」「騒音の問題」「地球温暖化の問題」
「自然や生物多様性(動植物)の問題」「水の問題」
「ゴミ処理・ゴミ分別の問題」など列挙しただけでも
非常に幅広い分野の問題が山積しております。
 
昨年3月に、熊本市は国連で“生命の水”最優秀賞という
「世界一の水」といっても過言ではない栄誉を受賞することが
ございましたが、その「地下水」を1つ取り上げても、
硝酸化窒素濃度の上昇や湧出量の減少など、
後世に引き継ぐ貴重な資源が失われつつあるという現実が
ございます。
最近、報道等で環境問題が大きく取り上げられる機会が
多くなったことによって、昔より市民のみなさまの環境への
関心は高まっており、様々な角度から環境配慮に
取り組んでいただいている市民活動団体、事業者、
教育機関などの方がいらっしゃいます。
しかし、一方で、これらの環境配慮の取組みは、
効果がすぐには見えないことで、切迫した問題として
環境問題を捉えることが難しくもあり、
なかなか多くの市民の方への実践拡大に
つながらないことが課題であると考えております。
 
Q3、問題点・課題に対する取組みを紹介してください。

先ほど述べた課題を解決するためには、
より身近に環境問題を考えられるようにすることが
必要であります。昨今報道されることが大きくなった
PM2.5のように直接自分の身体に関わることについてなどの
環境問題は皆さまの関心も高く、注目を集めております。
市でも測定局の増設や成分分析・研究など、
国・県など各方面と連携して対処してまいりたいと思っております。
しかし一方で、毎日使っている「水」のことや
地球規模で起こっている「温暖化」といったことについては、
自分の身に直接感じることが少なく環境問題の実感が
湧かない方が多いのではないでしょうか。
これらの問題についても、熊本市も様々な政策を行っています。
例えば、毎年夏に行われます「節水キャンペーン」では
1日の目標使用量(230リットル)を設定しており、
水をお風呂に使うと何リットル必要など具体的に示した
広報展開を行って、市民の節水啓発を行っております。
また、目に見えないCO2(二酸化炭素)の見える化事業として、
「くまもと低炭素都市づくりWebページ」を立ち上げ、
電気やガス・水道の使用量を入力するだけで、
実際にどのくらいのCO2が排出され、杉の木○○本分を
使用しているなどといったことが一目でわかるシステムを
作り上げております。ぜひご活用ください。
※杉の木1本が1年あたり吸収するCO2は14kg-CO2くらい
 
Q4、熊本市のこれからの取組みや
目標などがあれば教えて下さい。

 
繰り返しになりますが、市民の皆さまが少しでも環境問題を
身近に目を向けていただけるような政策に多く取り組んでまいります。
また、これは個人的な目標ともいえるのですが、
私も担当する「子どもたちへの環境教育」を、
学校現場や地域を通じて、環境保全活動が自然に
できるようになる取組みとして、体験や学習ができる催しを
拡充させていきたいと考えております。
今は、「熊本市エコキッズプロジェクト」といって、
子どもたちの環境保全活動を市が支援することによって、
その活動の輪を全市民に広げることを目的とした事業も
行なっております。
なぜ子どもたちをターゲットにするのかというと、
子どもの口コミは、SNSなどのネット発信にも引けをとらない
発信力をもっていると思っているからです。
学校などで子どもたちに出前講座をする際は、
普段の授業と雰囲気が違うせいか、
子どもたちは本当に熱心に話を聞いてくれます。
そして、聞いた話を即実践にうつしてくれるのです。
これだけでも嬉しいしやりがいがあるのですが、
それを親や地域の方に伝達してくれることも大きいと感じています。
たとえば、大人の方が水を出しっぱなしにしていたときに、
私が「節水してくださいね」というよりも、
子どもたちが「水出しっぱなしじゃダメだよ」って言ったほうが
何倍も効果があると思いませんか?
子どもの前で手本となる大人が恥ずかしいところを
見せたくないと思うのが普通の感覚ではないかと思っております。
こういった拡がりが熊本市を、はたまた社会全体の
環境意識を高めていくことにつながるのだと
私は確信して日々の業務に取り組んでいるところです。
 
Q5、市民の皆さんへ望むことや、お願いがあれば教えて下さい。

5月に行われる「くまもと環境フェア2014」をはじめ、
市の環境イベント・環境関連講座は毎年数多く行われております。
環境を難しい問題として捉えるのではなく、
とても身近な問題として考えていただくため、
環境イベントに足を運んでいただけると、自らの
ライフスタイルを見直す良いきっかけになると思っております。
ぜひ、ご家族やお友達の方と一緒に参加されてみてください。
 
Q6、ご自身やご家族で取り組んでいる
環境活動などはありますか?

私が学生時代から続けていることは、
電気やガス・水道の使用量をメモして、年月別にデータ化して、
使いすぎに気をつけています。
経済的にもお得感を実感できますよ。
あとは、生ゴミのひとしぼりですね。
水気を切ることで、燃えるごみの削減にも役立ちます。
慣れて癖や習慣がつけば、案外簡単にできますので、
ぜひ始めてみてください。
 
Q7、環境に関して「熊本の実はここがスゴイ!」
「ここがダメ!」など、市民の皆さんが意外と知らない
お話や情報が有りましたら、追加でぜひお願いします。

熊本市が地下水100%で賄われているというのは、
市民の皆さまからすれば当たり前のことかもしれませんが、
他都市の方と交流するとやはりとても驚かれます。
私の出身地の大分も含め、普通、水道水は川やダムから
水をとるのが普通で、全国的にもそちらが一般的ですから。
また、熊本県は全国的にみると、比較的環境の意識が高い
土地柄なのか、住宅用太陽光発電システムの普及率は
全国第2位ですし、1人1日あたりのごみ排出量は
全国第1位の少なさとなりました。
ただし、県内で見ると熊本市はワースト3に入っております。
熊本県が全国第1位をずっと保つためにも、
熊本市は重要な役割を担っていると思っておりますので、
ぜひご協力をよろしくお願いいたします。
 
お問い合わせ先 熊本市環境政策課
電話 096-328-2427

今日は今月5月17日(土)18日(日)に熊本市動植物園で開催される
「くまもと環境フェア2014」より、主催者の熊本市環境局環境政策課、
大司恭史さんにお越し頂きまして、「くまもと環境フェア2014」の
内容と熊本市の環境への取組みについてのお話を伺いました。
大司さん、ありがとうございました。

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