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「ワン チャンス」

毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。
 
今日ご紹介するのは、現在公開中の「ワン チャンス」です。
 
テレビのオーディション番組に出演したのをきっかけに
ちょっと冴えない一般人から世界的大スターになった・・・と
言えば誰を思い浮かべるでしょう?
「スーザン・ボイル」という方が多いかもしれませんが、
実は同じ番組で、彼女より一足早く大スターになった
男性がいます。ポール・ポッツです。
携帯電話の販売員から、たった一夜にして大スターになった
彼の半生を映画化したのが、今日ご紹介する映画
「ワン チャンス」です。
 
イギリス・ウェールズに生まれたポールは、
小さいころからいじめられっこでしたが、
地元の聖歌隊に入り、オペラ歌手になるのを
ひそかに夢見ていました。
夢を捨てないまま30代半ばになった彼は、
念願のイタリア留学を実現します。
懸命に練習して、やっと憧れのテノール歌手、
パヴァロッティのオーディションにのぞむのですが、
あがってしまってうまく声が出せません。
「君は、オペラ歌手になるのは無理」とパヴァロッティに
ダメ出しされ、失意のどん底に・・・。
それでも諦めず、再び歌うチャンスが訪れますが、
次々と思わぬトラブルに見舞われます。
 
映画を見ると、実はポールは、棚ぼた的にラッキーを
手に入れたのではなくて、我々が知るあのオーディションの
シーンまでに波乱万丈の人生を歩んだ努力の人と
いうことが分かります。
ポールを応援する周囲の人物たちも、ユニークな人物
たちばかりで、映画を観ているうちに、観客も
ポールの仲間のような気分になっていきます。
オーディションで夢を掴んだクライマックスの瞬間は、
観客と一緒に拍手喝采したくなることうけ合い!です。
 
監督は、「プラダを着た悪魔」のデヴィッド・フランケル。
ドラマチックになりがちなストーリーを、たくさんの
笑いどころを用意して楽しく見せてくれます。
感動大作が苦手・・という人も、イギリスのコメディが
好きなならば、オススメです。
また、歌唱シーンもたくさん出てくるんですが、
なんとポール・ポッツ本人が歌の吹き替えを
担当しているので、リアリティ抜群です。
 
実は、この映画の舞台裏にも、
ひとつのサクセス・ストーリーが隠されています。
ポール・ポッツ役には、演劇界で活躍していた
ジェームズ・コーデンがすぐに決まりました。
演技力もあり、ポールにも雰囲気がそっくりで、
イギリスではすでに人気の俳優でした。
ポールの妻ジュルズ役も重要な役だったので、
多くの女優をオーディションしていました。
歌手のケイティ・ペリーやアデルも候補に
あがっていたというこのジュルズ役。
重要な役なのでキャスティングも慎重になっていました。
すると監督のもとに大女優メリル・ストリープから
メールが届きます。「アレクサンドラ・ローチを起用しなさい!」と。
 
実は、メリル・ストリープは、
「マーガレット・サッチャー鉄の女の涙」でサッチャーを
演じた時に、自分の若い頃を演じたローチの演技力を
高く評価していたのです。この「ワン チャンス」の
監督デヴィッド・フランケルとメリル・ストリープは、
以前「プラダを着た悪魔」で一緒に仕事をしていたので、
わざわざ推薦のメールを書いてくれたそうです。
とにかくこのジュルズ役のローチが素晴らしい演技です。
何度もめげそうになるポールを励まして、応援する姿には
、きっとあなたもホロリとするはずです。
さすがメリル・ストリープは目が確かだなぁ・・・・と
感心してしまいます。
 
失敗を重ねた主人公が、最後の最後のラストチャンスに
すべてをかけて大舞台にのぞむというストーリーラインは、
あのボクシング映画「ロッキー」を思いださせます。
プロデューサーのマイク・メンチェルも実はそれを
意識していたそうで、「あらゆる障害を乗り越え、
状況に屈せず、夢を追いかけることを止めない男の情熱と
向上心の物語。ポール・ポッツの物語は、
まるでロッキーだ。」と発言しています。
最近ちょっと元気がないなぁ・・・というあなた!
観た後に、元気をくれる1本ですよ!
 
今日ご紹介した映画「ワン チャンス」は、
■シネプレックス熊本
で、現在公開中です。
 
「ワン チャンス」オフィシャルサイト
 
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